February 20, 2018

メダルの陰にゆる体操と古武術か

 平昌オリンピックでの日本勢の活躍は素晴らしいですが、ちょっと小耳にはさんだ情報を。
 
 あの羽生結弦君が、ゆる体操の「ゆるゆる棒」を使っていたのが、「めざましテレビ」で映っていたそうです。知人のゆる体操の指導者が教えてくれました。
 
 ゆるゆる棒とは、二本の棒を十字にかませて、その上に両足を乗っけてゆる体操をすることで、全身のゆるみを促進し、センター(正中線)を形成させるものです。私も1セット持っています。全身の脱力と身体の中心部分の適度な緊張感を同時に作ることができる体感があるので、けっこう重宝しています。
 といっても最近、やっていなかったので、羽生君を見習ってゆるゆる棒トレーニングを復活させたいと思いました。
 
 確かに羽生君の演技中のゆるみっぷりは半端ないものね。
 
 羽生君がゆる体操を習ったかわかりませんが、何かやそれ的なものをやりこんでいたのかもしれません。
 
 そしてスピードスケート金メダリストの小平奈緒さんは、なんと古武術を学んでいるそうです。これはニュースになりました。
 ゆる体操も武術由来だし、武術をやっている者としてやはり、うれしいですね。
 
(転載貼り付け)
 平昌五輪スピードスケート女子1000メートルで銀メダルに輝いた小平奈緒。強さのベースには、古武術がある。びわこ成蹊スポーツ大の高橋佳三教授(43)が約10年にわたって教える。「小平奈緒という選手を形づくるピースとして役に立てたとしたらうれしい」と活躍を見守る。
 小平は氷に乗る前、歯が1本しかないげたを履き、スケートを滑るように尻を落とす姿勢を保つ。体の感覚を確かめるため、古武術にヒントを得て取り入れた独自の調整法だ。
 古武術は明治維新前の日本の武術の総称で、高橋教授はスポーツへの応用を研究している。小平との出会いは2007年。筑波大大学院の先輩で小平を指導する結城匡啓コーチに頼まれ、信州大氷上競技部で講習したことがきっかけだった。その後は数年に一度、古武術に基づく体の感覚を伝えている。一本歯のげたもその一つ。「げたの上でも地面と同じ感覚で立つ感覚を紹介した」
 昨年6月には、肘と尻を意識しながら一定の姿勢を維持するポーズを教えた。厳しい負荷がかかるが、小平は男子よりも軽々とこなした。オランダ留学中も古武術の講習のネット動画を見ていたという。
 あるとき、「相手がいても、いなくても一緒」という中国武術の言葉を紹介した。500メートルで5位だったソチ五輪を「メダルがちらついた」と振り返っていたことを知り、「相手やゴール、タイムを目標にすると、その目標の手前で止まってしまう」と伝えた。
 小平は14日の1000メートルで銀メダルを獲得した後、「しっかりと諦めずに、ゴールラインの先まで、実力を出し切れたかなと思う」と語った。その言葉を聞いた高橋教授は「伝えたことが彼女の言葉として出たのを聞くと役に立てたと思う。500メートルも力を出し切れば、結果はついてくる」と期待する。

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February 16, 2018

『オープンダイアローグを実践する』

 最近、アドラー仲間の八巻先生やブリーフセラピーの白木先生に感化されて、オープンダイアローグの本を読んだりしています。
 
 
 本書は日本にオープンダイアローグを紹介し普及に努めている先生たちと、フィンランドのオープンダイアローグの開発者とのシンポジウムを書籍化したもののようです。
 
 オープンダイアローグの要点や、日本の精神医療に果たしてどのくらい導入できるのか、率直に話し合っています。薄い本なので、私のような初学者でも、オープンダイアローグを巡る今の状況がうかがい知ることができます。
 よかったら読んでみてください。
 
 印象的なところを二つだけ引きます。
(引用開始)
 つまり我々人間は誰もが主観的にならざるを得ない生き物なのです。客観的にはなれないのが人間というものなのです。「私たち専門家は主観的であるべきだ。私たちは主観的に考え、さらに考え、そして結局のところ自分たちが主観的であることに気がつくのだから」。これはヤーコではなく、別の私の同僚が語ったことですが、この気づきがダイアローグの最初の扉なのだと思います。  p19
 
 では、未来語りのダイアローグのよいところはどこかというと、これはトムが言っていることですが、「人間とは、未来を語ることで楽観的になりうる存在だ」ということです。「楽観的になりなさい」ではなく、未来を語ることで「楽観的になれる」構造を持っているということです。  p85
(引用終わり)
 
 つまり、アドラー心理学でいう、認知論と目的論そのままの姿勢ですね。
 
 

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February 13, 2018

連休中の研修

 連休初日の2月10日(土)は研修を主催する立場。山梨県学校臨床心理士委員会主催で、スクールカウンセラーと教員向けの研修会を山梨英和大学で行いました。
 
 同大学の飯田敏晴先生を講師にお願いし、「学校臨床における『性の多様性』を踏まえた心理的支援  LGBT、、、そしてSOGIへ」と題して、昨今の臨床界の話題の一つ、性的マイノリティをテーマに取り上げました。
 電通ダイバーシティの調査では、人口の7.6%がLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)だそうなので、思春期以降の学校臨床では当然踏まえておくべきことですが、なかなか学びにくく、学ぶ機会の少ないテーマだと思います。
 
 マイノリティ体験をする面白いトランプゲームから始まって、セクシュアリティについて、日本における性的マイノリティを巡る教育制度や偏見の歴史から、臨床的な配慮について、様々な角度から学びました。
 最近はセクシャルオリエンテーション(SO)とジェンダーアイデンティティ(性的同一性:GI)を合わせてSOGI(ソギ、ソジ、エスオージーアイ)と呼ぶそうです。
 私もわかっているようで、わからない、実感の伴わないことが多いので良い機会になりました。
 
 ところで研修会後の懇親会で、講師の飯田先生はアドラー仲間のM先生やA先生とお知り合いであることが発覚。しかも10年近く前に先生がA先生のアドラー心理学の勉強会に参加したときに、同じくそこにいた私を見たことがあるとおっしゃってました。驚くとともに、世間の狭さを感じましたね。
 
 12日(月)は日本屈指のブドウとワインの里、甲州市勝沼にある社会福祉法人ぶどうの里で、職員の方々に研修をしました。授産施設や放課後等デイサービスなど多くの施設を抱える、県内でも老舗の福祉団体です。
 
 私からは、「行動の理解と勇気づけ」と題して、目的論に基づくアセスメントと勇気づけについてお話しさせていただきました。
 対人援助職の人は、広い意味で同業者なので話が通じやすく楽しく進めることができました。
 
 同法人の研修会は来週あと一回あります。
 
 寒風吹きすさぶ甲府盆地を巡り歩いています。

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February 10, 2018

『[心の言葉]使用禁止! アドラー心理学と行動分析学に学ぶ』

 アドラー心理学と行動分析学は、基本的に同じ方向を向いており、共通性が高いと主張している本です。
 
 
 それは両者ともに、人の行動を理解しアプローチするときに「目的論的アプローチ」を採っているところです。
 
 著者は、原因-結果という因果関係で問題や病理を説明する医学モデル、医学的思考から決別したものとして、アドラー心理学を大変評価し、本質的に行動分析学に通じると論陣を張っています。
 
(引用始め)
 アドラー心理学の目的論という母体に、行動的思考もしくは行動の原理を接合していくことである。  p47
 
 アドラー心理学における目的論的アプローチは、スキナーの行動分析学との連携によって精緻化することができる。p89
 
 アドラー心理学による目的論的アプローチと、スキナー心理学の行動分析的アプローチとの連携によって―それに欲望に基づく目的を追加することで―、従来、心理療法(特に精神分析)と精神医学に蔓延していた病因(原因)論的アプローチ、ひいては病因論の呪縛から解き放たれることになる。 p90
(引用終わり)
 行動分析学がご専門らしい著者のアドラー心理学理解も正確だと思います。ただ引用した人名の誤植がいくつかあるので気になりましたが。
 
 私も同様の発想でずっといて、以前、行動分析学の本も紹介してアドラー心理学との類似性を指摘しました。
 
 確かにアドラー心理学はかなり「大雑把」ですので、行動分析学や、あるいはシステムズ・アプローチなどを手勢に加えることで鬼に金棒になるでしょう。
 
 ですから、行動分析学の専門家から賛同してもらったようでうれしかったです。おまけに本書では、私の拙監修書『ブレない自分のつくり方』(PHP)も参考文献欄に入れてくれてます。ありがとうございます。
 
 科学主義や還元論(行動分析学)と現象学や全体論(アドラー心理学)などの思想上の立場の違いはありますが、私はこれは些末なことだと思っています。むしろより大きな枠組みを意識して、この程度の二つの思想は自由に行ったり来たりできなければ。
 
 心理学の基礎として行動分析学は基本中の基本、アドラー心理学を学ぼうという人は目を通すべきですよ。
 
 ちなみにAmazonには行動分析学に詳しいらしい人からの辛口の書評が出ていますが、赤面症の「顔が赤くなる」は、徹底的行動主義だとオペラントの成分が強いと考えるのかもしれませんが、アドラー心理学や著者は、レスポンデントの成分が強い、つまり外界(他者)を操作する目的があると考える立場だと思うので、間違っているわけではないと思います。
 
 

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February 07, 2018

武術瞑想

 心理学者で空手家の湯川進太郎先生(筑波大学准教授)が、マインドフルネス瞑想としての武術をわかりやすくイラスト入りで解説してくれている本です。
 
 
 湯川先生は空手道糸東流6段だそうで、大学は私の後輩にあたるようです。お会いしたことはありませんが、大学では落ちこぼれだった私と違って、学術的にもすごく優秀な経歴の方です。
 先生は、武道の本義を心理学的に説明するには、マインドフルネス瞑想と重ねることが最も良いと確信しているようです。
 
(引用始め)
 
 武術稽古という営みは、武という基準に照らして動作が有効かどうか、という観点で技を磨きます。それ自体は武の稽古です。ただ、その営みそのものは、要は自身の呼吸と身体を絶妙にリンクさせ、それを内側から観察するという行為です。つまり、今ここにある呼吸と身体と意識を一つにつないでいく営みです。これはまさにマインドフルネス瞑想以外の何ものでもありません。  p33
 
 マインドフルネスとフローの決定的な違いは、気づきを保っているかどうかです。 p41
 
 瞑想性をふまえた身体術の修行となってはじめて、武術は「武道」となりえます。 p44
 
(引用終わり)
 
 武術・武道と心理学といえば、以前紹介したユング派からの視点で語っている老松克博『武術家、身・心・霊を行ず』(遠見書房)と本書は対極にあります。この本もとても面白かったです。
 
 湯川先生は実証主義、老松先生は内面主義というか、ユング心理学ですからあえていうと神秘主義。
 
 心理学は約100年前に成立してからずっとこの二つを両極として発展してきたといえるでしょう。
 
 ちなみにアドラー心理学は、その二極のちょうど真ん中、中庸に位置しています。本当だよ。
 
 

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February 05, 2018

最先端のエンジニアに研修

 2月1日(木)は甲府盆地西部にあるファスフォードテクノロジ株式会社で中堅職員の人たちにメンタルヘルスとコミュニケーションの研修をしました。
 
 ファスフォードテクノロジ株式会社は、スマートフォンの半導体の製造でシェアは世界トップクラス、フラッシュメモリーの部分は、2人に1人のスマートフォンに使われているそうです。私たちは日々大変お世話になっているのです、知らなかったけど。
 
 今回の研修は同社の産業医で、アドラー仲間でもある坂本玲子先生(山梨県立大学教授)の紹介で実現しました。
 技術者さんたちならではの真面目な雰囲気の中、少しずつ話を進めていき、自らと普段のコミュニケーションを振り返るワークをしていただきました。コミュニケーションは苦手だけど基本、穏やかな人たちが多いという感じなので、次第に打ち解けた雰囲気になっていき、楽しんでいただけたようです。
 
 最近私はこういう研修では、従来からの認知行動療法のストレスマネジメントとアドラー心理学の勇気づけのほかに、産業メンタルヘルス分野のキーワードなどを入れることが多くなっています。ワークエンゲイジメントとかワーカホリック、バーンアウト、職務満足感などの概念を紹介しています。
 特に今回のような高学歴で能力の高い人たちには、届きやすいようです。
 
 アドラー心理学に関心のあるようなおばちゃん集団 セレブな奥様方のグループには、話し合いのワークを多めに入れるといいでしょうね。
 
 だから基本、三部構成的にしています。
 
 私は研修講師は本業ではないし、すごく上手ではないですけど、なんか自分のスタイルはできつつあると感じています。

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February 02, 2018

ジロリアンとアドレリアン

 ジロリアンとは「ラーメン二郎」の熱烈なファン、崇拝者のことをいうそうです。ラーメン二郎とジロリアンの関係は、アドラー心理学の在り方と共通点が多く、参考になるように感じたので、メモします。
 
 

(引用開始)

 東京都港区三田に本店を構える「ラーメン二郎」。近隣の慶應の学生たちの応援が店を支えたというエピソードも残っている。とにかく量が半端なく、「小」を頼んでも他店の大盛りを遥かに凌駕するラーメンがドカンと出てくる。食べた直後は必ず後悔するが、しばらくすると無性に食べたくなる、いわゆる病みつき系のこってり味であり、二郎に何度も通う人たちを「ジロリアン」と呼ぶなど、カルト的なファンが存在することでも有名だ。

 一杯平らげるにはそれなりの気合と体力が必要なため、二郎での食事体験を「修行」と捉える人も多い。「もはやラーメンではない」「二郎という別の食べ物だ」と言い放つ人さえもいる。独自の味とスタイルを築いた創業者・山田拓美代表を慕った、インスパイア系と呼ばれる類似店舗も増加している。

(引用終わり)

 私もラーメン二郎にトライしたことはありましたが、残念ながらジロリアンにはなりませんでした。こってり系はちょっと苦手です。
 
 私と違って、ジロリアンさんたちは「ラーメン二郎」に通うこと、食べきることを「修行」と称しているそうです。すごく熱いです。
 熱心なファン、崇拝者に支えられていること、「もはやラーメンではない」と言われるところなど、熱心な支持者がいながら「もはや心理学ではない」と悪口を言われがちなアドラー心理学に似ていそうですね。「心理学とは違うものだ」とまで言う専門家もいるようです。「修行(実践)」を強調するところも似ています。
 
 ただ、崇拝型ビジネスは、そのカリスマがいなくなるともろいものです。いろいろな分野でよく見られる現象です。
 
 大事なのは、「自分だけが正しい」と思い込むのではなく、崇拝者、追随者の存在を受け入れ、許すことです。ここでいうパクリとは、悪い意味ではなく、そのようなインスパイアされたお店、人たちを指します。
 
「追随する者を育てる」勇気によって、大きな広がりを持つ「仲間」ができます。そして核になる「正統派」も成長します。
 
(引用開始)
 追随者をライバルとみなして蹴落とすのではなく、同志として受け入れたり、弟子として育てていったりすることで、自らを核とする一つの市場領域が形成される。一緒に一つの業界をつくるという意識だ。これにより、本家本元のブランドとしての価値がより高まっていくのはいうまでもない。また本家としても、後進として追い上げる者たちとの間で繰り広げられる切磋琢磨によって、さらなる高みを目指していく熱い気持ちが維持されるかもしれない。先駆者であり破壊者である一面、育成者としても振る舞うことで、崇拝型のビジネスはより強固な存在になっていく。
 引用終わり)

 

 確かにアドラー心理学は、他の心理学と違って、崇拝型ビジネスに近いところがあると感じます。岩井派にせよ、野田派にせよ、岸見ファンにせよ。

 

 ただ、それぞれが違うのはインスパイアされた人たちへの態度でしょう。どこがどうとは、ここでは言わないけど(わかる人にはわかるね)

 

 私はカリスマ性も人望もなく、基本冷たいので、残念ながらこのビジネスモデルは使えそうもありません。

 

(最近、なぜかフォントの大きさが不安定です。こちらは同じ「標準」の大きさで打っていますので、字の大きさによる強調はありませんのでご承知おきを)

 

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January 29, 2018

『アドラーをじっくり読む』

 アドラー心理学の理解を進めるために、アドラー自身の著作をもっと読もう、と提唱し、その本を解説した本です。
 
 
 アドラーの本をほとんど翻訳してきた岸見先生ならではの内容です。
 
 本文は岸見先生が出したアルテ(私も何冊か出させていただいてます)の「アドラー・セレクション」「アドラー・アンソロジー」シリーズの訳者解説文が元になっています。
 
 普通の訳者解説は最後の2、3ページにちょっと感想文的なのがあるだけなのに、岸見先生のは、相当なボリュームと内容があります。
 実は私も、これまでものを書いたり、まとめる時に参考にさせていただいたほど充実していました。
 
 それらが一堂に集まったので、とてもありがたいです。
 
 アドラー心理学をしっかり学びたい方は参考書として便利ですし、襟を正さないと、と思わさせられるところもあり、勉強になりますよ。
 

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January 26, 2018

私の強み

 メチャクチャ寒い今週は、授業が1つ、講演が2つありました。
 
 23日(火)はスクールカウンセラーとして勤務している中学校の3年生に授業をしました。受験を迎えて、本番で上がらずに平常心になるにはどうすればいいかというテーマです。毎年この時期に学校に頼まれてやっています。
「本番に強い心をつくる」と題して、緊張との付き合い方、リラックスの仕方について話をしました。
 後半は私のガイドのもと、10秒呼吸法とゆる体操をしました。クラス全員と先生方が一斉に体をゆらゆらゆする光景はなかなかないものです。
 リラクセーション法は瞑想や呼吸法など静かなものが多くなりそうですが、アクティブなゆる体操を教えることができるのが私の強みです。
 
 24日(水)は私の古巣でもある山梨県立北病院のデイケアに呼んでいただき、患者さんとご家族50名ほどの方々に、メンタルヘルスの講演をしました。勇気づけとリフレイミングのところが特に受けたみたいです。
 精神科で当事者への講演という場だと、認知行動療法やSSTやオープンダイアローグなど流行りの方法をわかりやすく説明するのはなかなか難しい気がしますが(上手な人もいるでしょうけど)、アドラー心理学は一般の方や患者さんにも届きやすいと改めて実感しました。臨床心理士なのに(?)、アドラー心理学を知っているのが私の強みです。
 
 25日(木)は甲府盆地東部の笛吹市で、自殺予防対策の事業である「ゲートキーパー養成研修」で、民生委員さん約50人に話をしました。地域福祉の担い手である民生委員さんは、まさにゲートキーパーとしての役割が大いに期待されます。
 自殺問題のある人をどう勇気づけるかを、お話ししました。テーマがテーマだけにやけに重くなってしまいそうですが、それでは学びの効率が悪いと私は思い、ワークやユーモアを交えて、意外にも笑い声の多い研修になりました。
 お陰様で、ちょっと変わった自殺対策研修ができるとして、他の市町村からもお声がかかっています。
 普通の人が相談に使える勇気づけをお話しできるのが、私の強みです。
 
 と、今回は自慢話みたいになってしまいましたが、講師にもいろいろなタイプがいます。特にアドラー心理学関係は、本当に多士済々です。私もいろいろなアドレリアンの話を聞いてみたいです。
 
 私の場合は、感動で涙あふれる研修は絶対できませんが(基本冷めているし)、大抵の人には受け入れられる、そこそこ面白い内容にはなるようです。

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January 22, 2018

ダイアローグの精神を学ぶ

 1月20、21日(土日)、「対話文化の醸成を目指す人々のための、リトリートワークショップ」というものに参加してきました。
 
 フィンランド発のオープンダイアローグは、現在臨床心理学、精神医学界の大物が続々と注目しているところですが、今回その対話(ダイアローグ)の本質を学ぼうという意欲的なワークショップです。
 
「リトリート」と銘打っているだけに会場は、甲府盆地北東部の高原にある保健農園ホテルフフ山梨という、これまた非常に注目すべき施設でした。
 東京の医療法人が経営する滞在型施設で、ヨガや座禅(マインドフルネス瞑想)、森林浴、自然食などで心身の養生を図っていくプログラムが多くあります。コストは高級ホテル並みですが、都会を離れた癒しを求める方、合宿型の研修を考える人は利用を考えるといいでしょう。
 今回も私たちのグループのほか、ヨガ教室の団体が利用していました。
 
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 正面から見たフフ山梨です。
 
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 フフ山梨から見た富士山。冬晴れの日はもっとくっきりするはずですが、この日は少しかすんでました。雪の予報もあり、低気圧が近づいているせいかもしれません。
 
 ワークショップの講師は白木孝二先生(Nagoya Connect & Share)、日本にブリーフセラピーを導入した立役者の一人であり、最近は熱心にオープンダイアローグを本場から伝えてくれています。
 私はもう20年ほど前に、山梨の児童相談所に初めてブリーフセラピーを伝える時に、講師として来県をお願いしてからのお付き合いです。
 
 今回はオープンダイアローグと同様、患者、家族、関係者との対話を促進させようとする「アンティシペーション・ダイアローグ」、そのアプローチの一つ、「アーリー・ダイアローグ」というのを実習しました。
 
 私はまだこの辺は詳しくありませんが、オープンダイアローグが統合失調症の人への直接的介入を目指すとすれば、これは医療のみならず福祉領域や企業組織などで使えるより広いダイアローグの方法です。
 
 相手を変えるのではなく、自分の困りごとを相手に伝え、その解決のための協力を依頼する、そのための詳細な対話の方法が開発されています。虐待でもDVでも、相手を変えようとアプローチして、かえって反発、膠着を招いてしまうことはよくあります。それでは対話になりません。
 
「変わるべきはまず自分」「自分の課題を明確にして、相手に伝え、協力を依頼する」、まさにアドラー心理学の「課題の分離」そのものです。
 
 アドラー心理学とダイアローグの精神はぴったり重なることを、今回も強く実感しました。

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«朝日カルチャーセンターでアドラー心理学講座