May 19, 2012

誰の課題でしょう

「誰の課題でしょう」というのはアドラー心理学のペアレント・トレーニングSMILEやカウンセリングで出てくる言葉で、専門的には「課題の分離」といいます。

 大体親は、時には教師やカウンセラーも、本来相手のやるべきことを(良かれと思っても)、手や口を出して無用な葛藤やトラブルを招くことが多いものです。

 だから支援の最初には、「そもそもその問題は誰の課題なのか」を明確にするプロセスが必要になることが多いのです。それがカウンセリングの場合は治療目標の設定につながっていきます。

 昨日は月1で仲間とやっているアドラー心理学の原書講読会「英語でアドラー」で、その辺をやりました。

 アドラー心理学による子どものプレイセラピーを解説したTerry Kottmanの「Partners in Play」には、親や教師へのコンサルテーションのやり方を説明しているところで、
 Defining problem ownership(p40) という節として出ています。直訳すると「問題の所有者を定義する」というところでしょうか。

 そのために、Whose prblem is it?(それは誰の問題か)、Who is experiencing difficulty with whom?(誰が誰に対して困難を経験しているのか)、Whose purposes are not being met?(誰の目的が満たされてないのか)と問うてみることを勧めています。

 カウンセリングや支援は「問題の定義」で始まるといっていいし、うまくいかないのは問題の定義が不一致だったり不十分であることに気づいていないことが多いので、大切なところです。

 本書はこの後、アドラー心理学お得意の「不適切な行動の目的と対処法」に進みます。

 学んだことを違う言語で(元ネタですし)学び直すのも楽しいものですね。

 著者もいい感じの人みたいだし、翻訳して出版してもいいんじゃないかな。日本にはまだアドラー派の臨床本は皆無同然だし。協力しまっせ(自分がやるとは言わない)。

 次回は6月22日(金)午後7時、心理臨床オフィス・ルーエでやります。
 アドラー心理学だけでなく、プレイセラピーに関心のある方はご参加ください。

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May 15, 2012

おおえまさのりさんと再会

 前記事のアドラーキャンプの終了後、その足で同じ北杜市白州町に住むおおえまさのりさん宅を訪問しました。

 なんと20数年ぶりの訪問、再会です。

 おおえまさのりとは-はてなキーワード

1942年生まれ。

65~69年にかけて映画制作のためニューヨークに渡り、スピリチュアルムーブメントと出会う。

その後インドを旅してチベット仏教に出会い、『チベット死者の書』を日本語翻訳。

以後精神世界ニューエイジの展望を切り開くさまざまな企画・出版・学塾などに携わる。

現在は、自然農法を実践している。

 70年代の日本のヒッピー・ムーブメント、80年代以降のいわゆる「精神世界」の草分け、本家本元の一人でその世界では知る人ぞ知る大人物です。
 しかし内面のトリップに走りがちなスピリチュアル文化だけでなく、社会と個人の内面の統合を目指すディープエコロジーの推進者の一人でもあり、脱原発運動や自然農にも深くかかわっていました。
 あまりマスメディアには出ませんが、「チベットの死者の書」を日本に初めて紹介した人として知られています。

 私は大学時代から20代半ばまで、先輩や友人と何度も当時小淵沢にあったお宅にうかがい、夜遅くまで語らい、相談し、昼は農作業や大工仕事を手伝ったりしていたのでした。今にして思うと、私の人格形成に大きな影響を与えた恩人といってもいい人です。

 今回おおえさんのお宅のすぐ側でキャンプをやっていたことで、なんか急にお会いしたくなって、アポなしで突然訪問したのでした。3.11後のこの日本の状況でどのように過ごしておられるのか、何をお考えなのか、知りたくなったのかもしれません。アドラーキャンプの仲間の佐藤さんもお連れしました。

 70歳になるおおえさんは、すぐに「深沢君か」と気づいてくれ、昔と全く変わらない自然の中に溶け込んだ仙人のような風貌とやさしい笑顔で僕たちを迎えてくれました。

 山間にある自作の家は赤い泥の壁が印象的で、素朴だけど頑丈そうで、すごく住み心地が良さそうでした。

 自然農で不耕起の田んぼには水が張られ、オタマジャクシがたくさん泳いでいました。その上を柔らかく暖かい風が流れて気持ちよく、強い生命力を感じました。

 おおえさんがいれてくださったチャイを飲みながら、しばらくお互いの近況を報告し合いました。
 おおえさんは最近、近隣の仲間たちと自然農の実践をしながら、地域通貨、エコロジー、先住民文化の伝承、震災支援、脱原発運動などに携わっているようでした。
 おおえさんはとても包容力のある人だから、今でもたくさんの人が集まって、活動を広げていて、さすがだなあと感動し、勇気づけられました。

 私は時代柄か性格ゆえか、ヒッピーにもならず農業やエコロジーの世界にも入らなかったけど、結局今はある意味でドロップアウトしているわけだし、根底にはそういう精神があるのかもしれないと今回訪問して改めて実感しました。

 あまりにうれしくて写メを撮り忘れので、おおえさんのインタビューのあるサイトをリンクします。こんな感じの方でこんな感じの風景です。

 サイケデリックとチベットと自然農

 おおえさんの日記サイト

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May 14, 2012

アドラーキャンプin白州

 5月12,13日、山梨のアドラー仲間と、お泊り研修会「アドラーキャンプin白州」をやりました。

 場所は南アルプスの麓北杜市白州町のべるがという場所、超高濃度天然温泉付きのコテージ型研修施設です。この温泉だけでも入る価値があり、森の中の素晴らしい環境です。

Photo  このようなコテージがいくつもあって、参加者が12人で3棟借り切りました。

 東京からも3名(赤ちゃん入れると4名)が駆けつけてくれました。

 先ず、里山っ子という映画の上映会。

 木更津にあるという子どもをできるだけ自然の中でのびのび育て、多少の危険は成長に必要だからと干渉しない保育園のドキュメンタリーです。

 一部NHKEテレでも放送したり、知る人ぞ知る保育園のようで、ヒューマン・ギルドの会員の方も何か多少関わっていたそうです。

 山の中で泥んこになり、駆けずり回り、ぶつかり合う子どもたちの生き生きとした姿が素晴らしかった。自分の子どもの頃の様子とかなり重なり、懐かしい気分になりました。まさにこんな世界にいたよ。今はこの程度もこともリスク管理重視で難しくなっているのでしょう。

 夜は自炊パーティーということでコテージで料理と簡単なバーベキュー、元教員の富士池さんや保育園長の児島さんが活躍してくれました。

 さらに日もとっぷり暮れてから外に出て佐藤丈さん(教育センター)による「星空のワーク」。寝袋に入って地面に仰向けになり、満点の夜空を眺めながら意識を広げていきます。高原ですからけっこう寒かったですけど、星空は素晴らしかった。

 この星空のワークは、コスモスセラピーを提唱されている岡野守也先生のところで佐藤さんが学んできたものです。

 翌日は私によるWSということで、前日の流れを受けて、自然の中で樹木との気の交流をしようという樹林気功をやりました。

 樹林気功の提唱者、今田求仁生先生より約20年前に伝えていただいた、素晴らしい気功のワークです。

Photo_2  簡単な按摩功や気功の動作、タントウ(立禅)の手ほどきをして、森の中や清流の側を散策しました。

 新緑の森は柔らかく、清々しい気に満ちていて、じっと立っていると、風の音や鳥の声が体にしみこむように入ってきます。

 そして温泉では強い地の気をいただき、天地人の気の交流となった素晴らしい二日間でした。

ある意味で、共同体感覚を地球、宇宙規模に広げる試みだったかもしれません。

Photo_3

 

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May 11, 2012

与太郎を受容する社会

 5月9日の山梨日日新聞に荻野アンナさんのコラムが出てました。地方紙だから通信社が全国に配信しているので、山梨以外の人もご覧になれたかもしれません。

「落語の世界から学ぶ 与太郎を受容する社会」というエッセイなのですが、落語に関心があってフランス語に訳したり、実際に落語家に弟子入りしようとまでした荻野さんが、落語の江戸の世界で「活躍」するおっちょこちょい、うっかり者、いい加減に生きている与太郎のような登場人物が今の社会では実に生きにくくなったと嘆いています。

 現代の社会では、与太郎のみならず、八五郎も熊さんも、長屋のヒーロー連中が一人でも近所や親戚に居たら、大抵の場合、かなりの迷惑をこうむるはずだ。

 迷惑もシャレのうち、と余計者や半端者を受け入れた社会はすでに過去となった。今なら与太郎の母は、彼を叔父に任せる代わりに病院に連れて行くだろう。

 仕事熱心な医師によって、アスペルガー症候群、ADHD(注意欠陥多動性障害)など難しい病名がつきかねない。哀れな与太郎、薬漬けだ。

 同様の発想で貧乏長屋の面々を検証すると、家賃滞納による立ち退きで住人がゼロになる。乱暴者の「らくだ」など、恐喝、窃盗、傷害と軽犯罪が折り重なる。

 昔も今も「らくだ」は嫌われ者に違いない。フグに当たって死んだと分かると、長屋の隣人はうそぶく。
「よくフグが当てたねえ」
 この正直さは今なら「不謹慎」と糾弾される。言語化できない「不謹慎」は雪崩を打って「2チャンネル」に流れ込む。

「2チャンネル」が満杯で長屋がカラでは、落語にオチがつかない。オチつかない世の中、ということで。

 荻野さんがおっしゃるように、落語の愛すべき登場人物たちが今ならアスペルガー、ADHD、または軽度知的障害、境界レベルの知的能力者であろうということは、けっこう以前から専門家や関係者は認識していることで、割と話にも出てきます。私も全くそう思う。
 むしろ専門家の方が一般の人より診断名にこだわらず、その人の実像をとらえているところがあります。

 一方で今は、こんな風に「医学化、心理学化」することがいいんだか、悪いんだかわかりませんが、こうでもしないと救えないところもあるのです。

 普通の人は、発達障害は大変なものだ、こわい、わけがわからない、なんてネガティブなイメージを持っていることもあるので、こうやって古典落語とつながるところを示すことで、彼らとの付き合い方をイメージしてもらえたらよいと思います。

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May 09, 2012

支援助言士研修

 支援助言士という新しい民間の資格ができました。

 カウンセラーやセラピストといった専門職とまでいかないけれど、困難に陥っている人に手を差し伸べて、適切な助言をしたり、支援の輪に誘っていこうというものです。

 支援助言士協会

 支援助言士の役割は心理を深く掘り下げるカウンセラーというより、支援を必要としている人に適切に手を差し伸べる気遣いと、人を信頼する心の広さと、協力し合える喜びを伝える人の育成を目指しています。

 社会はこれからますます、支援体制を充実していくことが求められ、人材の育成は大きな課題となっています。

 相互に尊敬しあい、協力することの喜びを共有する社会、支援助言士協会はそんな社会を目指しています。

 プレカウンセラーということで、イメージとしては公的なものでは民生委員とか、民間では傾聴ボランティアとか精神対話士とかに近いのかもしれません。傾聴だけでなく、よりアクティブに働きかける面を強調しているような印象です。

 この運動を率いるのは横浜で長年民間電話相談団体のNPO法人CLIP・あこーんを運営してきた鶴田恵美子先生
 何を隠そう、日本のアドラー心理学の黎明期からずっとアドラー心理学に関わり続け、とりわけSMILEのペアレントトレーニング・プログラムの開発など、親支援に携わってきた大先輩です。

 そして、僭越ながら私も声をかけていただき、本資格団体の設立、養成に関わらせていただいています。

 5月20日には、支援助言士養成の研修に講師として立つことになっています。テーマは「発達」。子どもの発達やその過程で生起する諸問題、発達障害の基本的知識についてお話しします。

 関心のある方は、是非、支援助言士協会へお願いします。

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May 07, 2012

「発達障害に気づかない大人たち<職場編>」

 フリー、開業して1か月ということで、4月は脱サラの解放感に浸っておりました。朝のんびりできるっていうのは実にいい。お昼寝も自由っていうのはさらにいい。
 おかげで太極拳の生徒さんからは「顔色がいいですね」とまで言われて、やはりストレスがあったのかしらね。

 先ずは暇なもんで読書が進みました。アドラー心理学関係の洋書もどんどん読んでます。これからいろいろアップしていきます。

 しかしいつまでもこんなことをしていられないので(このままでは引きこもりになってしまう…)、段々仕事をしていきます、いやさせてください。

 おかげさまで少しずつ予約は入ってきております。研修や講演の依頼も来ています。是非、ご活用ください。
 心理臨床オフィス・ルーエ

 太極拳・武術も甲府中心だったのが、韮崎市に一つ教室が増えました。本格的な太極拳を学びたい方は是非いらしてください。
 山梨太極拳・武術稽古情報

 今、「労基旬報」という労務関係の業界紙というのかな、そういう新聞にメンタルヘルスの連載記事を書いているのですが、発達障害をテーマにしようと考えていて、4月は特にその関係の文献を漁っていました。 

 発達障害という言葉、特にADHDとかアスペルガー症候群とかいうのが一般にも知られてきていますが、実際の職場ではまだまだ無理解や誤解が多く、その障害の性質上トラブルも少なくないようです。何せ国政を狙おうという橋本維新の会も発達障害についての不適切な発言をして、あの体たらくですからね。やはりその現場にいないと分からないことが多いでしょう。

 その中で最近売れているらしいのが、職場での発達障害の対応について書かれた、星野仁彦著「発達障害に気づかない大人たち<職場編>」祥伝社。

 発達障害の基本的理解から、「発達障害者が仕事をうまくこなすには、活かすには」というテーマで、自分の特性を活かすコツがうまく紹介されています。
 クライエントさんに紹介したり、一緒に対策を練るときにも使えますね。

 何より著者の星野先生自身がADHD(不注意優勢型)だそうで、その大変さと「星野流ADHDの仕事術」が開陳されています。

 多いよね、精神科医、医者にADHD系の人、私の知り合いのK先生もすさまじかった。あとアスぺ系ももちろん多いです。
 何を隠そう私も先生と同じく不注意型のADHDと自己診断しています。だから自分にも参考になった(苦笑)。

 新書ですから持ちやすく、紹介しやすい本だと思います。

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May 05, 2012

右脳の体験

 先日のNHKのEテレ、「スーパープレゼンテーション」はすごかった。ジル・ボルティ・テイラーというアメリカの脳科学者がTEDでプレゼンした様子が流れたのですが、観た方はいるでしょうか。

 テイラーさんはハーバード大の脳科学者だったのですが、37歳の時に突然脳卒中に罹り、その時の内的体験がすさまじかった。
 ある日左脳の血管が破裂して、理性的判断ができなくなっていき、代わりに右脳の働きがオーバーラップしてきたと思われる神秘体験といってもよい驚きの体験、そして戸惑いながら右脳と左脳の働きを行ったり来たりしていく様子、最後にその稀有な体験から脳科学者として人類に貢献できるのではないかという洞察まで、ドラマチックに語られていました。

 よくあるパワーポイント的なスライドをほとんど使わず、実際に本物の脳を両手に持っての話は聴衆の関心をグワーッと惹きつけていましたね。終了後はスタンディング・オベーションで大拍手。

 番組では字幕付きでしたが、その様子はTEDのHPで見られるようです。
http://www.ted.com/talks/jill_bolte_taylor_s_powerful_stroke_of_insight.html

 あまりに面白かったのでメモした内容を記します。多少は足りなかったり、違っているかもしれません。脳卒中に至る経過やその対応については省いてます。

・右脳はパラレル・プロセッサー、その性質は今を生きること、イメージ、感覚的。左脳はシリアル・プロセッサー、分類、整理、言語を司る。この二つは全く違う「人格」を持っているといえる。
・右脳の体験はエネルギーとなって感覚器官に流れ込むもの、周りのエネルギーとつながっている、一体的、全体的な体験。左脳は「I am」であり私、個人として独立している感覚の体験である。
・脳卒中の最中、私は自分を俯瞰している感じだった。体の内部だけが意識され、どこまでが自分なのかわからなくなって、エネルギーだけが感じ取れた。周りの膨大なエネルギーが流れ込んで、壮大な気持ちになった。全エネルギーと一体となった。安らぎがあり、これまで37年間のあらゆる悩みがパッとなくなった。幸福感に満たされた。
・脳科学者として脳の内部からそんな体験ができるなんてめったにないことだ。
・人々が右脳の世界には入れたら、右脳の世界をもっと探索したら、世界はもっと平和になるのではないか。
・私たちは「エネルギーを持つ全体」である。
・左脳は個人、私になるとき、右脳はエネルギー、宇宙と一体になるとき、どのようになるかは自分で決められる。二つの世界、あなたはどちらを選ぶ?

 脳科学の話が人口に膾炙して、最近はかえって右脳の話は少なくなってきた感があって、一時期の下手な右脳礼賛ブームよりはよいものの、やはりこれは見逃すことのできない大きなテーマであり、特に右脳的なものと左脳的なものをどう使い分け、統合することが人類にとって必要であるかを示唆していると思われます。

 やはり我々はあまりにも左脳優位になっているのは間違いないからです。

 テイラーさんの体験は、いわゆるトランスパーソナルな体験、アドラー心理学でいう共同体感覚が極まった状態といってよいでしょう。気功などで得られるエネルギーとして万物とひとつながりになっている体験と同質ともいえると思います。

 そういう体験を誘引する修行やワークで、極力言語的作用を抑えていく理由が改めてわかりました。

 テイラーさんの著書もあるみたいなので、改めて読んでみようと思います。

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May 02, 2012

筋トーヌス

 前々記事の体幹トレーニング体験で、日本コアコンディショニング協会会長の岩崎由純先生のお話の中で印象に残っているものを憶えに記します。

 いくら筋トレで筋肉を鍛えても、実際には筋力をきちんと十分に発揮できない選手は多い。また、筋肉が盛り上がるようにあっても姿勢の悪い人、バランスの悪い人も多い。そういう人は力が出ない。大事になのは筋出力と筋緊張(筋トーヌス)を区別すること。

 筋出力とは筋肉そのものが発生する力。

 筋トーヌスとは、あらゆる運動を行うためにある程度筋肉を収縮させた準備状態。全ての筋肉に筋トーヌスは存在するが、姿勢筋の筋緊張のことを特に姿勢筋緊張という。

 したがって姿勢の改善には筋トーヌスを上げることが重要である。姿勢筋筋緊張は、橋網様体脊髄路、中脳(網様体)の影響が大きい。無意識的過程に関わる回路である。

 姿勢を良くするには筋トーヌスを上げ姿勢反応を良くすること、本来の経路(橋網様体)を多用すること、運動の中で無意識に働くようにすること、体全体の協調、コーディネーションが必要である。

 では筋トーヌスを上げるためにはどうしたらよいかというと、コアトレーニングの各タスクということになるが、肝心なのは、脳というのは目的に反応するものであり、目的呈示によって全ての運動系脊髄路が協調を始めるのであり、それから学習したことを無意識に落とすことである。

 このようなお話を聞いて改めて気づいたのは、立禅のようにじっと立ったり、太極拳などのゆっくり動いくバランス系のトレーニングはまさにコアコンディショニングを武術的動作の中でやっているということです。丁寧に動くことで、技を無意識に落とし込んでいるといえます。

 多分筋トーヌスを上げるために大事なのは、筋肉を普通の人や並みの選手のように固めることではなく(それを筋緊張=筋出力と思ってしまっている)、限りなく力を抜いてなおかつその姿勢を維持できている状態ではないかと思います。先生もそのように言っていたように思います。

 そうすることで、実際の戦いの場面で無理なく効率よく筋出力が出せると思われます。

 また、脳は目的に反応するというのも「目的論」のアドラー心理学的見解と一致します。

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April 27, 2012

「洗脳広告代理店 電通」

 小沢一郎さん、「無罪」でよかったですね。
 判決文はわけがわからなかったけど。

 あれが有罪なら推定有罪、なんでもありということになって、やがては我々一般人にも権力の刃が向かってくることは必定でしょう。

 ネット言論等により、検察審査会のでたらめや最高裁事務総局とやらが存在することが炙り出されてきたことは、今回の小沢裁判騒動の成果かもしれません。
 対して大手メディアの番組や記事は、ほとんどそういう闇には触れないままで、まともに見るに値しないという思いをさらに強くしました。

 ここ数年の小沢氏に対するカレン・ウォルフレン氏のいうところの「人物破壊」は実に執拗で、私にはかえってメディアの洗脳工作の実演ショーに見えてましたが、多くの「素直な」人は疑うことなく、スッと頭に入ってしまっていたかもしれません。

 そのメディアはどのようにして私たちに影響を及ぼそうとしているのか、この機会に多くの人に学んでいただきたいので、紹介するのが、

苫米地英人「洗脳広告代理店 電通」(CYZO)

 今の人々にとって最大の盲点(スコトーマ)であり、社会の最大のタブーが広告代理店、とりわけ巨大で圧倒的地位にある電通であることは多少の事情通なら論を待たないのですが、誰も正面からとりあげないので、何となくぼやけたイメージしかありませんでした。

 それが本書で少しスッキリします。社会の仕組みが分かった気になります。
 本書は小沢問題を扱ってはいないのですが、その背景がくっきりと浮かび上がってきます。

 わかりやすく要領よく、データも出せるものはきちんと出しながらの論証で、ネットに散見される単なるうわさ話とは違います。やっぱり本にするのが大事なんですね。すぐに読み通せると思います。
 目次からいくつか引くと、

・メディアは中立ではない
・スポンサー企業を束ねればメディアは思うがままになる
・テレビは洗脳に最適な道具
・読売グループが担った「原発推進キャンペーン」
・GHQのメディア洗脳戦略
・小泉元首相の洗脳戦略
・日本人愚民化計画が進んでいる
・電通とGHQ
・テレビ視聴率は電通の思うがまま
・電通を今すぐ解体せよ
・いまこそメディアを私たちの手に取り戻せ

 知っている人は新しい情報はないというかもしれないけれど、向こうは例えば「小沢は~だ」と嘘でも何百回と繰り返して刷り込んでくるわけで、こちらも負けじと繰り返し暴き続けることは必要だと思うわけです。

 それにしても苫米地氏は勇気がある。たいていの学者や文化人は知っていたって言わないし言えないでしょう。大丈夫かなと心配してしまいました。早速いろいろあったみたいだけど。

 自己啓発系の本を出し続けながら、単にポジティブな自己実現を称揚するのではなく、社会の本質を突こうという苫米地氏の勇気はすごいと敬服します。

 

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April 25, 2012

体幹トレーニング体験

 4月22日(日)、「山梨体幹トレーニングセミナー」というものに参加してきました。

 体幹トレーニングは、サッカーの長友選手などたくさんのトップアスリートが取り組んでいることで、最近俄然一般の人にも注目されるようになってきました。

 私はもう20年ほど前か、高岡英夫先生が体幹の重要性を武術の身体論の立場から強調されていたので、それを意識して日々稽古していたので、今回本家本元から学べるとあって楽しみにしていました。

 主催は山梨でコアコンディショニングを普及しているアスレチック・トレーナーの間宮芳生さん、実は私の太極拳・中国武術教室にも通ってきてくれていた人で、トレーニング全般に大変熱心な探究者です。
 コアコンディショニングスタジオKAIKONを主宰しています。

 今回は間宮さんより招待を受けたのでした。
 そのため、私が誘った武術の生徒さんやアドラー仲間も来てくれました。
 会場は大学ラグビー部の選手や一目で体育教師やスポーツ・インストラクターとわかるような感じの人たちで120人ぐらいはいたでしょうか。大変な盛況です。

 そして講師はJCCA(日本コアコンディショニング協会)会長の岩崎由純先生。日本にコアコンディショニングを導入し、普及している第一人者です。これまでたくさんのトップアスリート、全日本女子バレーなどのナショナル・チームを指導してきたそうです。

 内容は先ずストレッチポールの体験。
 ストレッチポールにあおむけに寝て、間宮さんのインストラクションで「ベイシックセブン」という基本動作を行いました。実施後は床に背中がベタッとついて、背部の脱力が一気に進んだことを実感しました。良いですね、これ。買おうかな。

 そして岩崎先生の講義。体幹トレーニングの考え方、どうしてスポーツ障害が出てしまうのか、意識的運動と無意識的運動、ボディー・スキーマ、脳科学との関係などを数多くの実践例を挙げながら、わかりやすく楽しくお話しされていました。
 特に先生が実際に触れたカール・ルイスや清水宏保、北島康介の筋肉は驚くほど柔らかいというエピソードが面白かった。
 また、講義は楽しくというところがミソで、この先生、ペップ・トークの名人として知られているそうです。

 ペップ・トーク(pep talk)とは、「元気になる言葉」「人を元気づける背中の一押し言葉」という意味らしく、トレーニングや本番での選手、生徒、クライエントを励ますためのの言葉だそうです。アドラー心理学的にいえばまさに「勇気づけ」といって間違いないでしょう。確かにこの先生も勇気づけ名人だと思いました。

 明るく、楽しく、嫌味なく話され、時折すべる親父ギャグもご愛嬌になって、聞き手を飽きさせませんでした。いい意味で体育会系な感じがよかったです。心理臨床系は基本、暗いからね、かえって新鮮でした。

 そして講義の最後のスライドに、大事なのは「上虚下実」であるという太極拳や武術の世界の極意的目標がドンと出て、私の目を引きました。目指すところはやはり同じだということです。

 日々の稽古で参考になるヒントをいくつもいただきました。

 岩崎由純のオフィシャルWEB

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