October 17, 2019

10月20日はアドラー・デー

 JR中央線、国道20号線は18日は復旧するようですが、中央線の高尾ー相模湖間は下り線一本のみの利用で1時間に1本程度しか走らず、特急は運休のようです。中央道はまだで、全面復旧には時間がかかりそうで、物流にも影響が出ています。

 山梨に半分閉じ込められた私は関東に出れられるかわかりませんが、今週末の20日(日)は、アドラー心理学のちょっとした集まりが東京であります。

 アドラー心理学の新しくできた学会、日本個人心理学会では午前10時から、駒澤大学深沢キャンパスで「会員の集い」を開きます。

 新しい学会への期待、希望、あるいは課題などを自由に、思い思いに語っていただく会にしたいと思っています。

 学会HPをご覧ください。

 そして、同日午後、日本アドラー心理学会関係者による、 

「日本アドラー心理学会関東地方区「アドレリアン大集合 in 関東~つながる・ひろがる・わかちあう」が開かれます。 

 場所は幕張メッセですね。

 素晴らしいシンポジストの面々です。

 新旧アドラー心理学学会の激突!…ではなく、示し合わせたのでもなく、偶然にも見事に棲み分けております。これをシンクロニシティ(by ユング)といいます。

 同学会員で、私たちの活動にも理解と協力を示してくれている方から情報提供を受けたのでした。ありがたいことです。

 時代は動いています。

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October 14, 2019

台風の影響:大迂回して上京

 先週末の台風19号は各地に爪痕を残しましたが、私も個人的にかなりの影響を受けました。

 11日から4日間、日本催眠医学心理学会の研修会に参加するために、会場の六本木の東洋英和女学院大学大学院近くの麻布十番にホテルを三泊予約したにもかかわらず、台風で全部キャンセルしなくてはならなくなりました。研修会は11日は実施、関東最接近の12日は中止になったためです。その時点は13,14日も未定でした(結局13日午後、14日と実施されました)。

 今回はアメリカで活躍しながらも日本の催眠療法、マインドフルネス瞑想の臨床の第一人者、大谷彰先生が講師ということで楽しみにしていましたが、出鼻をくじかれました。

 結局11日に山梨に帰還し、台風に備えました。帰りの特急はどれも満席でした。私もわずかに残った席をゲットできました。結果的にはこれで帰れてよかった。

 そして12日午後の関東東海地方の再接近。

 といっても私の住む甲府地域は特に何もなく、12日の再接近の時私は、オフィスの窓から外を見ていましたが、いつも程度の台風の雨風という印象でした。午後10時過ぎには、外に出ても問題はなかったですね。

 一時は近くの川の水位が上がって警戒されましたが、その夜と翌朝にその川の橋を渡ったたら水量は既に下がっており、結局大したことはなかったようでした。

 ただ洪水こそなかったものの、山梨は山間部の土砂崩れが各所であり、けっこうひどいことになりました。全国放送であまり取り上げられないのは、堤防の決壊、洪水の方が大規模でニューズバリューが大きかったからでしょう。

 特に山梨東部の被害が大きく、大月市の橋が損壊を受けるなどして国道20号線は通行止め、土砂の流入などでJR中央線、中央高速道路は通行止めになってしまいました。

 当然すべての電車、高速バスは運休。

 一時期はそこだけでなく山梨周囲の幹線道路が通行止めになり、ほとんど陸の孤島になりかけました。数年前の大雪の悪夢がよみがえります。

 いまだにJR、中央道の復旧の目途は立っていないようです。

 ということは、通常の方法では東京や関東に出られないということです!

 これは困った。

 13日は午後からその研修があったのですが、方々手を尽くしてもダメだということがわかり、断念、欠席しました。

 でもネットから唯一のルートがあることを発見(山梨の西側は開いていたので名古屋に出るというのはあり得ますが、東に向かうには現実的ではありません)。多くの方も気づいたようで、Twitterなどで流れ出しました。

 それは、甲府から河口湖、富士吉田市に向かい、富士山の下を走る東富士五湖道路を通って、御殿場ICから東名に入って、神奈川を経由して東京に入るというルートです。

 ただ、ちょっとというかかなりの遠回りで、私も躊躇しました。でも、大谷先生の講義を聞きたい!、名人の催眠デモンストレーションを見たい!という思いが勝り、14日早朝に起きて、自分の車で乗りだし、会場に向かいました。

 まだ空いている高速を飛ばし、走り続けましたが、通常だったら3時間ほどで着くところが、5時間近くもかかりました。もう研修会はとっくに始まっていました。

 帰りは大井松田付近が大渋滞で、5時間以上かかってしまいました。

 しかも慣れない東京の道で、大変くたびれました。田舎の道は単純で楽だ。

 しかし、当分はこの方法で東京に出るしかないようです。

 洪水や停電の地域とは比べられませんが、これはこれで、被災地といえるかもしれません。

 山梨の皆さん、山梨に来られる方々、大変ですからくれぐれも気をつけてください。

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October 10, 2019

台風接近の影響

 週末に東京に4日間の研修を受けに行く予定ですが、台風接近が気になります。

 昨日、主催団体から連絡があり、明日11日からの前半2日は実施するようですが、後半はどうなるか未定だそうです。

 私もこういう経験がありますけど、難しい選択ですよね。

 主催者としてはできればやりたいし、実際台風が来てみたら大したことはなかったということも多いですからね。でも、何かあったら困るし。

 日本個人心理学会の前身の日本臨床・教育アドラー心理学研究会でも、この時期に企画した研修会が台風で中止になったことがありました。企画者の私たちは、本当に忸怩たる思いでした。

 2011年には私は県下の中核的な精神病院に勤めていて、そこの中間管理職として研修も担当していました。その時もある著名な医学者を呼んで、県内の精神医療、学校関係者、公的機関に呼びかけて大きな講演会を企画しました。

 そしたら講演会当日の3月11日、そう、あの大地震が東日本を襲ったのです。

 山梨には震度4程度でしたが、甲府に向かう途中の新宿駅にいた講師からは、突然電車がストップして来られないとの連絡があり、緊急のTVニュースを見て「これはダメだ」と判断し、私の指示の下、心理スタッフ総出で県内各地に中止の連絡をしました。

 今でも鮮明に覚えています。

 今は災害の可能性があると早めの対応が叫ばれているので、公共交通機関もストップしたりするかもしれません。

 中止は致し方ないけれど、私は上京した後に山梨に帰れるか少し心配です。

 どうなることやら。

 皆さんもお気を付けください。

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October 07, 2019

『二月の男』

 前記事でご案内した演武会に昨日行ってきました。

 台湾の老師や日本の本部の指導員たちの八卦掌や形意拳の数多くの型、太極拳を見て、改めてうちの流派は中国文化の粋であり、深い伝統に裏打ちされていることを実感しました。みなさん、素晴らしい動きでした。

 他の武術・武道団体から、うちは保守的で閉鎖的と見られることが多いみたいですが、そうなるのも無理ないかもしれません。それだけ中身が豊富で濃いので、「時代に合わせて」なんて、容易に変えるわけにはいかないのだろうと思いました。保存し、伝えること、それはそれで大変大切なことなのだろう、継承者である老師たちの苦労は大変なものだろうと思いました。

 さて、武術にも深い意味で関連のある催眠について、私は週末に集中的に学ぶ機会を得ています。来週にその報告したいと思いますが、催眠といえばミルトン・エリクソン、彼の実際の事例を詳細に記録したのが、

 ミルトン・H・エリクソン、アーネスト・ローレンス・ロッシ著、横井勝美訳『ミルトン・エリクソンの二月の男 彼女は、なぜ水を怖がるようになったのか』(金剛出版)

 エリクソンが最も働き盛りの1945年の頃の事例の記録を、晩年の1979年にエリクソンと弟子たちが振り返るという面白い構成になっています。「江夏の24球」みたいな感じですね。

「二月の男」とは、クライエントである19歳の女性が、自らのトラウマ体験に直面するためにトランスに入った時に登場するエリクソンの「名前」です。深いトランス状態に入ったクライアントの心の中に、エリクソンではなく、「私は二月の男ですよ」(その場面が2月だったから)と称して登場するのです。

 そんなことできるんだあ、と驚きです。

 一読して、エリクソニアンでも専門の催眠療法家でもない私には正直、わかりにくいところもありましたが、実際の会話の様子がたくさん出ているので、一人ロールプレイみたいに朗読して、その場の感じや催眠の語り方を感じ取ろうと努めました。

 本書でエリクソンは、クライアントを全体として見ることを言っていたり、クライアントが困難を克服するために盛んに勇気づけていたり、「エリクソンってアドラーっぽいな」と以前から感じていたことを再確認しました。その方法として、意識的なコントロールが弱まる催眠を利用しているところが、エリクソン独自のところなのでしょう。

 臨床がうまくなりたい人は、読んでみて損はないと思います。

 

 

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October 03, 2019

伝統中国武術演武会、開催迫る!

 私が30年以上お世話になっている全日本柔拳連盟の演武会が、10月6日(日)に開かれます。

 詳細はこちら。

http://taikyokuken.co.jp/news/2019Enbukai.pdf

 実は日本に初めて太極拳を紹介したのが、我が流派の創始者、王樹金老師です。1959年、昭和34年だそうです。前回の東京オリンピックよりも大分前ですね。今年はその来日60周年記念ということで、台湾政府の要人も臨席される予定らしく、大変貴重な武術が数多く披露されると思います。

 王樹金老師は中国の天津出身、戦後蒋介石と共に台湾に渡って、本物の伝統武術を守り続けていました。

 台湾政府から日本の人間国宝のような扱いを受けていたほどです。形だけではなく大変な強さで知られ、当時日本でも数多くの人から挑戦を受け、無敵の強さを示した上に、彼らを感服させた上で、数多くの弟子を育てられました。

 王老師から学んだ方の中には、武道を始め各界で著名な方もけっこういらっしゃいました。ご自身が公にしているところでは、極真空手の盧山初雄先生や西田幸夫先生がいらっしゃいます。

 作家のC・W・ニコル氏は、来日中の王老師の様子を著書に印象深く書き留めています。

 関心のある方、是非足をお運びください。

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October 01, 2019

9月末の講師業

 ここ一週間の動きの備忘録です。

 9月25日(水)、私がスーパーヴァイザーをしている単科精神科の病院で、心理スタッフの方たちに、アドラー心理学をベースにしたキャリアカウンセリングの話をしました。サビカスというアドレリアンでナラティブ・セラピストが開発した方法で、私もよく日常臨床で参考にしている方法です。自己理想を探る質問が豊富で、とても面白いですよ。

 26日(木)の午前中は山梨南中学校で「薬物乱用防止教室」の講師をしました。2年生全員を相手に1時間、薬物に限らず依存症についてのお話をしました。同校には昨年もやらせていただいて、幸い好評だったので今年もご依頼いただきました。

 その後、午後は山梨県南部、静岡県との県境にある南部町の職員にメンタルヘルス研修会で講師。その日と今日10月1日の2回とあって、役場職員は全員がどちらかに出席するという形で行われました。甲府から二時間近くは運転してかかるほどの遠距離ですが、初秋の景色を見ながらのドライブも快適で、研修会も楽しく実施できました。

 27日(金)夜は、山梨精神医学研究会主催の講演会に参加、AIを使った精神医療の研究者の発表で、その最先端の様子を知ることができました。遠隔診断の可能性など、なかなか刺激的で面白かったです。AI、VRの発達で、カウンセリングも近未来は確実に変わっていくだろうと思いました。

 そして29日(日)は東京、神楽坂のヒューマン・ギルドで久しぶりの講師のお務め、「臨床アドラー心理学の極意」なんてすごいタイトルつけてしまいましたが、アドラー心理学でいう家族布置のトレーニング研修会で、そのツールとしてのジェノグラム(家系図)の紹介と実習をしました。25人の参加者があり、みんな同じアドレリアン同士、前提が共有されているので私としても話しやすく、とても楽しく、中身の濃い話ができたと思います。

「臨床アドラー心理学の極意」というわけのわからないテーマを、ちょっとシリーズ化というかこれからさらに内容を豊かにして、いずれ書籍化したいな、なんて思ったりもしました。

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September 25, 2019

『身体はトラウマを記録する』

 トラウマケアの世界的権威の本、各方面で絶賛されているベッセル・ヴァン・デア・コーク著『身体はトラウマを記録する 脳・心・体のつながりと回復のための手法』(紀伊国屋書店)は、いわゆるトラウマの諸症状とその悪影響、脳科学的知見、そして効果的なセラピーの方針と方法まで網羅されています。分厚いですが、カウンセラーは是非読んでみるといいと思います。

 その中で私が注目したのは、トラウマケアに通常の心理療法や環境療法だけでなく、身体にアプローチすることを強調していることです。

 深刻なトラウマ治療のために著者は、マインドフルネス瞑想はもちろん、ヨガや気功、太極拳、日本の武道や護身術などもどんどん取り入れています。演劇もあります。

 私が以前から感じていた、「太極拳や気功はトラウマの治療に良いんじゃね?」という思いを見事に裏打ちしてくれていて、うれしかったですね。これまでは、権威もなく研究者でもない私が言い始めれば、「また深沢が変なことをやっている」と指弾されかねませんでしたが、これからは堂々と論陣を張れますね。

 というか、私がやらなくても、真似っこ好きな日本の学者や臨床家は、これからは本書で紹介している新旧の身体的アプローチどんどん取り入れていくことでしょう。それでエビデンスらしきものがたまってくれば、余計に田舎セラピストの私も使いやすいので、それはそれでありがたいです。

 関連個所を引用、メモします。みんな、気功や太極拳をやろうぜ。

(貼り付け始め)

 私たちはまた、呼吸法(プラーナヤーマ)や詠唱(チャント)から、気功のような鍛錬法や武道、ドラム演奏や合唱、ダンスまで、西洋医学の外で長年行われてきた、他の古い、日薬理学的な取り組みの価値も、受け容れやすくなった。これらの取り組みはみな、人と人の間のリズムや、内臓感覚の自覚、声や表情による意思疎通に依存している。それらは、人が闘争/逃走状態をを脱し、危険の近くを立て直し、人間関係を管理する能力を増進するのを助ける。  p143-144

 これまで多くの患者が、合唱や合気道、タンゴのダンス、キックボクシングにどれだけ助けられたかを語ってくれた。  p350

ヨーガグループの参加者は、PTSDにおける覚醒の問題が有意に改善され、自分の体との関係が劇的によくなった(「今は自分の体をいたわっている」「自分の体が必要としているものに耳を傾けている」)  p445

 ヨーガを20週間実習すると、基本的な自己システムである島と内側前頭前皮質の活動が増すことを、初めて示す結果が出た。  p452

 通常、人は前頭前皮質の実行能力のおかげで、何が起こっているかを観察し、ある行動をとれば何が起こるかを予想し、意識的な選択ができる。思考や感情や情動を冷静かつ客観的に観察し(この能力のことを、私は本書を通じて「マインドフルネス」と呼ぶ)、それからじっくり反応できれば、実行脳は、情動脳にあらかじめプログラムされていて行動様式を固定する自動的な反応を、抑制したり、まとめたり、調節したりすることが可能になる。 p105

マインドフルネスを実践すると、交感神経系が落ち着くので、闘争/逃走反応を起こしにくくなる。  p341

 マインドフルネスを練習すると、脳の煙探知機である扁桃体の活性化が抑えられ、トリガーになりそうなものに対して反応しにくくなりさえすることが立証された。  p348

(貼り付け終わり)

 

 

 

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September 21, 2019

根津記念館でメンタルヘルス講座

 9月13日(土)、16日(月)と社会福祉法人ぶどうの里で「対人支援職のためのメンタルヘルスとリラクゼーション研修」の講師をしました。ぶどうの里は、その名の通り、山梨特産の葡萄を冠するだけあって、山梨を代表する老舗の福祉法人です。そこから依頼されて、職員の方たちにお話しさせていただきました。

 2時間をいただき、前半はメンタルヘルスの基礎知識、ストレスマネジメントやワークエンゲイジメントなどについてワークも取り入れてお伝えして、後半は心身の疲れを取ると共に仕事にも役立つリラクゼーション法として、ゆる体操の実習をしました。

 ゆる体操は、心理系の静かなリラクゼーション法に比べて、動きとリラックスを両立させた大変優れた方法として、私は高い評価を与えているものです。

 笑いが絶えず、なかなか楽しくやっていただけたようです。

 そして、会場が何よりよかった。

 根津記念館といって、明治から昭和にかけて活躍した企業家、俗に甲州財閥と言われた一人の根津嘉一郎の生家を保存、活用したところです。建物は国の有形文化財です。その中で研修をしたのです。

 根津嘉一郎 Wikipedia

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 研修はその広間で行ったのですが、そこからきれいな庭を眺めることもできます。

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 根津嘉一郎なんて今の人は知らないかもしれませんが、東武鉄道を発展させるなど、鉄道王として一時代を築いた人です。ただの金儲けに邁進した人ではなく、芸術や教育などの社会事業にも多大な貢献をして、東京の人には根津美術館といえばわかるでしょうか、彼のコレクションを保存、展示するために始まった美術館です。

 根津嘉一郎は、故郷の山梨では全小学校にピアノを寄付するなどしたので、私より年配の人たちには「根津ピアノ」の人として知られています。

 根津記念館には、彼の人生の足跡をわかりやすくたどった展示館もあり、研修後に立ち寄って拝観しました。改めてすごい人だったんだと感銘しました。まさに共同体感覚あふれる人だったのでしょう。

 私も財閥になるほど金持ちになったら見習わないと(笑)。

 

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September 19, 2019

山梨のひきこもり支援が全国放送に

 以前ここで、ひきこもり支援でとても素晴らしいアプローチをされていることで紹介させていただいた(ふすまの向こう側と)、精神保健福祉士の芦沢茂喜さんが明日20日(金)、午前4時30分からのNHK「おはよう日本」に出演するそうです。

 NHK甲府で放送されたものを再編集したもので、芦沢さんの家庭訪問の様子などが見られると思います。

 早朝ですので、早起きの方、是非ご覧ください。

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September 16, 2019

「いだてん」が面白い!

 大河ドラマ「いだてん」は意外に面白くて、今や毎週観ています。

 最初企画が発表された時に、来年の東京オリンピックに忖度した提灯企画、御用ドラマか、大河もここまで堕ちたか、とガッカリしました。

 しかし、さすが宮藤官九郎さん、単なるオリンピック礼賛にはけしてしませんでした。オリンピックの政治性、男女差別、人種差別など、負の側面を少しずつ拾い上げてしっかりと、物語にぶっ込んできます。

 やはりドラマは批評性がないとつまらない。

 実際の金栗四三と田畑政治があんな極端なキャラだったか知らないけれど、スポーツの明るさと時代の深刻さのバランスを取り、オリンピックという怪物に飲み込まれながらも逞しく生きていく人々のエネルギーを象徴しているような気がしました。

 武道家的には、役所広司演じる嘉納治五郎が面白いですね。あんな人だったのですかね。江戸から続く柔術を柔道へ進化させ、世界のスポーツに発展させた功績は大で、さらにドラマのようにオリンピックにもあんなに深く関わっていたとは知りませんでした。やはり偉大な人です。

 しかも一方で、嘉納はある時期からスポーツ化する柔道に危機感を感じ、古流柔術を色濃く伝える合気道に深く関心を寄せ、「あれこそ、求めていた武道だ」と言ったとか。弟子を開祖・植芝盛平に学ばせに行かせたりしたそうです。やはり、近代化の矛盾と戦った人なのでしょう。

 とにかく、非常に面白い。

 視聴率が低いのは元々馴染みが薄い時代というハンデがあるし、誰もが知っている英雄が出てこないとか、近現代の歴史を知らない人が多い故だと思うので、クドカンさんは気にしないで、このまま突っ走ってほしいですね。

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