May 20, 2018

持ちネタ披露の週

 今週は、久しぶりに人前でお話しする機会をいくつかいただきました。
 
 5月16日(水)は甲府にある七沢研究所でマインドフルネス瞑想について説明しました。会員向けの動画配信での講義なので、一般の方はご覧になれません。カメラの前で話すのでいつもと勝手が違いますが、対談相手がいてくれたのでリラックスしてできました。
 昨今流行りのマインドフルネス瞑想とアメリカでの仏教受容の歴史、臨床マインドフルネスの内容、心理学的メカニズムなどについて説明しました。
 
 同研究所は古神道の保守本流、江戸時代が終わるまで宮中祭祀を司っていた白川神道の継承・発展を目指して様々な事業を展開しているところです。最近、日本発の瞑想法として古くからある瞑想法(鎮魂法)を現代人向けに新たに開発中で、その参考に、ということです。
 
 瞑想は私の普段表に出さない、隠れたネタの一つです。
 
 18日(金)は、笛吹市にあるデイサービス美和で、職員の方約40人に「メンタルヘルス入門」を講義。初めて伺いましたが、皆さんワークに乗ってくれ、楽しく進めることができました。介護現場に少しでもストレスマネジメントとアドラー心理学が広まるといいですね。
 
 19日(土)は横浜の日本支援助言士協会で、今期の受講生に「家族支援のノウハウ、ドウハウ」という講座を持たせていただきました。福祉、医療でよく使われているジェノグラム(家系図)の作り方、使い方を説明、実習しました。
 
 私のジェノグラムは通常のやり方に、アドラー心理学のライフスタイル診断の方法を統合したものです。クライエントの家族の状況と、それをどのように見ていたか、どのような態度決定をしたかを探ります。
 13人の参加者はほとんどが初めてのジェノグラム体験でしたが、とても盛り上がりました。ワークでも、自分の原価族のことが芋づる式に思い出され、いろいろな気づきがあったようです。
 
 今週は持ちネタを駆使して、いろいろやりました。

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May 18, 2018

アドレリアンがうつにならないために

 前記事「アドレリアンはうつになるか」で、アドラー仲間のぐうたら三昧こと橋口さんが自身のブログでコメントをしてくれました。
 
 
 そう、うつとうつ病は一応分けておく必要がありますね。
 
 その上で、その人のライフスタイルがうつ病を必要としているのなら、論理的にアドラー上級者とはいえないでしょう。厳しいところですが、アドラー心理学が「日常生活での実践」をうるさいくらい求めるのだから仕方ないです。
 
 自分がうつ病になった時のことを考えると、あまり偉そうなことは言えないですけど、世間から私は心理臨床界の代表的なアドレリアンと「誤解」される可能性があるので、後ろ指指されないように、せいぜい養生したいと思います。
 
 それにしても、うつにならないための因子は実は、共同体感覚とか勇気とか、ストレスマネジメントとかではなく、「人を呪わば穴二つ」とか「口は禍の元」、「因果応報」なんかを心に留めて生活することではないかと思う今日この頃なのだ。

 なんでそう思ったかは言わないけど。

 
 ここは私も思い当たるところが多々あるので、気をつけないと。
 
 

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May 15, 2018

アドレリアンはうつになるか

 最近ふと考えることです。
 
 アドラー心理学の達人、「正しいアドレリアン」がいたとしたら、その人はすなわち、「共同体感覚が高い」はずで、「共同体感覚は精神的健康のバロメーター」なので、それならその人ははうつ病にならないか、なりにくいということになります。
 
 アドラー心理学はライフタスクからの逃げとして症状をとらえるので、その達人はアドレリアンにもかかわらず問題から逃げていることになります。つまり実践できていない人になってしまう。
 
 さて、どうなんでしょう。
 
 アドラー心理学を正しく実践している「達人」が精神的に不健康(例えばうつ病)になったとしたら、どのような状態や条件がある場合といえるのでしょうか。
 
 いや、うつ病になっていはいけないというわけではないのですよ。
 私だっていつそうなるかわからないし。
 
 また、元々うつ病やメンタルに問題を抱えていた人が、アドラー心理学を知り、実践して回復したり、再発したり、そしてよくなったり、というのはいいのです。よく聞きますし、わかりやすいストーリーですから。
 ただ、あるレベル以上になったら、それはちょっとまずいでしょう、と言われてしまうのは仕方ないでしょう。
 
 これは禁断の問いですかね。
 
「いや、レベルの高いアドレリアンだって『不完全』なのだからうつ病にだってなる!」と主張することはできるでしょうけど、ちょっとこれは逃げている気がする。
 
 それとも双極性障害のように身体的器質の要因が強く、ライフスタイルとは関連が薄いとでもいうのでしょうか。
 
「アドラーやる人は軽そう状態になっている」と評した人がいましたが、ここはアドラー心理学と精神病理、心理臨床を考える上で、さまざまな問いが立てられそうな気がします。
 
 今度機会があれば、研修会なんかで仲間とディスカッションしてみようかな。

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May 12, 2018

公認心理師テキストにアドラー心理学が!

 公認心理師の現任者講習会を出た人はご存知だと思いますが、テキストにアドラー心理学の名前が出ています。
 
 
 例によって「劣等感」や「権力意志」とかではなく、「心理的アセスメントと支援方法」の一つとしてです。
 
Photo_3  
 
 Prochaskaの心理療法の行動変化の6つのステージ毎に、それぞれに適したアプローチが配置されています。
「アドラー派心理療法」は「熟考期」にあります。
 
「熟考期」とは「問題があることに気づいており、問題を克服しようと真剣に考えているが、まだ行動に移す決意はない」段階だそうです。
 別にアドラー心理学はそれ以外の段階でも使えますが、おそらくこれを作った研究者はライフスタイル・アセスメントをイメージしていたのかもしれません。
 
 その前の段階には動機づけ面接法や精神分析的心理療法など、その後には認知療法など現代の代表的な心理療法があるのが興味深いです。
 
 その中に、しかも国家資格の公認心理師のテキストにアドラー心理学を入れてくれたのは、大変ありがたいと素直に思います。
 
 と、喜んでばかりではいけませんね。
 
 晴れて公認心理師になった人たちが、
「では、支援にアドラー心理学を使ってみよう」と思っても、
「どこで学べいいんだ?」と迷われてしまうのは現状では必定だからです。
 
「アドラー心理学を学びたい公認心理師集まれ!」といえる場を作る必要がありますね。
 
 

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May 09, 2018

「こんなアドレリアンがいてもいいのでは」

「こんなアドレリアンがいてもいいのでは」
 昨日入浴中に、ふとこんな言葉を思い出しました。
 
 確か、90年代半ば過ぎ、日本アドラー心理学会の第2代会長の後藤先生の言葉でした。初代会長の野田先生の後任に就いた後の、学会誌での巻頭言だったと思います。
 
 私は別に「いい言い方だな」と思ったのですが、その後主に西方から猛烈な会長バッシングが起こり、そのまま日本のアドラー心理学の黒歴史、分裂騒動になだれ込んでいったのでした。その後遺症は今も続いています。
 
「こんなアドラー心理学はダメだ!」
「偽アドラーだ!」
 という考え方が、あたかも正しいアドラー心理学であるかのような主張がまかり通ったのでした。
 
 当時、彼らの言い分もわからないではなかったけど、私は冷めた目で見ていましたが、そうではない人も多かったですね。
 
 現在、日本のアドラー心理学シーンにはいろいろな「役者」がいます。そのような「熱心」で「熱い」方たちとは違って自分の役割は、「こんなアドレリアン」であることを堂々と主張すること、増やしていくこと、特に心理臨床分野、カウンセリングの世界で貫くことかもしれないと思っています。
 
 アドラー心理学は一応「心理学」を名乗っているし、特に臨床など対人援助が核にあるのは間違いないので、私や私の仲間の動きは派手さはないけれど急所を突いており、対人援助や教育の世界にボディーブローのように効いてくることをイメージしているのです。太極拳の「発勁」ですね。なんのことかわかんないだろうけど。
 
「どんなアドレリアンもいてもいいのだよ」
というメッセージを送りたいですね。

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May 07, 2018

現任者講習会終わる

 心理職初めての国家資格、公認心理師の受験資格を得るための現任者講習会から先ほど戻ってきました。
 5月3~6日のGWをすべてをつぶして、名古屋での講習会に参加したのです。山梨からでは時間の関係で前泊、後泊したので6日間、名古屋にいたことになります。こんなに長くいたの初めてでした。
 
 各地の講習会に出た人が、「DVDばかり見させられた」とか、SNSでけっこうdisっていたのを目にしていたので、長時間拘束されるので憂鬱だと前記事で書きましたが、意外や意外、とても楽しく充実した時間になりました。
 
 こちらは全部講師の生講義で、なにより初っ端の「公認心理師の職責」の講師が、アドラー仲間で何度も一緒に本を出した八巻秀先生(駒澤大学教授)だったのでびっくり。もう完全にホーム気分です。
 
 八巻秀先生はさすが、いきなりグループワークをどんどん入れてきて、最初は堅かった参加者(約360人!)を一気に和ませ、親しい雰囲気を作り上げてしまいました。その感じが最終日まで続いた感じで、全体がとてもいい感じでした。4日も朝から晩まで一緒だったから、まるでひとつの共同体になったみたいでした。
 
 他にもブリーフサイコセラピーやオープンダイアローグを日本に先駆けて紹介した一人である、地元名古屋の白木孝二先生も福祉分野の講師をしていて、知り合いがまたいました。産業・労働分野などを担当したW先生など他の講師陣もとても個性的で面白い先生たちでした。
 さらには、数年前の山梨のスクールカウンセラー仲間で、今は名古屋市の常勤スクールカウンセラーになって活躍している掛井先生が参加していたので、夜は掛井先生と白木先生、W先生たちと飲んだり、一人の時は鍋焼きうどんやきしめんなど名古屋メシを食べ歩いたり、長丁場の講義で疲れた割にはよく楽しんでいました。特にW先生、認知行動療法がご専門の若手心理士ですが、個人的には今後大注目の面白い先生でした。
 
 ということで、なんか急にやる気になってきた公認心理師。国家試験は今年に受けようかな。
 
 来年以降に現任者講習会を受けたい人は、主催団体は国際心理支援協会がお勧めですよ。
 
 会場のプライムセントラルタワーです。

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May 01, 2018

『中1ギャップと不登校』

 世間はゴールデンウイークだというのに、私は5月3日から6日まで研修会場に缶詰めです。
 
 今、全国の心理屋さんがあちこちで受けている、現任者講習会です。公認心理師の第1回国家試験の受験資格を得るために、私のような現場でやってきた者には必須の研修会です。
 
 私が参加する講習会は、午前9時から午後7時まで、みっちりあるようです。午後8時半までなんて日もある。
 
 まったく遊べそうもない。
 
 多動の私には、まったく動けず1日過ごすのは拷問に等しいのではないか。
 
 ああ、今から憂鬱。
 
 そんな公認心理師の勉強と並行して進めているのが、不登校のアドラー臨床本。何とか今年中に出したい。
 アドラー心理学に限らず、いろいろな文献をあたっていますが、現場の先生や臨床家の様子がよくわかるのが、
 
 
 入学して1か月がたって新入生たちは様々な思いを抱いていることでしょう。
 私もスクールカウンセラーとして勤務先の学校で、中1生の全員面接を始めたところです。本書も参考にして進めたいと思います。
 
 中でも面白かったのが、認知行動療法で著名な神村栄一先生(新潟大学)の記事(「中1ギャップの正しい理解と対応」)。
 
 集団の中でのいじめの機能を「実利」「制裁」「集団の興奮」「個人の保身」の4つに分けて対応法があるのも参考になりますが、「中1ギャップ」の他に「中2スロープ」という言葉を提案しえ要るのが興味深かったです。
(引用開始)
 
「中2スロープ」は筆者の造語でwebで検索しても0件である。徳川家康が残した言葉に、「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし」というのがある。筆者には、中学2年の1年間に、「重荷を負うて『勝負の中3』までの長い坂道を登る」のイメージがある。
 
「壮絶な仲良し関係獲得バトル」の末に獲得した居場所がクラス替えで失う。部活動は活躍できたらできたなり、できないならそれなりに、楽しさよりも負担が大きくなる。学習内容は難しくなり、英語や数学など一度苦手になると回復が困難な科目を中心に自信を失いかける。 p34
 
(引用終わり)
 まったくそうですね。
 
 私も中2から中3には、好きな女の子のこと以外はあまりいい思い出がないな。
 
 
 

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April 27, 2018

『食に添う 人に添う』

 非社会的な私にしては珍しく、消費者運動家の本です。
 
 
 著者の青木さんは、特に食、体に害がなく、本当によい食べ物を人々に提供することに人生をささげた人です。本書はその自伝になります。
 
「食といのちを守る会」の代表をされているそうです。
 
 本書に推薦文を寄せた七沢研究所の七沢賢治先生からいただいたので、読んでみたのです。普段ジャンクフードも好きで、あまり食に頓着しない私ですが、本書を読んで食と生命のつながりを大切にしなくてはならないことを教えられました。
 
 しかし別に何の食べ物が毒だとかを並べて立てて、いたずらに不安をあおっているわけではありません。
 
 青木さんが虚弱の息子さんに美味しくて体に良い牛乳を飲ませてあげたい一心で始めた、北海道の牛乳を共同購入により東京に持ってこさせようという小さな消費者運動が、どのような苦難を経て進んでいったか、広まったかを振り返っているだけです。
 その中で、青木さんがどのように悩んで、困難を突破したか、どのような素晴らしい出会いがあったかがつづられているのですが、「現代の菩薩のような」と評されているらしい青木さんの素直で屈託のない性格が伝わってきて、すごく好感が持てて、おもしろかったです。
 
 こういう人たちの運動なら、信用が置けると思いました。
 
 もちろん食に関する有益な情報もあり、私は牛乳業界の構造的問題を初めて知りましたし、黒酢や蕎麦、タラコ、ニンニクなど、食に関して関心の高い人は是非、手に取ってほしいと思いました。
 
 そして、青木さんは、よいものを食べて、ひたすら人々のために生きていたためか、自然とヒーリング的な能力が高まったらしく、彼女にさすってもらうとなぜか心身がよくなると評判が高まってしまいました。
 
 そして当のご本人も最初は半信半疑だったけど、実際に彼女がさすると驚くべき効果があると口伝えに広まり、いつしか彼女に癒してもらいたくてたくさんの人々、著名人が訪れるようになりました。すべて無料でやってあげてたそうです。なんとその中には、黒澤明監督やノーベル賞受賞者の小柴昌俊さんなど、何人も学者さんまで出てくるから驚きです。
 
 こんな人がこの世にいるとは。
 
 共同体感覚と勇気の塊のような青木さん、実は甲府のご出身です。本書の前半には戦中、戦後の甲府の生活の様子が描かれいて、それも興味深かったです。
 
 それにしても山梨からは個性的な人材が出るなあ、と改めて思いましたね。
 
  
 

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April 24, 2018

『上手な登校刺激の与え方』

 ここのところの記事のように、アドラー心理学の海外講師招聘の大仕事が終わって、やや虚脱状態でした。平常に戻ってきていますが、暇になるわけではなく、これから公認心理師の現認者講習会が待っています。
 
 それ以上に、これから取り組むのはアドラー心理学に基づく不登校の支援者向けの本の企画。実は少しずつ進んできていましたが、ようやく本格的に取りかかれます。
 アドラー心理学の数ある本の中で、不登校を真正面から扱ったものはなかったと思うので、その意味では意義のあるものになると思います。
 
 そのために、アドラー心理学に限らず、不登校に関する心理臨床本をいろいろ当たっているところです。
 
 
 今でこそ違うと思いますが、昔は不登校児に対して「登校刺激を与えない」「受容する」一辺倒の主張が通っている時期がありました。現場では必ずしもそうではなかったのですが、カウンセリングの主流がロジャーズ・ベースの非支持的なものだったので、表に出た言説はそうなりがちだったのでしょう。
 
 しかし、登校する、しないにかかわらず、学校関係者は適切なタイミングと方法で子どもや家庭と学校をつなげる働きかけをするべきです。
 
 本書はその実践方法を学ぶ好著だと思いました。
 
 子どもの気持ちを理解するだけでは学校復帰は難しいのです。不登校の子どもへの援助には、まず不登校についての基本的な知識(不登校の一局面だけではなく全体的な状態像を把握しておくとともに、不登校状態から学校復帰までの道筋を理解すること)が必要です。
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 具体的な事例が豊富で、学校教員向けですが、スクールカウンセラーにも大変役立つ内容だと思います。
 
 

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April 21, 2018

メタファーの使い方を学ぶ

 4月18日(水)、前記事の通り山梨に講師先生方をご案内した翌日、ヒューマン・ギルドにて「アドラー心理学と治療的メタファー」というワークショップがありました。
 
 先週末の早期回想はアーサー・クラーク先生が特にご専門で、メタファーはマリーナ・ブルヴシュタイン先生の方が得意らしく、多くの時間をマリーナ先生がしゃべっていました。でも、クラーク先生がクライエント役のロールプレイもあり、二人の掛け合いも面白かったです。
 
 セラピーにおいて、クライエントの悩みや訴えを物体か何かに例えて、メタファーとして扱う方法を1日かけて行いましたが、あっという間に時間が経ってしまいました。
 方法や考え方は、ナラティブ・セラピーの外在化や、エリクソン催眠の間接技法に通じるところがあると思えましたが、マリーナ先生はより自然な会話の中でそれを進行させている様子が大変勉強になりました。
 
 マリーナ先生からはポストモダンという言葉がふと出たり、言語学も学んでいたようでもあり、対話による相互作用をとても重視しているようでした。現代のアドラー心理学の最前線にいる様子が伝わってきました。
 
 セラピーの会話はメタファーに満ちているので、是非使ってみたいと思います。
 
 ワークショップの様子は岩井先生のブログで写真入りで報告されています。
 
 最後にフロアからの、そのようにできるためのトレーニングについて質問があり、マリーナ先生は、
 
・人生を楽しむこと
・グループやスーパービジョンで学ぶこと
・クライエントを好きになること
 
 などと答えていたのが印象的でした。
 
 今日から福岡でもお二人のワークショップがありますが、私の主な仕事はここまで。
 
 近年にない大変充実した一週間になりました。

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