January 18, 2019

『児童心理』休刊

 Twitterで流れてきて知りました。

 金子書房の『児童心理』が休刊になるそうです。

 雑誌『児童心理』休刊のお知らせ(金子書房のサイト)

 1947年創刊ということだから、今年で72年になるという超長寿雑誌だったわけです。心理学雑誌の老舗でしたが、サイトにもあるように、これも時代の流れということでしょうか。

 しかし、戦後から一貫して、日本中の教師、親、カウンセラーなどに、正しい心理学を伝え続けた功績はとても大きいと思います。

 何を隠そう、私自身、大変お世話になっていて、執筆者としてのメジャーデビュー(?)は同誌でした。

「2008年12月号臨時増刊 子ども勇気づける心理学ー教師と親のためのアドラー心理学入門」でした。本誌初、あるいは心理学雑誌初のアドラー心理学特集で、岩井俊憲先生や岸見一郎先生、アドラー仲間の方々と名を連ねさせていただきました。

 幸い大変好評で、完売したそうです。

 今にして思うと、アドラーブームの種まきになったのかもしれません。

 その後も2回程、金子書房さんからご依頼いただいて、寄稿させていただきました(下記のリンク)。

 お題をいただくその度に、自分なりに調べ、考察し、執筆したので、物を書く上で大変鍛えられたと思います。

 とても感謝しています。

 休刊は残念ですが、金子書房さんには是非これからも、魅力のある新企画の雑誌、本を出し続けていただきたいと思います。

 長い間、ありがとうございました。

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January 14, 2019

『定年後の人生を変えるアドラー心理学』

 八巻秀先生(駒澤大学教授・やまき心理臨床オフィス)が、最近また面白いアドラー心理学本を出しました。

 八巻秀『定年後の人生を変えるアドラー心理学 Adler's Bar へようこそ』(講談社)

 アドラーズ・バーに集まる定年間近の中高年の男性とマスターとの対話からできています。

 私と臨床家向けの本を出し( 『臨床アドラー心理学のすすめ』など)、子ども向けの本を出した( 『おしえてアドラー先生!』 )後は、こう来たか!という感じです。この世代をターゲットにしたのは、今まであるようでなかったです。

 企業人、組織人向けにリーダーシップや人間関係に焦点を当てたアドラー本はいくつかありました。そういうのはどちらかというと自己啓発的で、登場人物が問題を解決して成長するというストーリーになっていました。昔の教養小説風ですね。

 それに対して本書は、なにせおっさんたちが通うバーですから、大体グチや本音が吐露される場面設定なので、内容的に共感しやすいですね、私ももう、そういう歳ですから。

 本邦初、おっさん向けのアドラー本です。

 お客たちが持ち込んでくる問題は、親子、夫婦関係、昔の職場仲間との関係、親の介護、老化、そして恋愛や盗撮までいろいろあって、身につまされます(盗撮はないですよ)。それらにマスターがアドラー心理学を使って答えていきます。

 つまりよりカウンセリング的な状況なわけです。

 もちろん私は著者の八巻先生を存じ上げていますから、マスターが八巻先生に思えて仕方なかったです。確かに先生はバーのマスターっぽいし。実際こんな雰囲気のカウンセリングなんだろうな、と思いました。

 対話形式は『嫌われる勇気』もそうだったけど、アドラー心理学にフィットするスタイルかもしれません。

 本書は当事者のおっさんたちばかりでなく、女性でも楽しめますし、何より私はカウンセラーや臨床家の人たちの読んでほしいです。

 それにしても、アドラーズ・バーのマスターみたいにアルコールが使えると。本当はカウンセリングは進むかもしれませんね。ただ、翌日覚えているかはわからないけど。

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January 09, 2019

ゆる体操でW杯優勝を目指す

 年末のテレビ東京「FOOT & BRAIN」で、ゆる体操の紹介をしていて、開発者の高岡英夫先生が出演していました。 「世界と戦う究極トレーニング!脱力系「ゆる体操」とは?」

 ゆる体操は結構ふざけた感じでやるので甘く見られがちですが、武術由来の脱力、リラクセーション法でめちゃくちゃ効果があります。

 番組を観れば、サッカーのような高度な身体運動には脱力がいかに重要か、超一流になるためには必須であることが少しはお分かりいただけたかもしれません。

 番組では、あの澤穂季さんが高岡先生の指導を受けていたことが「暴露」されていました。もう知られていたことなのか、解禁になったのかしらないけれど、こういうのはいろいろなしがらみや嫉妬があるから、なかなか表に言えないことが多いと聞いています。澤さんは引退したからいいのでしょう。

 高岡先生の指導を受けたのは陸上の朝原宜治さんはじめ、実はスポーツ界、カーレース、歌舞伎など演劇界など多方面にたくさんいます。知人によると、サッカーの長友選手の部屋を取材した番組に、高岡先生の本がさりげなく置いてあるのが見えたそうです。そこで検索したら、まさにゆる体操をしている長友選手の動画がありました。

 他にもゆる体操の指導を受けたかは知りませんが、坂本龍一さんが是非にと、高岡先生のオフィスを訪問した記事が昔の『秘伝』にありました。

 ところが武道家やボディーワーカー、治療家など、身体運動家の世界では、高岡先生を嫌いな人はけっこういるのです。みんな一国一城の主だからね。

 しかし既に、高岡先生とゆる体操は圧倒的な成果を出しています。番組でもMCの勝村さんが言っていましたが、実際に澤さんはバロンドール賞を得たのだから、誰も文句は言えないでしょう。でも言うやつは言うだろうけど。ならお前はできるのかと、聞きたい。

 番組をアップしていた動画は削除されてましたが、関連動画を入れておきます。

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January 06, 2019

マリーナ先生のアドラー心理学を学ぼう!

 昨年末にもお知らせしましたが、改めて載せます。

 アメリカのアドラー心理学の中心人物、マリーナ・ブルヴシュタイン博士が再来日、特別講座が来月頭にあります。

 私も再会が非常に楽しみです。

 私はアメリカのアドラー心理学を拝見しに、2度ほど渡米したことがありますが、日本と同様、女性が活躍している印象はありました。

 ただ日本だと子育て系が強い感じですが、アメリカは臨床系でも女性の活躍が目立っている感じがしました。もちろん、優秀な男性もいました。

 マリーナ先生はロシア系で、ロシア訛りの英語と、ちょっとふくよかな体型(女性だからあまり言えないけどロシアの人には珍しくないですよね)が、まるでグレートマザー、地母神のような印象を与えます。誰もが安心して相談したくなるような人です。

 これまで来日した外人アドレリアンは何人も見てきてどの方も素敵でしたが、マリーナ先生もピカ一です。次回はいつになるかわかりませんから、是非この機会をお見逃しなく。

 東京の講座をリンクしますが、大阪でも翌週にやりますのでヒューマン・ギルドのHPをご覧ください。

 マリーナ・ブルヴシュタイン博士の特別講座「アドラー心理学の歴史的流れ」

 マリーナ・ブルヴシュタイン博士の特別講座「アドラー心理学(困難を乗り越える心理学)のエッセンス」

 

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January 03, 2019

謹賀新年&ユーミンと桑田さん

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 明けましておめでとうございます。

 今年もよろしくお願いします。

 本ブログはこれまで大体、中3日ペースで更新してきました。今年も大体同じ感じになると思いますが、小難しい心理学や武道だけでなく、より軽い、つぶやきの感じにもしたいと思っています。

 さて、去年の話ですが、大晦日の紅白歌合戦、ご覧になりましたでしょうか。

 近年まれに見る盛り上がりでしたね。新旧どのアーティストも素晴らしいパフォーマンスでした。その流れを受けながら、最後の最後、大トリのサザンオールスターズの「勝手にシンドバット」では、ユーミンのまさかの乱入で大盛り上がりでした。

 桑田さん、ユーミン、そして北島サブちゃんの奇跡のスリーショットで、昭和、平成が凝縮された瞬間でした。その時、3人の後ろにいたウッチャンの「なんか、幸せな気分です」という言葉が、視聴者、国民の気持ちを見事に代弁してくれてたと思います。

 この時のことを振り返ると、はて、これはどういう仕掛けだったのだろうか、そもそも仕掛けがあったのだろうか、と疑問がわきました。多分、ここまでのシナリオはなかったのではないかと思いましたが、SNSを見ても反響はすごい(大半は賛辞)けど、分析をしたものはなかなか見当たりませんでした。唯一、音楽業界に詳しいらしい人のブログに、素晴らしい分析があったのでご紹介、リンクします。

紅白歌合戦の裏側、ミュージシャンの世界の諸事情、ユーミンと桑田さんの関係性など興味深い分析がされていて、とてもおもしろい。

 一言でいうと、あれは、ユーミンと桑田さんの舞台パフォーマーとしての天才的直観、曲の中盤から一気にギアが入った桑田さんと、「ここは私が出なくてはいけない」と判断したユーミンの奇跡のインプロビゼーションではないかということ。私も同感です。だからこそ、あそこまで盛り上がり、人々に感動を与えたのでしょう。

2018紅白桑田佳祐とユーミン奇跡の共演の真実

(引用開始)

実際演奏されたのは、『希望の轍』が先であった。

「これは」と思った瞬間だ。

つまり、平成最後の歌が『勝手にシンドバッド』になるということ。

あれは、天才が軽音サークルノリで作ったむちゃくちゃな曲である。

これはもう、桑田佳祐さんがやらかすフラグであると。

過去この人は、政治的なメッセージで紅白歌合戦で問題を起こしている。

今回もまた、なにかやってくれるだろうと私は期待していた。

政治的なことでなくても、下ネタかなにか、そっち系でなにかやらかしてくれるに違いないと。

サザンオールスターズの出番となり、最初の『希望の轍』を歌っている中盤、カメラが桑田佳祐さんを捉えきれないシーンがあった。

下に降りてきたのだ。

おそらくこれは、リハの想定外だったのではないかと考えられる。

なのでスイッチャー及び、カメラマンがついていけなかった。

だとすれば桑田佳祐さんはなぜ、リハ以外のことをしたのか。

それは、

アーティストとしての血が騒いだ

のだ。

見ていれば分かるが、確実に中盤から桑田さんの表情が変わった。目が変わった。

緊張、厳粛、といった目から、アーティスト・桑田佳祐になっていった。

NHK紅白歌合戦に出演している顔から、サザンオールスターズのライブをやっている桑田佳祐になったのだ。

(中略)

その流れで突入した『勝手にシンドバッド』では、サンバガールたちの登場となり、いつものサザンオールスターズのノリになってくる。

終盤、出演者らが集まってくるのは台本にあったことだと思うが、まずはサブちゃんこと、北島三郎さんがフレームインした。

桑田さんも日本音楽界のレジェンドに忖度し、途中から「サブちゃーん!」と連呼していたので、十分フリはあった。

ただ、サブちゃんは笑っているばかりで、マイクを口元に持っていかない

桑田さんが何度か「(歌ってよ、と)」振っても、笑うばかりで反応しない。

これは、おそらく「引退」と宣言しておきながら「平成最後だし、出てよとNHKに言われちゃったから、とりあえず今回だけ出るね」というサブちゃんの前言撤回的な後ろめたさもあったのではないか。

それを気にせず飛び込んできたのが、女王、松任谷由実さんだ。

その後下手から出てきた松任谷由実さんは、最初は後ろに位置していた。

しかし、天才的な嗅覚で「ここは私」とばかりに察知し、そのうえ、「サブちゃんはマイク使わなかったけど、私は使うわよ」と言わんばかりのマイク捌きを見せ、PAも松任谷由実さんのマイクの音量はすぐに上げた。

カメラマンやスイッチャーもそんな奇跡のコラボを捉え、ラストはほぼ「桑田×ユーミン」の構図になっていた。

そこで遠慮するほうが誤りである、とばかりに、ユーミンは、「胸騒ぎの腰つき」を年甲斐もなく披露してみせ、圧巻のコラボを即興で披露した。

これが天才が具現できる「知るかボケ」精神である。

最後の最後は人の目なんて関係ない。

自分がやりたいようにやるのが能力者なのだ。

「(ベテラン勢から)順に入っていってください」、という程度の指示はあったかもしれない。

または、GOを出すときに、北島三郎さんと松任谷由実さんを優先的に促したのかもしれない。

私はおそらく後者だと思う。

なぜなら、「最後は北島三郎さんと松任谷由実さんを先に…」と台本に書くと、他アーティストに角が立つからだ。

「なんであの二人が優先で、私らが後からなの?」と各事務所から文句を言われる可能性がある。

なので台本上は「最後みんなで参加して歌う」程度だったのではないか。

しかし現場では、その二人に優先してマイクを渡した

サブちゃんは今回の出演の敬意もあり遠慮がちだったが、ユーミンはやってくれた。

サブちゃんが控えてるから私も控えよう、なんて忖度する程度の人だったら、ユーミンもまた、あれだけの人になっていない。

ここで火が点くのがスター、ユーミンという人なのだ。

そもそも今回ユーミンは、先述した「中継出演のつまらなさ」を逆手に取って登場した人である。

エンターテイメントとはなんたるか、を知り尽くした女王なのだ。そらaikoも泣くわ。

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December 30, 2018

今年のまとめ

 12月28日(金)は臨床心理士でアドラー仲間の橋口さんが、私のオフィスをご訪問。毎年恒例の仲間内の忘年会ですが、今年は山梨だけでなく、東京は江戸川区、そして名古屋からも駆けつけて来てくれた人がいました。

 今年も年末恒例の心理臨床オフィス・ルーエを訪問してきました(7年連続)

 2018年ももう終わり、「平成最後」といっても正確にはあと数か月はあるわけですが、アドラー心理学でいう仕事のタスク、自己のタスク関係を中心に振り返ります。

1.4月にアメリカよりアドラー心理学の講師招聘

 現在アメリカで活躍中のアドレリアンを二人もお呼びできたことが、前半の大きな出来事でした。

 マリーナ・ブルヴシュタイン博士とアーサー・クラーク博士、それぞれ持ち味と得意なところが違って、とても勉強になり、良かったです。

 早期回想を極めんとする2日間

 今だから明かすと、実現まで本当に大変でした。しかし、これは絶対に日本のアドラー心理学界に必要なことであるという信念のもとに完遂しましたね。開催まで一緒に協力しながら進めてくれた方々、参加者の皆様には深く感謝しています。

 そのマリーナ先生は来年1月末に再来日を果たします。東京、大阪でワークショップをやります。私は東京、3日間うかがう予定です。アドラー心理学に関心のある方、是非、来てください。

 マリーナ・ブルヴシュタイン博士の特別講座「アドラー心理学の歴史的流れ」

 マリーナ・ブルヴシュタイン博士の特別講座「アドラー心理学(困難を乗り越える心理学)のエッセンス」

2.研修講師にたくさんお呼びいただいた

 今年も山梨を中心に、様々な自治体や団体に講師として読んでいただきました。

 特に今年は自殺防止のキャンペーンを国が推進している関係で、「ゲートキーパー養成研修」に関することが多かったです。

 私にとっても、地域に出向き住民の方々に話をさせていただくのは、カウンセリングルームの良い宣伝になっています。

3.日本心理臨床学会などでアドラー心理学を話す

 私は岩井先生ような指導者とか、地域のグループリーダーでもないのですが、アドラー心理学を伝える機会は多くありました。

 特に今年は、日本心理臨床学会の自主シンポジウムや日本支援助言士協会など、専門的にアドラー心理学を学びたい人向けに話すことがありました。来年もその方面での活動が主になりそうです。

 2018アドラー心理学自主シンポジウム

4.日本トランスパーソナル学会で発表

 通常の心理臨床の仕事の傍ら、七沢研究所(現、beten株式会社)の研究顧問に招かれ、古神道をベースにした心理プログラムの開発に協力することになりました。そのプロセスで、この秋、日本トランスパーソナル学会で発表をしました。

 トランスパーソナル心理学会に参加

 神道の深い流れ

 なかなかの反響でしたね。ユングや仏教、ヨガ、瞑想はマニアックに詳しい人がたくさんいるけど、神道はなかなかいません。変な右翼と一緒にされかねないリスクはありますが、神道こそが日本の精神的な根幹です。

 でもスピリチュアル好きにも心理臨床界にも、ほとんどの人が神道が何たるかを知らないでしょう。私もまだ学び始めですが、いずれここでも解説をしていきます。

5.県臨床心理士会の会長になってしまった

 臨床心理士の職能団体は全都道府県にあるのですが、私は山梨の会長になってしまいました。

 臨床心理士の世界でこういう役職についたのは、アドラー派では初めてではないかと思いますが、いや困った、大変なことになったというのが実感。この時代の荒波に、立場を超えて心理臨床業界の発展のために頑張っていかなければなりません。

6.公認心理師合格

 9月には心理職初の国家資格試験がありました。こういうのは合格ラインをまたげばいいというのが私の基本戦略なので、ま、私が受からないはずがないという超楽観的な認識のもと臨みました。

 無事合格してよかったです。

 来年からは名刺に公認心理師が、臨床心理士と臨床発達心理士とシニア・アドラーカウンセラーと並ぶことになり、なんか心理資格マニアっぽくなってきてます。

7.身体運動のコツを会得

 あまり記事にしませんでしたが、古武術研究家・甲野善紀さんの息子さん、陽紀さんの甲府の講座に参加する機会が割とあって、動きにおいていくつかの重要なヒントを教えていただきました。

 指先や足先に意識を向けることやちょっとした視線の向け方で、動きが劇的に変わることを体験しました。この学びは個人的には大きく、早速メンタルヘルス講座で使わせてもらって、参加者から大好評を得ています。

 専門の中国武術の方は地道に稽古を続けています。今年は太極剣という剣の型をよく学ばせていただきました。とても優美な動きの型です。私はルックスからして優美ではないけど。

 来年は八卦掌を中心にしたいと思います。八卦掌はグルグルと円周を歩く不思議な拳法ですが、やると確実に体が変わり、強くなることをはっきり自覚できる優れた方法です。

 来年はこの方面の記事ももっと書きたいと思います。

8.車を購入

 実はこの冬8年ぶりに車を購入しました。県内でも有名なカウンセリングオフィスの代表、いわばCEOとしてふさわしいベンツにしたかったのですが、お金がなかったので日産ノートにしました(笑)。

 友人のディーラーさんに見つけてもらったのですが、ノートの中でもグレードの高い方でスーパーチャージャー付き、3年落ちの中古でもわずか5,000キロ走っただけの、新車同然の良い状態でゲットできました。走りは前のポンコツ車とは大違い。値段的にも内容的にも大変満足です。

 そしたら契約の2日後くらいに、なんとゴーン逮捕のニュースが!

 大丈夫か日産、と心配しつつも快適なドライブを楽しんでいます。

 ということにで他にもいろいろありますが、きりがありませんのでこの辺で。

 今年も大変お世話になりました。拙ブログに来てくださった方々、本当にありがとうございました。

 来年もよろしくお願いいたします。

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December 27, 2018

『ひきこもりでいいみたい』

 子どもだけでなく、青年、成人のひきこもりが昨今問題になっています。一般に本人がカウンセリングに来ることは少なく、親や家族が来ることが多いと思いますが、どう対応していいか難儀しているカウンセラーは多いのではないでしょうか。

 今年夏に、私の知人がひきこもり本人、家族にとてもやさしく、支援者には実に示唆的な本を出しました。

 芦沢茂喜『ひきこもりでいいみたい 私と彼らのものがたり』(生活書院)

 タイトルがいいですね。

 著者の芦沢さんは精神保健福祉士、社会福祉士でソーシャルワーカー、私が以前勤めていた精神病院の同僚でもあり、今は山梨県の保健所で働いています。私は開業してからも、メンタルヘルス関係の講演の依頼をいただいたり、ケースを紹介していただいたりして、大変お世話になっています。

 芦沢さんは、ひきこもりの人がいる家庭に積極的に訪問します。ソーシャルワーカーの強み、腰の軽さを最大限に使って家族、本人にアプローチし、ジョイニングして、少しずつ彼らのニーズを引き出し、周囲や社会と折り合わせていきます。その手並みがすごく自然で、ユーモラスでいいです。

 家庭訪問する時の芦沢さんの車には、ドラえもんのポケットみたいにいろいろなものが入っています。

(引用開始)

 私の車の中には沢山の道具が入っています。ゲーム機、テレビ、プロジェクター、マンガ本、ライトノベル、コーヒーミル付き全自動コーヒーメーカー、雑誌(ゲーム、アニメ、歴史など)、プラモデル(ガンダムなど)、インスタント食品など、家族から聞き出したものを揃えています。使い方については後述しますが、私は車の中にある道具を想像しながら、訪問時本人と行うことを考えます。

 そして、前述のとおり、例えばゲームが好きということであれば、本人に渡してもらう手紙に、「今、Nintendo Switch(スイッチ)の○○をやっています。伺った際には、それをやって頂くだけでも結構です」という一文を加えることにします。

 本人はなんで私が来るのかを分かっています。家族が相談に行ったというだけで、自分の状況をどうにかしたいと思って、私が来るに違いないと思います。私であれば、そのような人と会いたくはありません。でも「ひきこもり」の問題とは関係のない、自分の好きなことであれば、少しの時間、会ってあげても良いと思うかもしれません。大事なことは、この少しの時間だけなら会っても良いと思わせることができるか否かだと思います。 p56

(引用終わり)

 いいですね。楽しそうな家庭訪問です。

 コーヒーが好きな人には、持参のミルで厳選した豆でじっくりコーヒーを淹れていきます。コーヒーがぽたぽたと落ちるのを、二人でじっと見ているのでしょう。

 また、集団活動は必要性が叫ばれても、なかなかひきこもりの人には難しいところがありますが、芦沢さんは所属機関で「ゲーム大会」を催して、ひきこもりの人たちを呼び寄せたりして成功を収めています。 

 公的機関でもここまでできるんだと、すごく参考になります。

 私も児童相談所時代、不登校児の家庭訪問をよくやっていました。ゲームやキャッチボールなんかをやりました。

 スクールカウンセラーになってからも、たまに家庭訪問をします。でも年を取るとなかなか子どもに合わせた遊びができないところがあって、どちらかというと親面接が主になっています。やはり世代的に、親にかかわるのはどんどんうまくなっていると思います。いや、もうすぐお爺ちゃん、お婆ちゃんか。

 こういうやり方は、若いうちにどんどん経験しておくといいと思います。

 スクールカウンセラーは家庭訪問ができない自治体があるらしいですが、できれば経験しておいてほしいと思います。本人や家族の暮らしぶりがわかりますし、メリットがいっぱいあります。

 特に若いお兄さん、お姉さんカウンセラー、ソーシャルワーカーは、本書にあるような感じでかかわっていってほしいですね。

 ひきこもりの支援者の方に強くお勧めします。

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December 23, 2018

フロイトと催眠

 高石昇・大谷彰著『現代催眠原論』(金剛出版)には、かのフロイトがいかに催眠が「下手」だったかが暴露されてます(知っている人は知っているけど)。

(引用開始)

 …フロイトの催眠は患者のニーズを無視した、粗雑で柔軟さにかける、荒っぽいアプローチであったという。

  フロイトにとって催眠とは患者を駆り立て、強制することによって自分が患者から得たいと思った情報を引き出す策でしかなかった。催眠という極めて力動的な現象や、催眠関係から生まれるさまざまな反応を度外視した、融通性に欠ける、実にぞんざいな使い方であった。(Klein[大谷(訳)]1958 ,p63[強調原文])

 催眠誘導に関するフロイトの理解はまったく歪んだもので[…]「私は患者の面前に指を立てて「眠れ!」と大声で怒鳴った。すると患者は驚きと困惑の表情をみせて椅子に沈み込んだ」。まさかと思うかもしれないが、覚醒に至ってはさらに劣悪であった。「さあ今はもうこれで十分だ!」と叫ぶのが彼のやり方であった。(Rosenfeld [大谷(訳)] 2008,p.62[強調原文]

 こうした記述から、フロイトの技術は荒々しいもので、このため効果が思うように上がらず、その結果彼が催眠に見切りをつけた理由が十分納得できるであろう。 p43‐44

(引用終わり)

 これではとても催眠はかからなかったでしょうね。僭越ながら、私より下手だと思います(笑)。 

 そしてフロイトは、「俺には催眠は無理だ」とあきらめて独自の道を進み、精神分析学を創始したわけです。

 ここで大事なのは、フロイトは、催眠を極めてその限界を悟って、精神分析学を創ったわけではけしてないということです。それこそアドラー的にいうと、催眠ができない劣等感の補償として、天才的な思考力と文筆力で精神分析学を創った、と考えることができます。

 それ自体は素晴らしいことで、さすがフロイト、ということですが、やはりそこには限界があったかもしれません。

 数学が苦手な人が高等数学を語る、野球の素人がイチローの能力の秘密を語る、武道の初心者が奥義を語る、極端にいうとそれに近いところが必ずあったはずです。天才フロイトにしても、人の心や行動について、わかっていないところ、見えていないところが多々あったでしょう。

 現に行動主義者からの執拗な批判は今に至るまで止まないし、アドラーもユングも、フロイトの後継者たちも、「それはないんじゃないの」「それは言い過ぎじゃないの」「これ言わなきゃダメでしょう」と、次々と反論や修正をしてきたわけです。

 その結果、精神分析学はホーナイなどの「ネオ・フロイディアンはネオ・アドレリアンだ」とエレンベルガーに言われ、コフートの自己心理学も和田秀樹先生から「アドラーそっくり」と言われる程、アドラー心理学に近づいてしまいました。

 でもそれを、日本の精神分析学の人は絶対に言いません。言えないというか、まあ、指摘されると嫌な気持ちになるんでしょう。だから私も普段人前では、悪いから言いませんけどね。

 その点においても、今後の心理臨床界は、催眠に改めて注目するといいかもしれません。

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December 19, 2018

『現代催眠原論』

「催眠は心理療法の母」、「全ては催眠から始まった」とはよく言われることですが、催眠ほどわかりにくく、誤解されやすいものはありません。

 でも誤解されるのは無理はないかもしれません。そもそも、正解がはっきりしないからです。

 いったい、催眠とは何だろうか、実はこの疑問は心理学の根本疑問の一つだと思うのですが、実はいまだに決着がついていません。いまだに欧米の心理学者、セラピストたちの意見の一致はないのです。

 しかし、催眠は心理療法だけでなく、シャーマニズムや宗教も関係し、人類最古の精神技術でもあります。催眠に比べたら、キリスト教の告解や座禅なんて、まだまだ新参者かもしれません。というか、多くの宗教システムの中に、実際は催眠は入り込んでいるはずです。

 武道・武術も、修行システムや実際の技の中に催眠的要素は多々見られます。だから心理療法家だけでなく、武道家も催眠はたしなんでおいた方がよいと思います。

 現代の催眠研究の最前線の知見をまとめ上げたのが、高石昇・大谷彰『現代催眠原論 臨床・理論・検証』(金剛出版)。斯界の最高峰の先生方による、催眠の超基本文献です。分厚いけど、心理療法をうまくなりたい人、さらに能力を上げたい人は絶対触れておくとよいと思います。

 日常臨床で多少催眠的なことをやったり、瞑想を実施する私には、とても勉強になりました。

 次回以降、内容の学術的で本質的なところは長くなるし面倒だから書きません(勉強してください)が、読んで面白かった個所を紹介します。

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December 15, 2018

アドラー心理学の学会を作ります!

 なんとなんと、この度、これまで仲間と活動してきた日本臨床・教育アドラー心理学研究会をバージョンアップして、学会という形を目指すことになりました。

 日本のアドラー心理学シーンにインパクトを与え、新しい流れを作ります。

『嫌われる勇気』などによってアドラー心理学のすそ野はもう大分、十分に広がった。社会運動としてのアドラー心理学も、日本各地の熱心な人たちによってある程度、根付いてきた。

 あとはより、専門的に包括的に、深く、高く、アドラー心理学を新しい時代に合うように創り上げる時期に来たと思います。実はここのところずっと、仲間と議論を重ねてきて、どういう形が良いか模索をしてきたのです。そして、学会というスタイルを採用するという結論になりました

 まず、来年春先に、その現実化に向けて集まることになりました。

 是非ご参加、そして、ご協力をお願いします。

(案内より)

 

日本臨床・教育アドラー心理学研究会第9回大会&日本個人心理学会設立総会

 日本臨床・教育アドラー心理学研究会は2011年に始まり早くも8年目を迎え、8回の大会、6回の研修会を重ねてきました。この間、思わぬアドラーブームがあり、世間のアドラー心理学への注目度は一気に増しました。そして私たち自身も自らの学びを深め、向上したいという思い、さらにアドラー心理学を通して一層世の中に貢献できるようになるために、この度新たに「学会」という形で、ステップアップ、バージョンアップを目指すことになりました。
 今回の大会では、当会のこれまでの歩みを振り返り、現代のアドラー心理学の成果と課題を総括し、学会設立に向けての動きを報告させていただきます。
 長い間当会を応援してくださった皆様に感謝をお伝えするとともに、日本におけるアドラー心理学の新たな核となるべく進めて参りたいと思います。是非、ご参集ください。


                鈴木義也(東洋学園大学)
                会沢信彦(文教大学)
                八巻 秀(駒澤大学)
                佐藤 丈(山梨県北杜市立小淵沢小学校)
                深沢孝之(心理臨床オフィス・ルーエ)

1.日 時
 201933日(日) 10001600

2.場 所
 駒澤大学深沢キャンパス アカデミーホール(東京都世田谷区深沢6818
  ランチセッション 深沢キャンパス洋館小ホール
 (東急田園都市線「駒澤大学駅」下車。「駒沢公園口」から徒歩15分)

3.参加費
 ・予約参加:4,000
  (224日(日)までにこくちーずまたはFAXで申し込んだ場合)
 ・当日参加:5,000
  (225日(月)以降の申し込み及び当日参加)
 いずれも当日会場で支払い。
 ランチセッションの昼食代も含みます。
 途中参加や早退も可能です。

4.日 程 
 1000 開会挨拶
      鼎談「アドラー心理学の現代的意義と課題」
       箕口雅博(立教大学)・鈴木義也・八巻 秀 
 1200 ランチセッション(昼食を取りながらの懇親会)
      昼食代は参加費に含まれています。
 1330 シンポジウム「アドラー心理学の『今』」
      梶野 真(日本アドラー心理学協会)・鶴田恵美子(日本支援助言士協会)
      ・佐藤 丈・深沢孝之
 1500 日本個人心理学会 設立総会
 1600 閉会

5.参加資格
 教育あるいは対人援助に携わる専門職の方、もしくはその分野の学生。
 会員登録制度はありませんが、メールでの申込みに限り開催案内をメールしています。
 参加経験がなくても、告知希望の方はその旨メールでお知らせください。

6.申込方法
 下記HPからお申込みください。FAXでの申込みも受け付けます。
 https://kokucheese.com/event/index/546833/
 申込専用FAX03-5256-0538
 当日参加も可能です。
 

7.問合せ先
 日本個人心理学会 事務局
 〒154-8525
  東京都世田谷区駒沢1-23-1 駒澤大学文学部心理学科 八巻 秀    
 E-mailアドレス: adler.jimu@gmail.com
 日本臨床・教育アドラー心理学研究会 HPhttp://adlerian.jimdo.com
 学校心理士の方は更新ポイントB研修会(申請中)となります。

すでにお申込みいただいている方には重複のご連絡になり、申し訳ありません。

--
日本臨床・教育アドラー心理学研究会
第9回大会&日本個人心理学会設立総会事務局(担当:町田、堀井)
101-0021 千代田区外神田2-2-3京須ビル2階
学事出版編集部内 学会・研修会サポートセンター
FAX
03-5256-0538 E-mailgksc000@gmail.com

 

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«柳生新陰流を学ぶ