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July 19, 2005

ロールシャッハって・・・

 ロールシャッハ・テスト、インクを紙に垂らしたただのシミつきカード、それをどう見えるのかを問う例の有名な心理テスト。分析、解釈のマニュアルはあるもののの、習熟に時間がかかるとされ、はなはだ職人芸的な要素も強く、何かプロの道具っていうイメージがあります(ありません?)。

 このテストは、ある種の心理臨床家にはたまらない魅力があるようです。僕の職場の先輩も、「ロールシャッハは心理臨床家のアイデンティティーだ」と話してました。当時既にアドラー派としてアイデンティティーを持とうとしていた僕は、「へーそうなんだ」と受け止めるぐらいで、それほどこのテストにのめり込まずに、基本的なやり方をマスターするだけで、ほとんど技量は進歩しませんでした。それでもこのテストは、「ホントかよ」って思うことも多いのですが、確かに魅力のあるテストであることも認めます。

 先日県臨床心理士会の研修会で、ロールシャッハ・テストで有名な馬場禮子先生を講師にお招きして事例検討会があったので、これは初めて生馬場を見られるチャンスと、勇んで見に、じゃなかった参加してきました。僕もミーハーだけど、やっぱ有名人や偉い人が来ると参加者は多いですね、会場は満員でした。馬場先生の解釈は、僕のような基本を知っているだけの身にも理解できて面白かったけど、何より参加者(特に医療系の方)の解釈への熱意はすごいな、と思いました。僕なんかアバウトだから、どっちでもいいや、そんなに突っつくなよと思っちゃう。ただ、解釈自体は納得しましたが、その後の治療方針のディスカッションでは、やはりアドラーや現実・未来志向のセラピーと精神分析志向とは違うなと感じたのが率直な感想(これ以上は控えます)。

 ところで、最近、おもしろいというか興味深い本が出ました。

『「心理テスト」はウソでした。 受けたみんなが馬鹿を見た』 村上 宣寛 【著】日経BP社 (2005)

 血液型性格診断はもとより、ロールシャッハ・テスト、YG、内田クレペリンといった有名な心理テストは時代遅れで、嘘、事実無根だと「暴露」した本とのことです。僕も大変面白く読了させていただきました(立ち読みで、すんません、銭がありまへんのや)。

 一応僕も業務上テスト屋の側面はあるので、それから気になって、いくつかの愛読させていただいている心理系ブログを回ってみたら、やはり関連記事がよく出ていますね。

 賛同者は、やはり行動分析家でなくちゃ。 自然と人間を行動分析学で科学する

 臨床家には当然反対論者が多いですね。 ロテ職人の臨床心理学的Blog

 基本的に心理芸者でかつ福祉行政マンの僕は、お勉強は楽しく、実践は(実は)日和見で、というのがモットーなので、この件に関してはこれといった信念はないのです。問題解決的な物語が構成できれば、ロールシャッハだろうが、動物占いだろうが使います。ただ、学者先生たちには、いつか決着をつけてほしいとは思ってますが。

 僕の立場から自動車に例えてみると、ロールシャッハ・テストは車の性能とかドライバーの資質を、テスト走行の数値などで判断しようとするのに対して、僕らアドレリアンがよく使う早期回想などのライフスタイル診断は、ドライバーがどこへ向かっていて、どんな道を走ろうとしているかを探る、といえるのかもしれません。どちらが深いとか浅いということはないと思うな。

 ただ僕はバーナム効果が強いのか、ロールシャッハより、血液型の方が当たるとつい感じちゃうんだよなあ。家族以外、誰にも言えないけど(-_-;)。 

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Comments

ロールシャッハですか・・・ロールシャッハですね・・・。
以前勤めていたクリニックで「ロールシャッハ受けたい」という患者さんがたまにいらっしゃったので一時期かなり勉強しました。学会にも入っちまいました。エビデンスを追求する私は当然エクスナーを勉強し,それなりに納得もし,やってみるとそれなりに使えもしますが,結論としては「コストパフォーマンスが悪すぎる!」ということです。時間とお金とエネルギーをあれだけかけて得られる情報があんなものでは(もちろん「あんなもの」しか得られない私の技量の問題でもありましょうが),同じ時間とお金とエネルギーをかけてCBT的アセスメントをきっちりやったほうが,よほど得るものが大きいような。エビデンス・ベーストなエクスナー法そのもののエビデンスがかなり危ういですし。
「『心理テスト』はウソでした」は私も読みましたよ。内容的にはほぼ賛同しますが,タイトルは「『性格テスト』はウソでした」にしてほしかったです。CBTで通常使用するBDI-Ⅱなどの信頼性の高いテストまで誤解を受けると困るので。

Posted by: coping | July 20, 2005 at 12:02 PM

 そうなんです・・・ロールシャッハなんです・・・と、このことを考えるとなぜか・・・が入ってしまうのです、ヒロシみたいに(笑)。
 やはりcopingさんも同じ思いでしたか。記事にもあるように、最近件の本に接し、研修会もあったのをきっかけに、ちょっと考えてみました。おもしろさと危うさが同居してるような気がします、あのテストには。
 ヘルマン・ロールシャッハが考案したきっかけが、子どもの遊びだったそうで、僕も幼い頃雲や木の模様が何かに見えたのを楽しんだりと同じような遊びをした記憶もあり、心理屋さんの子ども心をかき立てるのかもしれませんね。
 僕は立場上、使うこともあり得るので、つかず離れずのお付き合いになりそうです。
 

Posted by: アド仙人 | July 20, 2005 at 11:56 PM

先日はコメントありがとうございました。
太極拳の話とか含め、ちょっとずつ読ませていただいてます。感覚はよくわかります。畑が少しちがうので、新鮮で面白いです。

脱力=じつはやる気のある状態、というのがわかってくると、人生は楽しくなってきますよね。

ではまた遊びにきます。

Posted by: takanorix | July 24, 2005 at 01:20 PM

 takanorix様
 レスありがとうございます。テーマは似ている中で、違う分野の方のお話はとても刺激的です。
 そちらのサイトを覗いたら、とても知識や経験の豊富な方のようなので、これから少しずつ読ませていただきますね。
 よろしくお願いします。

Posted by: アド仙人 | July 25, 2005 at 12:04 AM

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