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February 27, 2006

行動分析学入門

 新書はいいですね。手軽で読みやすくて、ちょっとした旅行先に持っていくには最適です。先週の研修旅行時に持っていった一冊がこれです。

杉山尚子著「行動分析学入門-ヒトの行動の思いがけない理由」集英社新書

 行動分析や行動療法の本はなぜか周期的に読みたくなる(いつもはそれほど熱心には接してない)のですが、それでもけっこう長いお付き合いにはなるわけです。
 本書は、書評や行動分析学を専門にされているブログでは好意的に紹介されているので読んでみたかったのですが、噂に違わずよい内容でした。
 私が今まで読んだ中では一番わかりやすくて、行動分析学の基本がスッと胸に入りました。一般の方や初学者だけでなく、ある程度臨床しているけど、食わず嫌いであまりこういうものに接してこなかった人が改めて勉強するにもよいと思います。

 キーワードは行動随伴性

 行動随伴性:行動の原因を分析する枠組みで、行動とその直後の状況の変化との関係をさす

 行動を随伴性によって見ることの利点は何だろうか?1つには個人攻撃の罠を避けられることである。・・・・・注意しても言うことを聞かない子供は「問題児」であり、何度頼んでも協力しない人は「自己中心的」である。
 しかし、行動のもたらす効果に着目し、行動随伴性で行動をとらえ直すことにより、個人攻撃の罠に陥らない新しい人間観が生まれる。

 アドラー心理学の目的論と効能は似ていますね。「行動直後の状況の変化との関係」を認知論的に見るのがアドラーで、徹底的に観察可能な立場から見るのが行動分析学かなと思いました。

 いまだに精神分析流の概念装置頼みの思想、社会評論に対して、もっと行動分析学が普及してほしいと思う今日この頃です。先生方がんばってください。

 惜しむらしくは(どっちでもいいことだけど)、本書は文体が硬い、「遊び」が少ない(がんばってはいるけど)。きっとまじめで厳密に科学的な思考を推し進める先生なのでしょうね。行動分析家らしいと思います。
 これが、アドラーやブリーフ・セラピーなんかをやる人だったら、もっとくだけるかな。単線的な論理じゃなくて、多次元的なコミュニケーションをひっくり返したりひねったりする(要するにユーモアの構造と同じ)ことを好むからかもしれません。

 学派によって、文章や文体からかもし出すものが違うのは面白いといつも思います。
 

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Comments

偶然にも本日,テーマは違いますが行動療法について触れた記事をUPしたばかりです。私も応用行動分析は,非常に役立つ概念と方法論の宝庫だと思っています。

>惜しむらしくは(どっちでもいいことだけど)、本書は文体が硬い、
>「遊び」が少ない(がんばってはいるけど)。
> きっとまじめで厳密に科学的な思考を推し進める先生
>なのでしょうね。行動分析家らしいと思います。

私としてはそのような文体のほうが,結構好きだったりして。
ちなみに杉山先生には学部の頃,ご指導を受けていました。
アド仙人さんの分析どおり,とーってもまじめで素敵な
先生でしたよ。

ご紹介の杉山先生のご著書は,確かに評判がよいようですね。
いまさら「入門」を読むのも何だかな~と思っていましたが,
これを機会に読んでみようと思います。

Posted by: coping | February 28, 2006 at 10:20 AM

私も買って読んでみようと思いますm(__)m。

P.S.
船井幸雄さんの本は、ひところ集中的に読みました。副島隆彦さんの本は、新書の英文法シリーズしか読んだことがありませが、一度、読んでみたいところです(多分、同一人物かと)。

ちなみに、私は、ポスト資本主義(←正確には何ていうのでしょう・・・)に少々興味があったりします。

Posted by: ぐうたら三昧 | February 28, 2006 at 08:55 PM

 copingさん

 偶然にも、貴ブログでも行動療法に触れておられましたね(^.^)。
 杉山先生の薫陶を受けたとはうらやましい。こういうものをきっちりやっとけば、基礎はばっちりでしょうね。
 私などは、永遠の入門書レベルで・・・。入門書とかHowTo物大好きです。まあ内田樹先生も入門書がお好きだと書いていたし(関係ないか)。
 文章のおふざけレベルは、学派というより関西系の著者の方がやっぱりうまいかななんて、勝手に推測しておりますが。
 杉山先生の他の著書にも当たってみようと思います。

Posted by: アド仙人 | February 28, 2006 at 11:59 PM

 ぐうたら三昧さん

 貴方も妖しいものがお好きなようで(笑)。幅の広い読書活動をされてますね。
 副島隆彦さんについては、同一人物だと思いますよ。私は英語の方は読んでないのですが。心理の世界にはなかなかいないキャラだと思います。
 ポスト資本主義って、船井さんの造語かな?今の資本主義のシステムが近い将来根本的に変わると主張されていますからね。よくわからないけれど、このままの未来じゃ絶望的だな、と勝手に悲観的になっておりますので、そうなったらいいなと思うと興味深い考えですね。

Posted by: アド仙人 | March 01, 2006 at 12:11 AM

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