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April 10, 2006

「図解 心理学のことが面白いほどわかる本」

 本当のことがわかる!図解 心理学のことが面白いほどわかる本

 一般書ですが、題名に違わず面白かったので紹介します。
 性格や人間関係、やる気、恋愛、テレビゲーム、自殺・・・たくさんのトピックを心理学的正確さを損なうことなく、実にわかりやすく、上手に解き明かしてくれています。
 専門家が読んでも、心理学をどう一般の人に伝えたらよいのか考えるときに、大変参考になると思います。私のような現場の人間は、「クライエントではない、その周辺の一般の人」(両親や親族だったり、学校の先生や民生児童委員みたいな地域の協力者など)に対して、心理学的な専門用語を使わずに、どうやってメッセージを伝えるかに腐心することが多いのですが、この本はその役に立ちそうです。前書きに、

「心理学を学ぶ」ということは、他の学問のように「知識をたくさん身につける」ことではなく、「心理学的な見方を身につける」ことなのです。私たちがそうした「心理学的な見方」を身につけると、自分のこころや行動が今までとはずいぶん違って見えてくるだけでなく、日常的な悩みや、自分の行動上の問題についても、それまで思いもよらなかったような解決法のアイデアが生まれてくるのです。

 とあって、その通りだと思いました。
 わけても、著者たちの「心理学的な見方」は主に行動分析学に拠っているのもよいですね。
 本書では、「やる気をくじく、起こすメカニズム」について、家庭や仕事、学校教育の問題とその解決法を行動分析学の視点からクリアーに説いています。ここまではっきりとわかりやすく書いたものは、これまであまりなかったのじゃないかな。
 思いつきのような評論を述べ立てる評論家や教育学者などは、まずこの地点まで下りて現実を見るべきですよ。
 この立場から説いたものは、明確だけど科学的に厳密に語ろうとしてかえって冷たい印象を与えるきらいがありますが、著者達は基本的に明るい方なのでしょう、文章からはとてもユーモアの感覚を感じます。

 行動分析学がいうように、ほんとうは世界はとてもシンプルなのかもしれない。でも頭脳の働きが過剰で妄想を持ちがちな現代の人間は、その真実に耐えることができず、それを糊塗し、変わらないでいるための複雑怪奇な言語体系(精神分析学みたいな)を作り出したのではないかとさえ私は思うことしばしばです。

 いずれにしても、いろいろな場でお勧めできる本だと思います。

 

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Comments

私はその図説シリーズで、
構造主義だったか、精神分析だったかを買いまして、
ラカンの鏡像のくだりで、ものすごい混乱を
きたした思い出があります。
ラカンに比べれば、デリダなんて可愛いものだ。。。
と、若き日に思いました。

心理学といえば、日本のテレビで良く出てくる富○先生。
あの先生が良く例に出す
「○○を選んだ人は××の性格をもっている」的な
”心理テスト”が私には統計的な”心理占い”にしか
感じられないのですが、
ああいうのは行動分析学になるのですか?

Posted by: ぺぺ | April 11, 2006 at 11:45 PM

 ぺぺさん

 なかなか挑戦してますね。構造主義なら内田樹さんの「寝ながら学べる構造主義」(文春新書)がお薦めですよ。ラカンも出てます。

 それから、その手の心理テストは行動分析学とはいわないと思いますよ。「心の中」を変に推測しないで、あくまで行動の流れをきちんと追っていくこと、そして行動が確実に変わるための具体的な方策を出せるのが強みですね。
 
 僕らがやっている武術も行動分析学的に見るとおもしろいかもしれませんよ。

Posted by: アド仙人 | April 12, 2006 at 11:13 PM

こんにちは。
この間は、切羽詰って発作的に失礼なコメントをしてしまい本当に申し訳ありませんでした。今は大丈夫です。
お返事を下さってありがとうございました。人と話すのが本当に苦手でしかも、今まで何度か意を決して他人に助けを求めてなんともならなかった経験があるので、現実世界で誰かにアドバイスを求めるのが怖いのです。
私も山梨の住人だったら良かったのにと思います。そしたら直接アドバイスを求めにアクションを起こせたかもしれません。これから相談をしようか、と思う相手がどんな人柄かもわからずに話をするのは、とても勇気がいります。
ネット上で幾人かの心理関係の方のブログを時々読ませていただいていましたが、アド仙人様の文章からうかがえる人柄に一番共感を覚えたので、つい失礼な書き込みをしてしまいました。つまらなくなんてありません。これからも読ませていただきます。

Posted by: akino | April 14, 2006 at 12:26 AM

 akinoさん

 過分なお褒めの言葉、ありがとうございます。akinoさんも何とかやれているようでほんとによかった(^^)。
 相談者との出会いも縁みたいなところがありますから、akinoさんにはakinoさんなりの縁があると思います。慌てないでいきましょう。

 心理学といっても、元々学問的というより感覚的な人間がやっているブログです。今後ともよろしくお願いいたします。

Posted by: アド仙人 | April 14, 2006 at 11:53 PM

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