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May 30, 2006

「カンフーガール」

 久しぶりの本格中国武術小説。おもしろくて一気に読了。

「カンフーガール」八神かおり著 文芸社

 表紙や帯に「青春拳法開眼小説」「自称拳法研究家が放つ美少女爆裂拳法アクション!」「濃すぎる拳法活写!あふれかえる拳法うんちく!」
 にあるとおり、中国武術ファンにはとてもうれしい内容盛りだくさんです。

 主人公の女子高校生白石良子は、空手や武道好きで「空手暴力バカ女一代」と学校で呼ばれ、香港カンフー映画のファン。ひょんなことから、「微妙にしょぼい拳法」をいつも寄るラーメン屋の親父から習うのですが、この親父が実は武式太極拳という伝統的、本格的拳法の達人だったのです。この王さんという妙に力の抜けた中国人が、主人公に丁寧に武術の修行階梯を説いて鍛えていくところが実に細かくて、リアルで我々武術修行者、マニアをうならせるのですな。

 お楽しみの格闘シーンも、太極拳の戦い方をうまく描写しています。そうだ、太極拳はこんな風に戦うのだ、がんばれ太極拳!と思わず応援していましたよ(*^_^*)。
 他の武道家は描写されていることに理解不能の部分はあるかもしれないけれど、我々中国武術家はこの物語で語られるような言語的世界に住んでいるのだ。そういう一つの文化なので、それはそれで自分にとって真にリアルな感じのする体験なのです(逆に言うと、他の武道や格闘技をやる人にはまたそれなりの物語的言語世界があるわけね)。

 登場人物も、将来国際機関でエリート風を吹かせることを夢見るちょっと変わった主人公、超イケメンでありがなら出家マニアか禅に打ち込む青年の伝次郎、達人の過去を隠しながら淡々と生きている王さんなど、それぞれキャラが立っていておもしろいです。

 稽古仲間によると、ストーリーはある香港映画か何かを下敷きしたらしいのですが、しかし作者はどんな人物なんだろ?

 値段もお手頃だし、お仕事やお勉強や稽古の合間に気軽に楽しめますよ。

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Comments

「カンフーガール」、良いですね。私も買いました。書店で見つけられなかったので取り寄せて、やっと入手したばかりです。
まだ読み始めたばかりですけど、だいぶ本格的で面白いですね。私もお奨めします。

突っ込みたい部分もあるのですが、そこは娯楽小説という事で気軽に楽しむとしても、実際に習ってある程度以上真面目に稽古した方が書いたもの、という感じで良いです。

思い起こせば、私も形意拳使いが主人公の小説を読んた事で、「形意拳やりたいっ!」と思って始めた事を思い出しました。
同様に、この小説を読んで太極拳を習いたいと思う人が増えるかな、なんて思ったりもします。

Posted by: 渡辺 | June 02, 2006 at 01:20 AM

 渡辺さん

 おもしろいでしょ。
 まじめにやっている身からすれば、いい加減なことや荒唐無稽な感じがすると興ざめだけど、この小説は受け入れられますよね。
 僕も主人公の先生の王さんみたいなとぼけたキャラになりたいな。

Posted by: アド仙人 | June 02, 2006 at 11:34 PM

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