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August 12, 2006

テレビに映った児童相談所

 先日9日、NHKで児童相談所のルポをやってましたね。ご覧になった方いるかな?「48時間の約束」という題で、埼玉県中央児童相談所の虐待対応の様子を映し出していました。

 埼玉県は全国に先駆けて、虐待通告を受けてから48時間以内に子どもの安全確認を徹底するという方針を打ち出したのでした。以後、全国の児相がそれに続いたのです。

 一般の方は番組をどう思ったかわかりませんが、ある意味「仲間」として見ると、どこも同じような状況だな、お互い苦労しているな、心身が壊れないように気をつけながら頑張ろうよ、といった共感というか連帯感を感じざるを得ませんでした。

 番組では虐通告を受けて、児童福祉司がその夜のうちに家庭訪問をして、その翌日だかに保護者が子どもの保護を求めてきた、というまあ、一応の解決ができて終わりという感じでしたが、なかなかいつもそうはいかないことが多いでしょう。

 時間なんてあってないようなものだし、訪問しても親の罵声や暴言を浴びたり、子どもの虐待の状態の調査が難儀を極めることが多いし、保護するべきか否かの判断に迷うことも少なくありません。親と対立すれば法的闘争もあり、記録や事務仕事はかさむ一方・・・。そして、判断を誤れば、いつ悲劇が起きるかもしれない・・・。
 私も若い頃福祉司をやって苦労した経験があるけど、今はさらに厳しい時代になったことを痛感します。

 今までいろいろな現場を体験しましたが、ストレスフルなのは児相の右に出るところはありませんでしたよ、はっきり言って。ここを出ると、どこも天国みたいな感じさえ・・・。

 それにしても埼玉県さん、よくカメラを入れる決断をしましたね。
 何年か前、我が県の児相にも地方局から同じような取材の申し込みがあったけど、田舎だとどうやって隠しても、相談者や家庭の正体がばれてしまうことがあり得るので、お断りをしたことがあったと記憶しています。
 ほんとに、相談者が知り合いの知り合いだったとか、知り合いの親戚だったとか、同窓生や実は近所にいたとかいうことが、まれでなく起こりうる土地なのですから。
 弱るのは、学校訪問に行ったら、校長が自分が昔習った先生だったりすること。児相の専門家ズラしてたら、「アド仙人ちゃんでしょ」なんて言われたりして、アリャーッて感じ。まあ、かえって先生たちと打ち解けられていいけど。

 取材は、大都会だからできたことだと思います。
 だから、児相を全国の一般の方に知らしめるために、是非都市部の児相のみなさま、これからも臆せずどんどんメディアに出ていって下さい。

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Comments

残念ながら見逃してしまいました。
メディアの力は良くも悪くも「大!」「強大!」ですが,今回の放映は児相の厳しい実態を,ありのままに伝えられていた,ということなのでしょうか。
児相の現場が大変な一因は,「一刻の猶予もない」という状況で確実な判断と対応を求められるということなのでしょうね。私の所属機関のように,予約制で面接を実施しているような機関(わずかにたまに危機介入としてギリギリの判断が求められるときがあるぐらい,それでもそのときは大変です)からすると,率直に言って想像もつきません。児相で働く人の勤怠やメンタルヘルスは,どのように守られているのでしょうか?「勤労者のメンタルヘルス」にも興味のある私としては,アド仙人さんの今回の記事を拝読して,そちらのほうがやけに気になってしまいました。

Posted by: coping | August 15, 2006 at 09:17 AM

copingさん

>児相の現場が大変な一因は,「一刻の猶予もない」という状況で確実な判断と対応を求められるということなのでしょうね。

 おっしゃる通りのこともあり、一方で他の臨床現場と同じように予約制で動くクリニック機能もあり、少年の処遇を決めたり、家庭訪問や学校訪問などして最近の言葉でいうコンサルテーションみたいなこともします。心理もよく外へ出ていきますよ。
 クリニックとシェルターと火消しと警察と裁判所が弱い権力で一緒になったような所とでもいえるでしょうか。
 いい意味でも悪い意味でも、雑多だとつくづく思います。
 いつかはcopingさんみたいに、きっちりとした仕事をしてみたいです。

>児相で働く人の勤怠やメンタルヘルスは,どのように守られているのでしょうか?

 守られていません(笑)。番組でも課長さんが、「体がもたん」と言ってかな、そこでも熱心が福祉司さんが倒れて亡くなったという話もしていましたね。
 こちらでも生涯一福祉司みたいな大先輩には、飲むと人格崩壊を起こす人がいたりして。私でさえ、眠れぬ夜もありますよ(でも結局寝てるけど)。
 それこそcopingさんに、研修に来てもらいたいくらいですよ。いつかお願いします(^_^)。

 私は、まあこんな人間ですからねえ。今のところ何とかやっております(既に壊れてたりして)。ユーモアと脱力の精神は忘れずにやっていきたいものです。

Posted by: アド仙人 | August 15, 2006 at 11:30 PM

>心理もよく外へ出ていきますよ。

心理が外へ出るって,とても大切なことだと思います。
以前,私も雑多な仕事をする機関に勤めておりましたが,
「つべこべ言わず外へ出ろ」的な仕事が多く,
もともとひとところにじっとしていられない性分の私としては,
むしろそういう仕事のほうが好きでした。(と言っても,児相のような切迫した仕事ではなかったですけど)
でもそれって心理職としては例外だったみたいで,そういう意味では,私は看護職の人とか,ワーカーさんとかと気があってました。

> クリニックとシェルターと火消しと警察と裁判所が弱い権力で一緒になったような所とでもいえるでしょうか。

うーん。やっぱり大変なんだなあ。「弱い権力で一緒」と言う表現に,めちゃめちゃな大変さを感じます。
こういう大変さって,やはり現場で汗流している人のお話から切実にわかる(ような気がする)というもので,これからも差し支えのない範囲でお仕事の話を教えてください。

>いつかはcopingさんみたいに、きっちりとした仕事をしてみたいです。

きっちりとした仕事なんかしてないです。私もしてみたいです(笑)。

> ユーモアと脱力の精神は忘れずにやっていきたいものです。

おそらく何の仕事をしていても,ユーモアと脱力の精神が,
自分が壊れないためには必要なんでしょうね。
私のような,ユーモアと脱力の精神に欠けるクソ真面目な人間には,
そういう仲間が不可欠だと感じています。

貴ブログのような,日常的に愛読しているブログも,
私にとっては重要な「仲間」って感じです。
これからも記事を楽しみにしております。

Posted by: coping | August 18, 2006 at 11:38 PM

copingさん

 ありがとうございます。
 もちろん児相だけが大変なはずはないので、私も様々な立場や現場の方のことを知りたいし、理解していきたいと思っています。

 私も、「仲間意識」を持っておりますです、ハイ(*^_^*)。

 キーボードを叩く手が滑ることも多々ありますが、よろしくお付き合い下さいね。

Posted by: アド仙人 | August 19, 2006 at 01:45 AM

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