コイズミさんは○○
内田樹先生が、ついに言っちゃった。小泉首相は「学習障害」だと。
興味深いことに、これは非言語性学習障害の病像にも通じている。
非言語性学習障害の子どもはしばしば情報や事実の丸暗記(野球選手の生涯打率とか恐竜の名前と棲息期間とか)にすぐれている。
その代償に、彼らは「つじつまの合わないことを受け容れる能力」と「ユーモアを理解する能力」に大きな欠損を抱える。
つまり、自分が現在その枠組みに基づいて世界を見ている枠組みそのものの有効性・妥当性を疑わせる情報を受容できないという無能力が、トリヴィアルな情報をためこみ、それを即時に取り出す卓抜な能力とトレードオフされているのである。
スキームを固定化してそこに情報を詰め込むこの知的傾向は、現在の日本の若年層に広く見られる。
もちろん、わが国のナショナリズムを怒声で批判する隣国のナショナリストたちの多くもその知性の不活発ぶりでは本邦の諸君と変わらない。
「学習」とは本来学習する枠組みそのものが学習の過程で解体再生を繰り返すダイナミックな過程である。
学習を通じて学習の枠組みそのものには変化が生じない場合、それは「学習」とは言われない。
そのような傾向はやはりDSM-IVに基づいて「学習障害」的傾向と呼ぶべきだろうと私は思う。
これは実は、多くの「その筋」の専門家が彼について以前から感じていたことじゃないでしょうかね。論文やエッセイにするわけにもいかないから表に出ないけど、仲間同士の雑談なんかで聞いたことない?諸先生方。僕、けっこうあるよ。
発達障害支援法の設立前に、ある高名な専門家が国会議員にブリーフィングをしたとき、アスペルガー症候群などのチェックリストをやってもらったことがあるそうです。さる与党の大物議員がチェックしたら「あいつにピッタリだ、当てはまる」と言ったのが、かの小泉首相だったそうな。
もちろんその専門家もその「診断」を否定はしないで、私たちに話をしてくれたわけですね。
DSMに基づいて学習障害かどうかは、さらなる検討を要するとしても、大枠で「発達障害」圏を疑うのは、けっこう妥当かなという感じがします。
私がコイズミを批判するのは、まさに政治が利害の調整であるという基本通り、何ら自身や仕事、仲間、援助対象になる方々に益するところがないと考えているからで、したがって、そのコイズミに組みするような勢力(河合翁など)は批判しなくてはならないと思うからです。
でもこのことは控えてたのね、臨床家として会わずに判定はできないから。それに失礼だし(どっちにだ?)。
そう、この内田先生の発言にLD(学習障害)の当事者団体は、抗議をするべきなんだろうか?「一緒にするな!」とか。でも変だな、相手は一国の首相だから、喜ぶべきこと?
いずれにしても、発達障害の診断基準として記述される諸特徴を持つ人物が、国家のリーダーになり、我々の生殺与奪の権力を持っていることは、極めて問題です。
だって、哀れなこの小人物には、サポートシステムがないじゃん!
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Comments
どうもはじめまして。
そういえばブッシュも発達障害でしたな。
剣呑剣呑。
Posted by: mamodolian | August 17, 2006 at 12:43 PM
mamodolianさん
はじめまして、ありがとうございます。
そうですか、盟友ブッシュ氏もですか。ただの無能のお坊ちゃんだと思っていましたが。
まあ病跡学というのが昔からありまして、ゴッホやヒトラーだのスターリンだの偉人、変人、奇人を「診断」したりする伝統が精神医学にはあります。
彼らも新しい「看板」でその仲間入りということでしょうか。
Posted by: アド仙人 | August 17, 2006 at 10:51 PM