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August 05, 2006

亀田戦ってなんだ?

 あー、暑い。ただでさえ暑いのに世間は亀田戦八百長疑惑で無駄に熱くなっております。僕も暑さしのぎに考えよう。でも僕、当日稽古中だったもんで見ていないんだな。稽古仲間のフルコン空手や総合格闘技をやっている人と話してたけど、亀田はアホだという結論で笑って帰ってきてテレビをつけたらビックリ。
 その後のスポーツ・ニュースと試合前後の情報、僕個人の「コモン・センス(アドラー心理学用語)」で勝負じゃ。

「ルールだから仕方ないじゃん?」
 ボクシングの判定ルールには詳しくないのだけど、試合内容をそのルールに照らして見ると判定は、論理必然的な結果であったか?
 これは意見が分かれるところだけど、いろいろなブログや報道を見るとTBSに買われていないと思われる人、利害関係のない人は、ルールに基づいて「亀田の負け」と判定した人が多いようだ。その点ではガッツ石松が本当にガッツを見せてたね。
 仮に真っ二つに判定が別れたとすると、ルールそのものに恣意性が入る部分が大きいということだな。サッカーなんかの「疑惑の判定」は、後で見ると誤審とわかることが多いけど、ボクシングの場合は最後まで「心の問題(by小泉)」なんだということが国民にはよくわかったと思う。

 ところで、ボクシングを始め、武道・格闘技のルールとそれによる「勝利」とは何か?それは「強さ」を意味するメタファーに過ぎない、と僕は思う。つまり「強さ自体」ではない。ボクシングのテンカウント、柔道や空手の一本、みんなそうだ。各競技は、「生の肉体の真の戦い」を蜃気楼のように遠くどこかに眺めやりながら、目の前の「男同士の汗まみれ、組んずほぐれつ、殴り合いのゲーム」をその強さを意味するメタファーですよ、と見る者に訴えるのである。
 我々はそのメタファー解読のルールに同意することで、その競技の勝者の「強さ」に同意する。
 しかし、古来武道・格闘技の最強論争に見られるように、そう簡単に同意されることはむしろ少ない。
 競技空手の寸止め一本に、納得しなかったのがかの大山倍達率いる極真空手なのは有名だが、我が内家拳も同様。王樹金老師が、来日時数多くの挑戦者を圧倒したように、相手の突き蹴りが当たった(と思う)刹那から攻撃が始まるのだ。寸止めは勝利のメタファーではなく、ゲーム開始の合図なのだ。
 その意味で、格闘技や武道とは実は、麗しくも詩的言語なのである。

 今回もし、亀田勝利がルールに基づいた論理必然的な結果なら、全くそれは勝利のメタファーとして機能していなかったことになる。それを見ていた人々のほとんど(90%近いらしいね)が納得していないのだから。これはKー1や他の格闘技に比べて、致命的なことだ。これでいいの?協会さん?視聴率が取れたから、お金が入ったからいいか。
 それでも「ルールだから仕方ない」「これがボクシングだ」と競技内の「記号システム」に収まって開き直るなら、お好きにしてもらうしかないわな。

 今回国民が亀田戦にどうしてこれほど熱くなったのか、そして怒ったのかはそれ自体興味深い社会心理学的現象だけど、騙されつつ、騙され切れなかったことで怒りが増幅したというのがあるのかな。出来損ないのプロレスを見させられた、みたいな。
 マスコミがこしらえたアホみたいな「家族の物語」(あれは児童虐待ではないのか、というのが同僚の弁)とあのキャラ、試合までの報道の在り方、その全てが亀田勝利に向けて動いていたのは間違いがない。この「やらせ感覚」は多少のメディア・リテラシーがある人なら、みんな感じ取っていたと思う。
 僕自身は、もう社会や組織、政治の裏表も少しは認識できる年頃になってきたし、メディアの隅々にウィルスのように住みつくW大出であるので、何が起こっていたかは想像もつく。
 だから、結果は予想通り。

 大衆は小泉の大衆操作には、構造改革とかスローガンが抽象的な分コロッと騙され、まだ騙されていることに気づいていないけど、これはわかりやすいもんね。ボクシングという現象の何たるかが、少し露わになったことに反応したのかもしれません。

 そして亀田兄本人。これはコメントしようもないほど、まだ二流の動き、認識のレベル。あのキャラを演じきっているのなら逆にすごいけど。
 確かにいくらかは脱力しているけど、脱力の方向性が間違っているわな。大阪のワルってみんな、あんななの?大阪の児相は大変だねえ。
 昔のモハメド・アリぐらいの頭の切れがないと、ヒーローとしてちょっと困るよ。
 ま、やさしいセラピストとしては、まだ若い彼の可能性に少しだけチップを賭けときます。

 といわけで総合的に判定すると、ボクシングの将来と亀田君、ご家族の将来の幸せのために、8対2で亀田の負け。

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