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September 24, 2006

「センター・体軸・正中線」

「センター・体軸・正中線-自分の中の天才を呼びさます」ベースボールマガジン社

 高岡英夫氏の本はトレーニングの専門家向けの本から、ゆる体操の一般の方向けまでもう相当数ありますが、本書は最近の高岡学について学ぶなら基本図書といえるでしょう。本書の下巻になる「丹田・肚・スタマック」とセットになって取り組むと良いと思います。

 本書では身体意識とは何か、極意とは何か、その構造と身につけ方まで正確に、わかりやすく書かれています。

 本書の目的は、意識の世界が決してあやふやなものではなく、きちんとした論理構造を持ったものであることを理解していただくことです。それによって、身体と精神は身体意識を介して相互に浸透し合うものであることに気づいてほしいのです。そうなると、身体と精神は別のものであるという二元論が、身体と精神は明確な構造を持った身体意識というメカニズムを中央に置く、ひとつの巨大な力動的機能構造であるという、一元論に収斂していくことも期待できます。(はじめに)

 内容については当たっていただくとして、他の高岡本と重複するところは多々ありながら、曖昧さがなくとても丁寧な内容で、私にはよい復習になりました。彼の本を読むと、武術の稽古や学問への情熱が呼び覚まされます。

 氏が主宰する運動科学総合研究所から送られてくるニューズレターに氏のインタビューが載ってて、本書についてこんな風に言っています。

「この2冊の著作は、人類にとってデカルトの『方法序説』やニュートンの『プリンキピア』、ヘーゲル『精神現象学』、ソシュール『一般言語学講義』等のような位置づけの書物として、数百年を経ても、また歴史が続く限り遺る書籍であると、今でも私は書籍を眺めるたびに思うのです。この2冊はそのような期待感と確信のある著作です」

 すごい自信です。ほんとうにそうなのか、一ファンとして、生きている限り見守りたいと思います。

 確かに氏の斬新な身体意識学は、一般の学会等で認知されているわけではありません。まだ「まっとう」な人には理解不能の部分が多いでしょう。

 でも彼の影響は確実に社会に浸透しています。弟子だった齋藤孝氏はじめ表立って出さないけれど明らかにその影響が現れているのが散見されます。
 二年前だったか、トラウマのセラピーに関する動作法のワークショップに出たとき、割と高名な先生が「脱力していると、武蔵の剣というのがあって・・・」と軽く高岡氏の考えをさらっと言っているのを耳にしてびっくりしたことがあります。「おまえ、元ネタ言えよな」と内心思いましたが。おじさん、けっこうえぐいのも好きね。
 動作法をやる人なら感覚的にわかるかもしれませんね。

 精神科学の分野で、20世紀後半以降に現れた本当に時代を切り開くタイプの天才的・創造的な人としては、思想家グレゴリー・ベイトソン、トランスパーソナル心理学のケン・ウィルバー、そして高岡英夫氏がトップクラスであるというのが私の評価です。
 みんな在野の学者というところがおもしろいですね。

 武術やスポーツ、トレーニングを専門にする方、ゆる体操にはまった方、是非トライしてみて下さい。

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Tracked on October 10, 2006 at 07:35 AM

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