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October 14, 2006

「子どもを学校復帰させる方法」

「ガイドブック・子どもを学校復帰させる方法」河合伊六、ナカニシヤ出版

「させる」なんて思いっきり使役動詞ですが、不登校児を再登校まで持っていくにはどうすればいいか、行動療法的方法からわかりやすく述べた本です。

「登校刺激を控える」「見守る」「子どもの回復力を信じて待つ」「傷ついた子どもの心を癒そう」なんて「昔ながらの」助言しかしてこなかったカウンセラーにはビックリものでしょうね。

 私たちの取り組みは主として行動理論(学習理論とも言います)および認知理論の原理や技法に基づいています。そして、この方法で支援し指導すれば、子どもは学校に復帰できるという確かな手ごたえをつかんでいます。この本は、その考え方・取り組み方を紹介して皆さんのお役に立ちたいという願いから書かれたものです。

 著者は「子どもはほんとは学校に戻りたがっている」という前提に立って、具体的な実践例を出しています。
 確かに単に見守るだけのカウンセリングでは、不登校に対して大した成果を上げてこなかったのは歴史的事実でしょう。それを我々は評論家のごとく、学校や教育体制のせいにしたり、一見もっともらしい心理学的理屈でごまかしてはいけないと思います。

 具体的に何かを変えないと。
 本書は行動分析学を知っている人には、おなじみのやり方が載っています。「不登校問診票」や「登校行動計画表」は、参考になります。作ってみよう。

 ただ、治療目標の合意を取り付けることなく、「ホントは行きたがっているから」「登校させる」と発想することがホントに良いのかは気になるところです。
 ほとんどのケースはそれでよいとは思いますが。親のニーズに応える姿勢は大事だけど、子ども本人にどうその治療方針を伝え、合意を形成するかについてあまり書いていないので、実際に使ってみる段になって戸惑う援助者はいると思います。
 実践例を読むと、随分お母さんとコラボレイティブなやり取りをしているので好感を持てましたが。

 私は少なくとも「様子を見ましょう」とか「子どもの心に寄り添って」だけは言わないことをモットーにしています。

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Comments

過去に様子を見すぎてしまった・・・という経験のある私にとっては興味ある本の1冊です。アドラー心理学に出会うまでは、勇気づけもせず、ただただ、見守っていてしまったのは・・・・よろしくなかった!!と今は思っています。

Posted by: アドママ | October 14, 2006 at 08:30 AM

 アドママさん

 様子を見ることで少なくとも「害にならない」というメリットはあると思います。けして無駄ではないでしょうね。毒ガスを抜いたら、勇気づけという栄養が必要になるという感じかな。

 僕はアドラー心理学も行動療法も技法的には同じだなあと見ています。
 そこに気づいたアドママさんは、さすがだと思います。

Posted by: アド仙人 | October 14, 2006 at 10:28 AM

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