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November 17, 2006

「依存性パーソナリティー障害入門」

 「依存性パーソナリティー障害入門」矢幡洋,日本評論社

 以前取り上げた「危ない精神分析」で知った矢幡洋氏の著作です。
 世に人格障害といわれるものの種類は境界性とか解離性とか演技性とか数あれど、その中の一つ、「依存性」に焦点を当てたものです。

 本書では、依存性人格障害の事例の描写や臨床特徴やタイプの説明、対人関係学派、認知療法、短期療法など研究の歴史、それらに基づく治療法まで網羅されています。

 依存性人格障害の臨床特徴を本書からまとめると、「無力感を持ち、自身のなさ、控えめ、卑屈。服従的で責任放棄や他人の調子に合わせ過ぎ、無邪気だが視野が狭く内省や洞察を避ける、無能な自己イメージで自分を過小評価する、未成熟で他人に保護を求めたり保護されることを当然視する、対処能力が未発達」といったところがあります。

 考えてみると、これまで様々な名のついた人格障害の方(という言い方も変な気がするけど)とお会いしましたが、「依存性」とついた方はあまり記憶にありません。
 でも診断としてはいわれていないけれど、あの方がそうかな、そういえるかな、というのはありますが。

 私の場合そういう「名」のついた人というより、子どもの親や家族としてお会いすることが多いし、印象に残るのは攻撃的だったり、劇的な振る舞いをするタイプだからかもしれません。やはり手こずったりしますからね。
 医療畑だと割とよく会うのかしら。

 アドラー心理学では、人格障害も病理として固定的にはとらえませんが、その人のライフスタイルのパターンを理解するための仮称として「ニックネーム」をつけることがあります。
 依存性の強い上記の特徴のある人は、「ベイビー」とか「ゲッター」とすることが多いでしょうね。

 著者もいうとおり、日本は「甘えの国」だから、「自立」に価値を持つ欧米と違って、依存性が問題として顕在化しにくいことも確かにありそうです。
 著者は、依存性が日本人を理解する鍵概念であることは認識していますが、それにはかの有名な土居健郎の精神分析学的な「甘えの構造」より、最近の研究者たちの理論の方が正確な理解に資するのではないかと主張しています。

 また、依存性人格障害は、普通の人と隔絶した「異常な」存在ではけしてなく、依存の度合いが普通の人から極端な人まで、地続きに連続的につながっているものと考えています。簡単にいうと「程度の問題」っていうやつです。

 それは確かにそうかもしれませんね。

 改めて、ああこういうタイプもいるんだ、いたなあと再確認させていただきました。

 私も優しいお姉さんに甘えたい・・・。

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