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December 14, 2006

「太極拳と呼吸の科学」

 長年太極拳に取り組んでますが、最近ますますいいものだなあと感じています。
 先ず、この身一つでできるのがいい。おしゃれもスタイルも関係ない気軽さがあります。動き終わった後の心身の気分の心地よさは独特で、他の運動にはないものです。
 また年を取ってからも上達感を味わえ、強くなる技の向上は限りないのがいいですね。

 しかし、自分自身は太極拳には健康、護身に確かに効果があると確信はしていても、それを人にどのように説明すればよいのか途方にくれることもありました。
「陰陽五行」とか「気の理論」なんて大仰にいってもわかりにくいし、今時の科学的思考にフィットして納得させるものが必要な時代であります。

 その点、「太極拳と呼吸の科学」楊進、雨宮隆太、橋逸郎著、ベースボールマガジン社は、大いに参考になりました。

 楊氏は、日本ではかなり普及している楊名時太極拳を創った楊名時氏の息子さん、若い頃王樹金老師より形意拳を学んだというから、そこは私と兄弟弟子に当たるようです。      
 雨宮氏は医師で、太極拳や空手をやりつつ、茨城県中央病院地域がんセンター長で茨城大学教授、杏林大学客員教授、医学博士だそうです。
 橋氏は社会福祉論、セラピー論がご専門で中部学院大学にお勤めとか。
 つまり武術家と科学者がコラボレートしてできたのが本書ということです。

 そのため本書は太極拳の理論と医学的見地をしっかりと照合させて、太極拳の本質を解析しています。
 特に呼吸とそれに連動する筋肉、脊髄のメカニズムの説明は詳細でとても参考になりました。
 中でも、スポーツ科学の最近の知見を太極拳が既に昔から取り入れていた先見性と、来るべき高齢化社会の中での有用性を説くところは大いに納得できました。

 例えば、太極拳の深い呼吸によって横隔膜、腸腰筋、大殿筋、ハムストリングズを働かせること、心の安定化に関わるセロトニン神経の活性化になるということがあるようです。
 太極拳のユニークなのは、他のスポーツや武道と違って、徹底的に副交感神経優位のスポーツ、運動だというところです。その意味が医学的に裏付けられていきます。

 また、コアストレッチ理論、エキセントリック収縮といった近年スポーツ界や健康法で注目されているものが、太極拳の運動の中には既に豊富に含まれていることが、明快に説かれています。

 なかなか情報が豊富で、とても勉強になりました。
 しばらく本書を参考に記事を書かせていただこうかな(ネタがまた増えた)。
 

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Tracked on December 17, 2006 at 08:20 AM

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