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January 21, 2007

「妖怪セラピー」

 この一週間は風邪気味で良くなったり悪くなったりで、いまいち気力が湧かなかったな。

 そういうわけで軽く本の紹介など。以前ちょっと取り上げた本です。妖怪セラピー

「ゲゲゲの鬼太郎」に親しんだ僕の世代には、思わず目を引かれてしまいますね。

 妖怪を召喚してそれで心の病を治してしまおうなんて、とってもシャーマニスティックで面白そうですが、そこまでマジに妖怪や幽霊を信じて心理療法するわけではありません。
 最近流行のスピリチュアル・セラピーではないのですね。

 ナラティヴ・セラピーの発想を使ったセルフ・ヘルプの本ということなんですね。自分の問題や悩みに妖怪の名前を与えることで、対象化して扱いやすくして(外在化といいます)いこうという考え方です。

 問題や悩みにヌリカベとかムジナとか名前を付けて(自分で作っても可)、それを「妖怪出没シート」「妖怪を渡り合うシート」などに書きながら、自分と悩みとの付き合い方を点検し、それに変わる新しいストーリーを作っていこうとするようです。

 それまで自分の中にあった問題中心の「支配的な物語」を、問題がない、あるいは問題にうまく対処できたような「もう一つの物語」に書き換えていこうとするのですね。

 妖しいもの大好き人間の僕としては、日本古来の妖怪を使うなんておもしろい視点だと思いました。ただ、実際にやってみるとどのくらい役に立つのか、妖怪にある程度シンパシーがないと難しいかな。若い子にはどうでしょう。
 使用に当たっては創造性と遊び心が要るところですね。

 本書前半の、ナラティブ・セラピーの背景にある社会構築主義の思想の説明もコンパクトでわかりやすかったです。

 著者はペンネームを使ってますが社会学者のようで、心理臨床家中心の日本のナラティヴ・セラピーには社会性の視点が乏しいと批判していて、もっともだと思いました。

 専門性批判、「特権化された知識、文化の影響にイチャモンをつける」「自分の知識に批判的なスタンスを取る」「知識のヒエラルキーを転覆させる」といったところがこのナラティヴ・ムーブメントの最も良いところだと思います。

 

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