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February 06, 2007

「家族の練習問題」

 児童相談所の大先輩で家族療法の達人にして漫画家、団士郎氏によるエッセイです。

 「家族の練習問題-木陰の物語-」団士郎著,ホンブロック

 児相での面接場面や日々の生活で出会った様々な子どもと家族の風景をお得意のマンガと独特の間のある文章で描いていきます。
 コンパクトで文字も少なく、すぐに読み(見)通せます。

 中身は、この手の臨床心理学ものや家族ものにありがちな予定調和的な「いい話」は少なく、むしろほろ苦く、じっと佇むようなエピソードが多いのですが、なぜか心が和みます。

 きっと著者の団さんの心理療法家、漫画家としての暖かい目が注がれているからでしょう。芸達者の関西系臨床家の面目躍如といったところでしょうか。
 でも理想や学問的建前は抜きの、現場向き、リアリストの目でもあり、けして甘く流れず、厳しい福祉の現場に携わった者として、じっと社会の矛盾を抱え続けようとする強い意思も感じます。

 どの話も面白かったのですが、特に私には、一時保護所を無断外出する男の子の話が、児相職員なら必ずどこかで経験しているようなことばかりで身につまされましたよ。

 家族臨床をする、あるいは目指す方なら仕事や勉強の合間にそっと読むのもいいんじゃないでしょうか。
 もちろん、一般の方も家族について考えるきっかけになる良い本と思います。

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