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March 10, 2007

「性格は変わる、変えられる」

「性格は変わる、変えられる-多面性格と性格変容の心理学」渡邊芳之,佐藤達哉著,自由国民社

 性格アセスメントの専門家の顔を持つ自分としては、捨ててはおけない書です。

 といっても全面的に内容に賛成。以前同じ著者たちの「モード性格論」で紹介したのとほぼ同じですが、より一般の方向けなので、かえって実践的でわかりやすいです。

 性格は意外によく変わる、時間的に変わるのを性格変容、空間的、場面的に変わるのを多面性格と呼んで、それは複雑な現代社会に適応するのに大切な能力と評価しています。
 性格は安定していて、揺るぎない方が良いとするこれまでの価値観をひっくり返しています。

 私たちが日ごろ、「人の性格は変わらない」と信じていることのかなりの部分は、観察場面の制約や、自己一貫性の影響による錯覚によるものです。
 前にも述べたように、確かに客観的にみても人の性格がしばらくのあいだ変化しないことはよくあることです。しかし、そうした性格の安定性は周囲の環境の安定性や、過去の環境の影響による環境の意味の安定性にもとづいており、周囲の環境が大きく変化すれば、そうした安定性は消え、性格は変化していきます。
 このことは、性格は環境によって作られ、環境によって変化していくものだ、というひとつの真実を示しています。性格はやはり変化するものなのです。

 行動分析学の立場から、環境が性格を作る、だからこそ徹底的に環境に働きかけようと、性格を変えるための発想やテクニックを説明しています。
 内面とか無意識とかウェットな言葉に引きずられずに、建設的にセラピーをする発想としても大事なことですね。

 行動科学を字面通り取ると、人間は環境の奴隷みたいに見えるけど、逆に人間が思い通りに変われる可能性を高めるものだと思います。
 ただ、行動科学者は正面から言わない(客観的科学主義だからいえないのか)、そういう変える決断をする主体性というものがかえって意味を持ってくるのだと思います。

 それから本書では性格テストの限界と、それを例えば企業の採用試験に使うことの愚を主張しています。
 全くですね。私も最近は児童の心理診断にめっきり性格テストを使うことが減りました。

 振り返って私自身は性格が変わったな、と思えるのは小学校6年生と中学3年生、大学に入ってから、そして社会人になった20代半ばかな。よく変わっているな。
 それぞれいろいろきっかけはあったけど、20代のはアドラー心理学を学んだためですね。すっかり悩まなくなった、というか困ったときに陰性感情を使うことがめっきり減りました。自分が変われたのだから要領がわかっているので、今度はそれを使って人を変えようとしているわけですね、現在は。

 性格の心理学にロマンを持っている人には向かないでしょうけど、明るく性格を変えていきたい人にはお勧めです。

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Comments

先生、こんにちは!!!
先日は、武術の映像が載せてあった記事について
コメントさせて頂いたのだけれど、
うまく飛ばなかったみたいで、すっごくショックでした(笑。
なので、今日はあらためて、
こちらの記事にコメントさせて頂きます。(*∩∩*)v
今度は先生に届くと良いな。
というのも、私はいま、人間の性格というものに、
ちょっと興味を持っているのですね。

アドラーもミルトン・H・エリクソンも、
人間をカテゴライズするような理論や行為には、
消極的(というか、否定的?)な立場をとっていらしたみたいな雰囲気なので、
けっこう複雑な気持ちですけど。。

でも、性格は変えられるって素敵ですよね。
たしか野田俊作先生の書籍(トーキングセミナー)には、
むしろ私たちは、性格を維持しようとしているから、
それは変わらないように思えるのだ、
みたいなことが書かれていたように思います。
やはり、感情と同じように、
性格というのも、私たち個人が目的を達成するために選択してきた、
道具というか、戦略的な側面があるのかなぁ。
パパやママの顔色を見ながら生きるしかない小さな子どもに、
「その性格は、君自身が選択したことだ」というのも、
ちょっと酷なような気がするけれど。。
でも、責任と表裏にある自律や自由へ至るには、
「それでも、私は私が作るんだ」
と自分に宣言するところから始まるのかも、とも思います。
ただ、それが子どもの頃の私にできたかは、正直分かりません。。
生きるって大変なんですね;;

それから、私も最近、
先生がこちらのブログでご紹介して下さった
『現代に生きるアドラー心理学』
という本で、一緒懸命お勉強しています!
正直言って、めちゃムズカシイです。。( ̄ii ̄)ハナヂ
私にはちょっと早かったかな。

でも、頑張りますね。(`・ω・´) /
それに、アドラー派にも、「ゲッター」とか「ベイビー」とかいう
独自の性格論?があることも最近知りました。
「あ、こういう子いるいる」って思わず声を出してしまいました(笑。
もちろん、まるで私のことを言っているようなやつもあったけれど、
悔しいので、それは秘密ですv

それにしても、太極拳の映像は怖かった!!
男の人、飛ばされすぎーって感じです。大丈夫なんでしょうか。
「外剛内柔」の意味が、
ちょっぴり分かったような気がしましたよ、ええ;;
先生も、怪我だけにはくれぐれもご注意なさって下さいね><;

Posted by: 未来 | March 11, 2007 08:18 PM

 未来さん、こんにちは

 性格論は実は私も好きですよ(^^)。やっぱり心理学を学ぶにはその辺からが入りやすいし楽しいですよね。
 結局言葉で人の行動を説明する以上、ある程度類型化するのは仕方ないと思います。

 一方でアドラーやM.エリクソンが言うのも、もっともだと思います。
 アドラー心理学では性格に相当するのをライフスタイルといい、性格類型もニックネームと呼びます。
 わざわざ人格心理学と違う言い方をするのは、あくまでそれは便宜的なのと、対人関係のコンテキストによって変わりうるというニュアンスを出したいのだと思っています。

「現代に生きるアドラー心理学」のニックネームの説明のところ、面白かったですね。確かにうまく描写していて、「こんなやつ、いるいる!」と私も思ってしまいましたよ。
 ちょっとタフな本かもしれませんが、頑張って下さい。

 それから、太極拳の真の姿の一端をご理解して下さってありがとうございます。
 そうなんです、一見してはわからないですけど、柔らかい動きからいきなり大砲のような力を出すのです。けしていかさまではなく、合理的で無駄のない動きをしているからできることなのですね。

 私も生徒に対してはあんな感じですけど、さらに上級者とやるときは逆に叩きつけられています(>_<)。
 未来さんも心配して下さっているので、怪我には気をつけて、クライエントさんにも迷惑かけないように頑張っていきたいと思います。
 ありがとう。

Posted by: アド仙人 | March 12, 2007 12:05 AM

>困ったときに陰性感情を使わなくなった。
納得です(笑)
うち自身もそういう意味で、「はまる」回数は減りました。
「感情はコントロールできる」っていうあたりも、「性格を変えることができる」と似た感じなのでしょうね。

アドラーでいうところの、「目的」を見据えれば、見えてくることはたくさんあるのでしょうから(^^)

Posted by: meiya | March 12, 2007 03:06 PM

 meiyaさんもそうでしたか!

 まさに以前は「はまる」時があって、そういう時はどうしようもなく感じていたのが、アドラー心理学を知ってからは自分の感情のスイッチを相手から取り戻したかのようになりますね。

 もちろん完璧ではありません。強気の女性にはスイッチを握られっぱなしです(苦笑)。

>「感情はコントロールできる」っていうあたりも、「性格を変えることができる」と似た感じなのでしょうね。

 そう思います。
 実際は感情の使い方が変わるだけで、一般には(心理学者の目にも)性格が変わったという評価になるのかもしれませんね。
 

 

Posted by: アド仙人 | March 12, 2007 10:24 PM

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Tracked on March 11, 2007 03:11 PM

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