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March 24, 2007

「奪われる日本」

 関岡英之「奪われる日本」講談社現代新書

 「拒否できない日本」等で米国の年次改革要望書に操作され翻弄される日本を暴いた著者です。
 昨年出た本ですが、小泉内閣のなした「悪事」を特に郵政解散、総選挙のあった1995年からの動向に焦点を当てています。

 後世、史家たちは2005年という年を、日本がアメリカの完全属国支配化する端緒となった分水嶺として、私たち平成日本人の怯懦にに呪詛を浴びせながら、後々まで子孫たちに語り継いでいくだろう。
 2005年になにが起こったか。国会で三つの重要法案が成立した。会社法、改正独占禁止法、そして郵政民営化関連法案である。

 会社法で日本の名だたる企業をアメリカの巨大企業が買収し、完全子会社することができるようになり、改正独禁法で強大な捜査権限を与えられた公正取引委員会が日本企業を弱体化させ、郵政民営化で一兆ドルにのぼる簡易保険をアメリカ系保険会社に「市場」として解放する工程を作ったわけです。

 そのいずれもが、アメリカ政府が長年、日本政府に圧力を加えて実現を迫ってきた要求事項であり、アメリカが日本の国富を収奪しつくすことを可能にするためのお膳立てであった。

 著者こそは真の愛国派といえます。政治家やマスコミ、御用学者、評論家、コメンテーターたちが黙して語らない、知らない振りをしていた「真実」を暴いた功績は実に大きいと思います。

 外資に買収されてなにが悪い、アメリカに迎合してどこがいけない、と開き直っているうちに、日本人はいつしかカネと権力に盲従することを、浅ましいとも、見苦しいとも、感じなくなった。そういう感受性が鈍くなった。
 いまやアメリカを前にすると、思わず追従笑いが浮かんでしまうような、卑屈な植民地根性が習い性となっていはしないか。

 アメリカの次のターゲットのひとつ、医療制度改革が直接的には私の生活や仕事に影響を与えそうです。
 日本の医療は本当は一人当たりの医療費でも、総医療費の対GDP比でもアメリカよりずっと安く、アメリカは世界一高いといいます。
「市場経済」のアメリカの医療システムの方が断然高いのに、何でそっちに合わせなくてはならないのか。
 答えは簡単。アメリカ民間医療保険会社の「市場」を作るため。

「米国で病気に罹ることは人生の破局」になりかねないのにね。

 また本書では、簡易保険、医療保険に続くアメリカの第三のターゲットは、共済だといっています

 本書で提起するような「大きな枠組み」の中で、福祉や心理臨床の世界がどう動いているか、を見極めることが肝要だと思います。

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