能登に派遣
先週末から石川県の奥能登にいました。
石川県能登半島地震の被災地域に「子どものこころのケアチーム」の本県チームの一員としてなぜか選ばれ、派遣されたのです。
私たちの班は、精神科医、看護師、保健師、行政マン、そして心理の私の5人でした。
車を走らせること奥能登まで7時間半。けっこう遠い。
石川県からの要請に基づいて、震災直後から大人の心のケアチームと子どものチームが各県がリレー方式で交代して、併行しながら、各々の活動をしていました。私たちが行った時期には、大人の方は新潟県チームでした。
現地では地震のため全壊、半壊状態の痛ましい家屋をたくさん見ました。
仕事は被害のあった地域を中心に各市町村の保育所、幼稚園を巡って、災害時の子どもの心のケアについて説明、啓発することと、地震発生時から現在までの子どもや家族、職員の方たちの状況を聞き取ることで、必要な場合は治療につなげることでした。
私たちは訪問先で、用意されていたリーフレットをお渡しし、読みながら、
「災害時には子どもは様々な反応を表します。
夜泣き、眠れない、赤ちゃん返り、一人になるのを恐がる、落ち着きがなくなる、災害に関連した遊びを繰り返す・・・。
しかしこれらは正常な反応です。
この正常な反応を異常な症状、行動(いわゆるPTSD)として長期化、遷延化させないことが最も大事なことです。
それには三つのキーワード、安心、安全、安眠を心に留めて子どもに関わることが何より大切です・・・」
などといった話を方々でしてきました。
これは、トラウマという概念が曖昧な形で普及拡大している昨今、とても大切な活動だと思いました。
幸いにして人的被害は比較的少なく、子どもたちも余震などで一時的には反応を表すこともありましたが、じきに解消したようです。地震ごっこをしていた子どもたちは、折からの統一地方選で今は選挙ごっこに変わったとか。
保育の先生方も見知らぬ我々の話を熱心に聞いてくれ、きっと震災時のみならず日頃の対応も適切だったのがうかがえました。
巡回した限りは、問題化した事例には出会いませんでした。
地震は日曜日に家族と一緒にいる時間で起こったこと、家族や地域コミュニティーが比較的しっかりとした地域であったことが大きかったのではないかと思われました。
ほんとに、地震さえなければ、奥能登は、何日もゆったりと過ごしたいなあと思える豊かな景色でしたね。良い意味で田舎であることが、都市災害みたいにならないですんだのかもしれません。
しかし、スケジュール上、私たちは避難所の方には今回関われませんでしたが、高齢化率が40%近くとかなり高い地域なので、今後の生活の立て直しが難しい場合もありそうです。
これを機に大勢の人が外に流出してしまったりすると、今後さらに高齢化、過疎化が進むことが懸念されるという話も現地スタッフから聞きました。
一日も早い復興を祈りつつ、予定を全部消化して私たちは能登を去りました。
今回は、いつ大地震が起きてもおかしくない土地の上に済む私にとっても有意義な活動でしたし、石川の人々の力にも感銘を受けました(お世話になった心のケアチームのリーダー格の医師、PSWさんの存在感も印象的でした)。
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