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September 21, 2007

「街場の中国論」

 中国武術に取り組んでもう20年あまり、その魅力に取り憑かれて、なお飽きず、学ぶ意欲は尽きない自分ですから、おそらく一般の日本人より中国が好きな方でしょう。

 大学の第2外国語も中国語でした、普通心理学を専門にやるならドイツ語かフランス語でしょう。だから今もフロイトもアドラーもラカンもピアジェも原書では読めません。せいぜい英語だけ。得意なのは日本語のみ、当たり前か。

 私の中国好きは多分、昔のNHKのシルクロード番組からではないかな。石坂浩二のナレーションと広大な中国の光景に行ったこともないのに、10歳前後の私はなぜか強い郷愁を感じたのでした(前世の記憶か?)。

 だからといって今や中国についてホントに詳しくて大好きかといえば、全くそうでもないのです。中華料理も好きけど、そればかりでは飽きるし、作るのもそんなに上手くありません。
 三国志と世界史教科書レベルの知識があるだけ、武術以外の中国文化についてほとんど知らないのですね。住みたいとも、行きたいわけでもないし、特に中国人の友達もいません。

 基本の趣味も嗜好も、確かに骨の髄まで日本人ではあります。

 昨今の急激な経済発展には、おそらく一般の方と同様、戸惑いと不安もあります。しかし、ブッシュのアメリカに追随は絶対に日本破滅への道とも信じてもいて、現にその兆しを感じられます(アメリカ発金融恐慌の空気が漂ってきましたね)。

 やはり副島隆彦先生がおっしゃるとおり、「アジア人同士、戦わず」をモットーにすべきでしょう。

 それには中国のことをもっと知らないと・・・。孫子じゃないけど、「敵を知り、己を知れば・・・」の心持ち、さらにはアドラーのいう「相手の目で見、耳で聞き・・・」の共感的態度がお互い必要ではないでしょうか。

 そこへ内田樹先生の「街場の中国論」はとてもおもしろくて、啓発されました。中国問題の素人が、「常識」(おそらくアドラーでいうコモン・センス的態度)で中国人の考え方、認知スタイルに近づこうという面白い試みです。

 歴史認識、領土問題と中華思想、文化大革命、環境問題、台湾問題、愛国教育など、ナショナリストがつい熱くなりがちな喫緊の課題に対してとても冷めてて、問題設定の次元をひとつ高くして論じておられ、内田先生特有の冴えを感じます。

 僕自身が隣国との外交関係に対してわりと楽観的でいられるのは、先ほども言ったように、中国にも韓国にも「僕と同じように考える人」がいて、「うちのナショナリストにも困ったもんだよね」とため息をついている・・・という想像をするからです。・・・・(中略)・・・・
 でも、どこの国にも愛国的熱狂のさなかに涼しい顔をして「まあ、少し落ち着いて考えなさいよ」という人は必ずいます。いると信じたい。どの隣国にも必ずいるはずの、そういう「まっとうな人」たちとネットワークすること。国境の両側でナショナリストたちがもたらす災厄を先送りし、最小化するためにできる最良のことは、国境を越えた「大人のネット」を構築することだと僕は思っています。

 そのネットの仲間入りをしたいものです。

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