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September 10, 2007

武道を学んで立派な大人に?

 少し前のニュースで、中央教育審議会で中学生に武道を学ぶことを必修することを勧めたとか。
 2011年度から、女子にも必修になるようですね。

 何やらせるんだろう。どうせ柔道と剣道ぐらいだろうな。食いっぱぐれた柔道家や町の剣道家のアルバイトになるのかしら。
 どうせ日本の伝統とかいって、国威発揚、愛国心教育の一環だろうから、中国武術にはお声がかからないだろうな。

 むしろ敵役になりそうな・・・。

 空手はどうするんだろう。あれは「日本古来」ではないぞ。スポーツ空手なんてもってのほかじゃないか。
 プチ・ポチ右翼の仮想敵中国の伝来、侵略者の薩摩や米国と徒手空拳闘った琉球空手なら、ゲリラ戦の教育によいかも。是非取り入れるべきだな。

 私の記憶では、柔道を高校の体育でちょこっとやったけど、どうだったかなあ。剣道より体術に興味がある体質なので、子どもの頃から柔道的なものをやりたいなあと思っていたから、柔道の授業は少し面白かった。友達と巴投げをしたのをよく覚えています。

 少しというのは、もう高校生の頃から合気道をやっていて、何となくスポーツ化した武道というものに違和感もあったからですね。

 そこで中教審の答申に、異議を唱えたのが内田樹先生(小林秀雄賞受賞おめでとうございます!)。武道の必修化について
 僭越ながら、私が日頃武道のあり方に感じていたことを、見事に要約してくれているので一読をお勧めします。

日本の武道は近代において二度、決定的な「断絶」を経験している。
一度目は明治維新、二度目は敗戦である。
明治維新によって戦国時代以来の伝統的な身体文化の大半は消滅した。

 そうなのです。ごく一部の武道や身体論に詳しい人ならみんな知っていたり感じてきた「事実」です。

 その一度目の復活は戦前までの「愛国イデオロギーに強化された殺傷技術」として、であり、二度目の復活は戦後の「スポーツ」として、でありました。
 いやいや中学生に柔道や剣道をやらせても、中教審がいうほどに「日本の伝統」とは何の関係もないのです。
 いじめられ子が腕ひしぎをされるくらいが関の山でしょう。

 そこへいくと中国武術は、アホみたいに骨抜きにされ、スポーツ化されている某太極拳巨大団体もあるけれど、ひたすら歴史の「核」を守り抜いた流れも確かに存在します。
 したたかな連中だから、権力に見せる顔と、ホントの姿をきっちり分けたりしています。
 その辺は、全体としてはかなり重層的かもしれません
 大陸だけでなく、華僑などで世界的に伏流水のように広がっているものもあるようだし。

 私ごときには、中国武術の全体像はとても見渡せない。

 私の老師の老師も天津の人でしたが、中共を逃れて台湾に渡り、はるばる日本に伝えてくれたのでした。めちゃくちゃ保守的な流派です。
 でもそこがいいんだな。
 変に「近代科学的解釈」が入っているものじゃなくて、昔日の中国人が学んだ通りに、その言葉、イメージで学ぶのが、なんかフィールド・ワークじゃないけど面白い。カルロス・カスタネダか中沢新一みたいにね。 

 どうせ教えるなら、武道枠で日本の古武術と、太極拳の推手、カポイエラ、サンボなど世界中の身体文化を知る機会を与えた方が面白いかも。

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