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December 25, 2007

「中国雑話・中国的思想」

 「中国雑話・中国的思想」酒見賢一,文春新書

 中国文化のおもしろさ、魅力を知るには格好の入門書です。

 前半ではやはり三国志が取り上げられ、私も薄々感じていたけど、劉備はどう考えても無定見でいい加減な人物であることが指摘されたり、なぜか怨霊から最高神にまで格上げされ中国人に最も慕われている関羽に中国人の思考の不思議さが現れていると論じられているのが面白かった。

 また私のハンドルネームにもありますが、中国史において頻繁に登場する「仙人」の存在の不思議さやユニークさ、また今だ世界に大きな影響を与え続けている中国思想の代表格、易や孫子の解説も興味深かったです。

 何より本書の半分近くを中国武術の解説に当てているところが素晴らしい。一般向けの新書できちんと中国武術が取り上げられるのは初めてではないでしょうか。

 しかもいきなり「形意拳と八卦掌」から始まります。
 郭雲深や李存義、孫禄堂といった伝説の達人の話が次々と登場して、マニアックでいいね。

 その後にポピュラーな太極拳の解説が続き、そして最後の一章に中国武術、いや古今東西あらゆる武道・格闘技の中でも最強にして最も前衛的な武術家・王向斎が登場します。

 私がやっている武術の直接の系統に当たる老師たちが何人も出ているのが嬉しい。

 元ネタは中国武術研究家の笠尾恭二氏の著作からのようで、私のように多少知っている者からは見ると、どっかで聞いた話ばかりなのですが、中国に関心のある一般の人にもわかってもらえるように、実に上手にまとめています。

 さすがプロの小説家です。「墨攻」を書いた人なんだね。

 本書から、中国武術を理解し、その門を叩く人が少しでも増えてくれたら嬉しく思います。

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