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December 08, 2007

「ドル覇権の崩壊」

 いつも自分が面白いと思った本を紹介していますが、一応アフィリエイトしてまして、めったにないのですが、アドラー心理学や太極拳の本など時々お買いあげいただくことがあります。
 ほんとにありがとうございます。

 これからもある種「マニアック」にいきたいと思います。

 私にとって今年の政治経済本のトップは、「ドル覇権の崩壊-静かに恐慌化する世界」副島隆彦著,徳間書店

 本書はビジネス書として今年半ばにベストセラーになりましたが、7月に発行されたものなのですね。冒頭で副島氏はこう言い切ります。

 金融の本で一番大切なことは、近い将来の景気(経済の動き)を予測して確実に当てることである。
 これからの①金利(お金の値段)と②為替(ドルと円、あるいはユーロと円、その他の主要通貨との交換の値段、③通貨供給量(マネーサプライ)、④株式、債権(国債)の市場の動き、⑤金と、⑥石油の値段の動きをはっきりと書くことである。

 そしてその発表直後の8月以降の経済の動きを見れば一目瞭然、今や社会常識、サブプライムローン問題に端を発する株安、ドル安、原油高騰、金の値上がり等をピタピタッと当てて世間を「さすが副島」とうならせました(と思う)。
 事態がハッキリした状況になって、「実は私もそう思っていた」と言い出す輩は多いのですが、明確に予測し、現実の検証を受けることが、こういう社会評論は最も大事なのだと思います。大体後付け、権威づけばかりが多いからね。
 僕は「さすが。やっぱりこの人は天才や」と、数年氏を追いかけていた自分の眼力に改めて自信を持ちましたね。

 著者のあくの強さに好き嫌いはあるらしいけど、私は何よりこの人の「気」の入った文章は好きです。主張に逃げがない。

 別に投機もしていないし守るべき資産もない自分には、為替や金利がどうのというのはあまり実感はないのですが、特に面白かったのは、第2章「世界はこうしてドルに騙された」で、世界がドルに支配されていく仕組みを政治や歴史の裏話を暴露しながらを解説しているところ。

 現代社会の大きな仕組みを知るには必読ですよ。

 デイビッド・ロックフェラーの石油・金融帝国は、ドル暴落そしてドル覇権の崩壊、終焉とともに崩れ去ってゆくであろう。そのあとに、私たち人類の理想の社会が訪れるか。と言うとそういうわけではなく、また新しい次の支配体制(世界支配秩序)ができあがってゆくだけだろう。しかしそれでも迫り来るドル暴落を正しく予測し、予定し、そして正しく対策を立てて、それに冷静に対処することができるなら、私たちはささやかな勝利の道を歩んでゆくことができる。本書が真に賢明な読者諸氏にとってのその導きの書となることを願ってやまない。

 今ドルが崩壊して、アメリカが衰退しようとしている。そのときに日本は、私たちの生活はどうなるのか、本書は非常に示唆に富んでいます。

 覇権国アメリカの衰退は、経済や政治だけでなくあらゆる領域に影響を与えるでしょう。
 私のいる臨床心理学や精神医学の領域も「色」が変わるかもしれません。
 今の診断基準から治療方法まで全てがアメリカ一辺倒から、多極的、多様な動きが始まるかもしれません。

 ヨーロッパに臨床心理の覇権が移るのかもしれないし、最近の心理臨床界における臨床動作法の静かなブーム(と私は感じている)はアメリカ流への反発、離れの兆しと見ています。

 本書では次の覇権国は中国と断言しています。既に既定路線とか。
 日本にしてみたらご主人様がアメリカからその前に戻っただけともいえますが。

 とすると中国が臨床心理学のご主人様に?そんなバカな、あんな人権無視の後進国が、と思う方も多いでしょう。私もそう思いたい。

 しかし、変わるときは変わるものです。かの国は、付和雷同型の我が国と違って、天才奇才の宝庫でもあります。

 行動主義は別として、実は臨床心理学は元々東洋の知恵を横目に見ながら自らを作ってきたところがあります。
 ユングにとっての道教、人間性心理学やトランスパーソナル心理学と禅やチベット仏教、家族療法の理論的基盤ダブルバインドなどのベイトソンのコミュニケーション論は臨済禅、マインドフルネスを取り入れた認知行動療法への南伝仏教の影響、いろいろなリラクセーション技法は明らかにヨガや太極拳・気功法が入っています。
 そういえば、ブリーフセラピーの実践上の支柱だったインスー・キム・バーグは韓国系だったな。

 将来は中国人のワークショップを受けることになるかも。

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