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February 20, 2008

森田療法を学ぶ

 君は森田療法を知っているか?

 日本発の心理療法として、世界にその名を知られているにも関わらず、実際にその姿を正確に知る心理臨床家はほとんどいないといってもいいでしょう。

 森田神経質、絶対臥褥、作業・・・。

 次々に生まれる新しい心理療法のモードの中で、古色蒼然とした時代遅れの治療法?

 否、全くそれは違います。今までも森田療法は実践的治療法として確実に生きてきたし、これからも光り続ける力があるのです。
 そう確信した2日間を過ごしました。

 2/16,17とヒューマン・ギルドで行われた「アドラー心理学をパワーアップする、森田療法とブリーフセラピーを用いて」に参加してきました。

 講師は札幌の大通公園メンタルクリニック院長の山田秀世先生。気鋭の精神科医として、森田療法を実践したデイケアを開いています。
 森田療法だけでなく、アドラー心理学とブリーフセラピーを日本への導入期から学び続けて、統合的に使いこなしている人です。

 今回は何かと「盗まれ上手」なアドラー心理学と森田療法を、最新の心理療法から逆照射し、パワーアップと新たな発信をしていこうという意欲に満ちた企画でした。

 しかしそんな「固い」テーマを秘めながら、先生は和歌山生まれの関西人で、日本笑い学会にも入っていてる笑い好き、笑わせ好きであります。もう聴いていると、絶え間なく奔放にギャグを繰り出してくる破格の講義でした。

 いや、笑った笑った。

 こんなお医者さんはめったにいない。

 さて、私が理解した範囲で森田療法について、です。

 森田療法は森田正馬(1874~1938)という精神科医が、学生時代の自らのノイローゼを克服する体験から開発したものだそうです。
 アドラー(1870~1937)とほとんど同時代に生きた人です。

 そしてこの講座では、もう一人の天才も取り上げていました。臨床催眠の革命児ミルトン・エリクソン(1901~1980)です。

 この希有な実践的才能を持つ3人には、世界観や人間観、臨床論、技術において、非常に多くの重要な共通点があるといいます。

 例えば「解決の構成」「内外リソースの活用」「逆説の利用」「リフレイミング(肯定的枠組みの転換)」「隠喩や間接表現、喩え話」など、具体的に挙げて説明してくれました。
 それらは、以前から私も「アドラー心理学とブリーフセラピーやエリクソニアン・アプローチってやたら似ているなあ」と思っていたこととピッタリ重なりました。

 先生が教えてくれた森田療法の公理ともいえる4つのキーワード、それは

1.事実唯真:科学的、実践的に事実、実際を重視する態度
2.欲望と不安の両面観:不安と欲望は表裏一体という視点
3.あるがまま:放念(あきらめるべきを積極的に見限る)、着手(手を出すべきことにスッと手を出す)、観照(あるがままの当たり前の事実をひとつひとつ検証する)
.「純な心」を陶冶する:みつめる、なりきる、感じを高める

 おそらくこれらから、森田療法の実際が組み立てられ、神経症圏だけでなく様々な応用への道が開かれるのだと思いました。

 使われる語いや言葉使いがちょっとレトロだけど、それが今の翻訳中心の心理学用語にない含蓄を生んでいると感じました。

 先生もおっしゃてたけど、森田療法特有の「あるがまま」は、ロジャーズ的な「受容」ともちょっとニュアンスが違い、東洋の精神観につながるもので、昨今認知療法でのトピックでもあるマインドフルネスにも通じる発想でもあります。

 一つ一つ学んだことをご紹介したいのですが、まだ森田療法を十分に理解したわけではないので、本ブログでは、わかったことをアドラー心理学などと対照させながら少しずつお話ししていけたらと思います(時間はかかると思いますが)。

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Comments

1日目の懇親会、2日目、体調不良で参加できず、非常に残念でした。また秋にヒューマンギルドであるそうなので、是非参加したいと思っています。
ところで今日、久しぶりに息子とキャッチボールをしていて思ったのですが、あの、グローブの匂いとか、パシッという感覚とか、ボールの縫い目の手触りだとか、たかがキャッチポールでも、「みつめる、なりきる、感じを高める」ことを無意識的にやっているのかなと思いました。森田療法って、日常的に使えるお得な心理療法なのかも?
さてさて「スッと手を出す」ができずに日曜日が終わりそうです・・・。

Posted by: 蕪 | March 02, 2008 at 04:45 PM

 蕪さん

 僕もグローブや革製品の臭いとか好きです。
 臭いや手の感覚は「なりきる」のに向いているかもしれません。
 
 体調は戻りましたか?昨日から僕は体調が崩れてきて、寒気がします。
 風邪にも「見つめ」「なりきり」った方がいいんだろうけど、明日から仕事だし、強引にでも治さなきゃ。

Posted by: アド仙人 | March 02, 2008 at 10:54 PM

そうですねーなりきったり見つめたりするゆとり、欲しいですね。風邪くらいとはキチンとつきあって、ウイルスと戦う我が身を見つめたいものです。でも辛いのいやなのですぐに薬を飲んじゃいますが・・・
とにかく無理をなさらず、お大事に
匂い・・・(笑)

Posted by: 蕪 | March 03, 2008 at 01:25 AM

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