日本にかけられた催眠
「洗脳支配」から
本書のテーマは「日本人にかけられた洗脳を解くこと」で、明治維新以来日本人が支配層、あるいは外国から、植え付けられた「洗脳」の数々が暴かれています。
その中でも、本書の冒頭に、心理学関係者なら驚くべきことが書かれています。
戦後の日本人のメンタリティーに決定的な影響を与えたのはGHQによる占領政策であることは、知られています。
成立の経緯はどうあれ日本国憲法や新聞の検閲など「政策的に」日本ならびに日本人を「改造」しようとしたことは確かでしょう。
しかし、そういう行政的、政治的な動きだけではなく、それら「洗脳政策」を心理学的に支えていたと思われる超大物心理学者がいたのです。
アーネスト・ヒルガード(1904~2001)、スタンフォード大学教授、催眠研究の権威として心理学者なら知らない人はいないはずです。
そのヒルガードが、「戦後日本の教育の非軍事化のため」GHQに呼ばれて来日したというのです。
著者の苫米地氏によると、それがヒルガードが没した年にスタンフォード大が出した追悼文に載っていたそうです。
日本の教育の非軍事化、日本人が戦争に自己罪責感をもつためのプログラムをWGIP(War Guilt Information Program)というらしいのですが、そのプログラムにヒルガードが加担していたとは。
それを知って苫米地氏も驚いたらしいけど、私も驚きました。
日本は、米軍から二度も原爆を落とされ、空襲で焼け野原になり、まさに無差別大量殺戮、虐殺が行われました。
著者もいいます。
敗戦前の少なくとも半年の間、日本人は国ごと一部の米国人の実験用モルモットとして、やりたい放題に殺されたとうのが事実です。・・・(略)・・・
私たちには被害者としての実感があまりわいてきません。とんでもない大量殺人を実験として行われ、同胞が見るも無残な殺され方をしたのですから、本来ならば、筆舌に尽くしがたい悲しみと恨みを占領軍に抱いて当然のはずです。
にもかかわらず、我々日本人は、アメリカに根拠もない好感を持ち、戦後ずっとアメリカの支配を唯諾々と受け入れてきました。
「これはきわめておかしな心情といわなくてはなりません」
つまり、
日本人の心に、「戦争を起こした私たちは愚かな罪人だ」という情報の書き込みが行われたことは確かなことです。・・・(略)・・・
GHQが占領下の日本にWGIPを遂行する背後には、もちろん本国のアメリカ政府のコントロールがあったのでしょう。しかし、ヒルガード教授ほどの人物がかかわっていたとは思いもよりませんでした。ヒルガード教授がそこに噛んでいたことを知って、もちろん彼がどこまで深く関わっていたかは知るすべがありませんが、私は、私たちが受けた洗脳教育がいまでも強く日本人を縛っている理由をはじめて理解した気がしました。もしもヒルガード教授の指導でGHQが洗脳教育を行ったとすれば、それが新聞検閲や情報操作、要人の洗脳程度の生やさしいものですむわけなどないのです。
ところで、このような認識に立つと、いま日本で起こっている経済の問題も、相当に根が深いことがわかります。アメリカという世界最大の赤字国をあらんかぎりの力で支え、これでもかこれでもかと資金を貢ぎ続けている日本は、いまでもヒルガード教授の洗脳にがんじがらめにされているということができます。
日本の志のある心理学者は、日本人の脱洗脳のため、ヒルガード/アメリカの施した洗脳が何だったのか、明らかにしてほしいと思います。
支配の道具となった「心理学の悪用」の怖さを知りましたね。
これにスキナーやアイゼンクら行動主義心理学者が絡んでいないことを祈りたいものだ。
我々は完全にモルモットだからね。いいように操作されてしまうでしょう。
こんな洗脳をしろと命じられても、フロイディアンやユンギアンは、どっちでもいいよ、口先ばかりやお人好しで役に立たないから。その点では人畜無害。
アドレリアンもダメよ、やたら反抗的だし、人の言うこと聞かないから(笑)。
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