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April 08, 2008

太極拳は安定剤

 もういっちょ「太極拳が体に良い理由」から。

 太極拳運動特有の身体、記憶への効果を見てきました。さらに太極拳は神経伝達物質のセロトニン神経優位の状態を作るといいます。

 心に関係する神経伝達物質には3種類あります。
 ノルアドレナリン=集中力、やる気、緊張、注意力を高める。興奮系。
 ドーパミン=意欲や動機、食欲などの欲求を司る。報酬・快楽系。
 セロトニン=不安や衝動、食欲などを調節する。落ち着き系。

 普通のスポーツや武道は、興奮や集中力を喚起するので、ノルアドレナリン優位の状態を作るといえます。

 さらにギャンブルや恋愛・セックスに耽溺している人の脳は、ドーパミンがバシバシ出ているのでしょう。

 対するセロトニン神経が優位の時は、「気持ちが落ち着いて欲望や快楽が納まった、いわば醒めた状態」になります。
 そうなると「パニックを起こしにくい精神状態をつくれるし、判断力や欲望の制御能力も向上」します。

 セロトニン神経優位の状態は、リラックスしていてもすべて緩んでいるわけではなく、すっきり爽快でいつでも状態変化に適応できる適度な緊張感が持続している状態。これが、ただののんびりダラッとして眠気を誘うような状態と違う点だ。この差は歴然である。

 太極拳の稽古が終わった後の独特な爽快感は、他のスポーツや娯楽をした後の気持ち良さとは全く違うと感じていましたが、生理学的な根拠があったようです。

 そしてこれは臨床心理学的には、とても大事な状態であることがわかるでしょう。
 著者はリストカットする人には血液中のセロトニン濃度が低下しているという報告があること、うつ病への選択的セロトニン再取込み阻害剤の存在も指摘しています。
 心の治療もセロトニンがキーワードなのですね。

 著者によると、セロトニンはさらに体への影響もあるといえます。

 セロトニン神経は、体の中心にある抗重力筋につながっており、活発になると姿勢が良くなるといわれている。その影響は顔つきにまで及び、だらしない顔つきがシャンとしてくる。

 どうりで私はいつもシャンと、キリリと、凛としているわけだ(?)。

 このようなステキなセロトニン神経を活性化させるにはどうすればよいか?

 それは、呼吸、リズム運動、意識動作の三つだそうです。

 セロトニンは呼吸とかなり密接な関係にあり、とくに座禅のようなゆっくりと細く長い意識呼吸が重要だ。動作と呼吸が結びついていればさらに良い。また、セロトニン神経は2Hz(ヘルツ)のリズムに同期して活性が高まるといわれている。2Hzは音楽でいえばモデラートぐらいで、けっして速くはないテンポ。これらはすべて太極拳の得意分野、セロトニン神経の活性化は任せなさい・・・である。

 姿勢から顔つき、精神作用まで及ぶセロトニン神経の作用。太極拳でしっかり活性化させることで、生活の質は飛躍的に高まること請け合いだ。

 どうです?
 あなたも太極拳がやりたくなったでしょう? 

 

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