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July 15, 2008

汝自身を知れ

 一日の寒暖の差が激しく、完全に夏風邪を引いてしまいました。あー寒気がする。

 前回の記事で、副島隆彦氏の予測を紹介したように、ニュースではアメリカの金融危機がまた表面化したようです。どうなるんでしょうね。

 さて、子どもの問題行動や症状を正すには、今の心理臨床はたくさんの洗練された技法を持っています。

 そのまま受容・共感することの限界と無力は広く知られることとなり、強化スケジュールを分析したり、家族システムを変えり、解決イメージを作ったり、例外を探したり、認知を変えたり、砂の箱になぜかフィギュアをいっぱい入れたり、催眠や目玉を動かすなどなど、数え切れないほどあります。

 アドラー心理学は技法面では多様で折衷的ですが、アドラー自身が大事にしたのは、「誤った認知を直すこと」であることは改めて確認しておきたいと思います。

「教育困難な子どもたち」から

 そのためには、今の認知行動療法のようなやり方ができるはるか前から開発したのは、早期回想に代表されるライフスタイル診断の様式でした。

 子どもの家族の中での位置は、子どもたちを独自にまさに典型的に発達させます。子どもの職業の選択、空想、白昼夢、夢は、ライフスタイルに共感し、子どもをよりよく理解できるための手がかりを提供します。

 まさにそれらはライフスタイル診断として現在も私たちが学んでいることです。
 そして問題児や心理的病の子に対しても、

「汝自身を知れ」というのが優れた教育の手段です。それによって、私たちは、「ライフスタイルの」誤りについて子どもに完全な理解を得させ、誤りを排除するのです。子どもがこれらの連関を理解すれば、人生において決心をするようになり、もはや以前と同じ子どもではなくなります。自らをコントロールし誤りを一歩一歩ゆっくり解体し始めます。これが「汝自身を知れ」の成果です。子どもを罰したり、非難することでは、このような成果には決して達するころはできません。

 と子どもに「汝自身を知れ」と迫るのです。
 汝の誤りを理解せよというのです。

 誤りは普通「欠点」となって現れるので、これを指摘するのは確かに楽しい体験ではありません。これは「勇気くじき」でしょうか?かえって症状や問題行動は悪化しないのでしょうか?

 いや、やはり違うのです。「罰したり、非難するのでない」とアドラーも言っています。「反省」ともちょっと違うかもしれません。
 その子どもの力を信頼して、暖かく、やさしく、ユーモアを持って、なおかつ毅然と伝えるべきだとアドラーは考えたのだと、推察します。

 この辺は、子どもを無条件に受容するとかいうのとはちょっと違う、「そのままの君でいいのよ」なんて甘いことは言わないのがアドラー心理学。
 知らない人にとっては意外なところかもしれません。
「ダメなものはダメ」と言うのです。
アドラーはそのダメなものを「人生の嘘」と言いましたが、アドレリアン・カウンセラーは「暴き系」でもあるのです。

 しかしそこは、実際の臨床や教育場面では確かに難しいところがあるのはアドラーも認めています。

 誤りを犯す人に、その誤りを洞察してもらうことは、容易なことではありません。例えば、教育困難な子どものライフスタイル全体は、変えられることに抵抗します。ペスタロッチはいっています。「荒れた子どもを改心させようとするならば、必ず反抗し、困らせようとするだろう」これは無意識化されたライフスタイルの変えられたくないための防衛手段であり、機械のように「変わることなく」動き続けるでしょう。教育困難な子どもを治療したいと思うのであれば、多くの我慢と友情と隣人愛が必要です。子どもは、他の人に関心を持っている仲間を必要とします。このような「他の人への」関心を(自分は)理解していないとしても、感じることはできるのです。

 私もアドラーのひそみに倣い、ライフスタイル診断をしてその子のライフスタイル、認知スタイルを理解したと思ったら、その子に伝え、共有するようにしています。一緒に暴き合うのは、なかなかスリリングで楽しいセッションです。

 子どもの「仲間」になる大切なステップとなります。

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