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August 05, 2008

合気の秘密

 前々記の津本陽著「孤塁の名人」の後半で、大東流合気柔術の達人、佐川幸義氏の後継者的人物木村達雄氏が合気を習得したことについて書いてあります。

 いくら稽古しても全く佐川氏に歯が立たず、いつも異次元の合気の技で吹っ飛ばされていて、全然佐川氏のレベルに近づけなかった木村氏ですが(といっても木村氏だけでなく他の誰も同じだったのですが)、佐川氏の晩年にようやく「合気の秘密」をつかんだというのです。

 その結果、佐川氏と同じような技が使えるようになったそうです。
 相手が体が触れた瞬間に吹っ飛ばしたり(体の合気)、極真空手家始め強力な突きも全く関係なく、相手をマネキン状態にしてひっくり返らせるくらいのことは簡単にできるようになったといいます。

 ちなみ木村氏は筑波大学教授で専門は数学です。極めて高度な論理能力と科学性をお持ちの方がこのような超能力的な技を使えるようになって、堂々と公言しているところがおもしろい。

 本書の中で、木村氏はご自身が考える合気の秘密を興味深い言葉で表しています。

「人体の非物質的システムの働きを消す」

 人体の非物質的システム?聞いたことのない言い方だけど、木村氏も正確に定義できていないけれど、肉体を鍛え抜く中で、それだけではダメだ、その奥にある「何か」をつかまないと合気は理解できないと結論づけたようです。

 Aという鍛えあげた大男を、弱々しく小柄なBという男が倒そうとして、Aが倒れないのを見た人々は、あたりまえだと思う。
 しかし考えなおせば、それは非常に不思議で神秘的なことだと気づく。押されたとき、Aが肉体という目に見える物質だけであれば、二つの足の裏で地面に立っていて、重心も上の方にある、不安定きわまりないものである。
 Aがおなじ重心配分をもつ人形であれば、小男Bに体当たりされただけで簡単に倒れてしまう。倒れないでいることは不可能だ。
 しかし、実際には、鍛えたAはBの力を軽くはねのける。それは押されたとき、体に何らかの非物質的なシステムがはたらくためであると、木村氏は推測する。

 人体は物質的システムである肉体と、目に見えない非物質的システムで構成されている。前者は後者によって動きの安定、強さを得られるというのである。
 非物質的システムは、赤ん坊が両足で立ったときから、意志とは無関係にはたらいている。そして体を鍛えれば、物資としての肉体だけではなく、非物質的システムも鍛えられることに、木村氏は気づいた。

 佐川先生が体を鍛えよといった意味が分かったのである。非物質的システムは、物質的システムが筋力として数値化できるのにくらべ、その存在さえたしかめがたい。
 木村氏は断定する。
「合気とは何か?私の今の感覚では、この非物質的防御システムのスイッチを切ってしまう技術だと言えます」

 スイッチを切ると物質的な肉体だけでは外力に抵抗できない。
 スイッチを切る技術にエネルギーは必要ない。相手が複数でも人形がいくつか集まっただけで、ゼロのエネルギーを幾つ足してもゼロということになる。

 どうですか?難しいかな。
 私には木村氏のいわんとするニュアンスはわかる気がします。

 高岡英夫氏の身体意識のシステムと通じる発想なような気がします。

「エネルギーとしての気」ではないと木村氏はいいますが、苫米地英人氏のいうような「情報としての気」なら、気という概念とも通じるかもしれません。気は情報

 しかし、ほんとにそんな人の非物質的システムのスイッチを入れたり切ったり自在にできるのだろうか?

 ちょっと探求してみたいテーマであります。

 

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