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September 28, 2008

小泉雑感

 小泉純一郎元首相が引退。

 見ていて「バカかこいつ」と思えるほど、哀れなほど卑屈にくっついていたブッシュ・アメリカの凋落の兆しに己の限界を悟ったか、これから恐慌で地獄を見る国民の「誰のせいでこうなった」という非難をかわし、何食わぬ顔をして支配層の一角に居続けるための、実に「いさぎよい」決断ということか。

 または、自民内での影響力の低下はもとより、もし小沢民主が政権を取ったら、下手したらお縄になることさえないわけではないと、「降参するから何もしないでね」という死んだフリ作戦か。

 いろいろ空想するのも楽しい。

 私、この顔を見るのも虫酸が走るので、テレビでも内容だけ知るとさっとチャンネルを回すか切ってしまいました。

 しかし私みたいなのがいる一方で、いまだに好印象を持っている人も多く、調査でも高い好感度を持っているようです。

 この現象は「実におもしろい」。

 確かに、何か他の政治家と違うものが小泉純一郎という人物にあるのは事実かもしれません。

 私、彼のやったことで唯一感謝しているのは、クールビズの導入ですな。あれで夏にうざったいネクタイから解放された。

 小泉純一郎の心理診断、精神分析をやっている人がいたら知りたい。
 私、心理的病理の解明にそれほど関心のない心理士だから、よくわからないです。
 よく精神分析系の人が有名人を分析するときに出してくる「人格障害系」なのかどうか。演技性人格障害の気はあるのかしら。
 DVやレイプ疑惑など危ない噂も多かったから、かなりの変人だったことは確かでしょう。

 本ブログでは、以前内田樹先生の物議を醸した「小泉=学習障害説」を紹介したことがありました。http://taichi-psycho.cocolog-nifty.com/adler/2006/08/post_4a64.html#comments
 観察上も、業界ウラ情報からも、この人は普通じゃない、ある種の能力の偏りがあるのは確かそうだったからです。
 ネットでも、LD(学習障害)より包括的な概念「発達障害説」は散見されますね。
 ただ世論の空気の読みのうまさ、マスコミ受けする会見ができるところなどから、アスペルガー系ではなさそうです。

 もちろんLDだからといって政治家になっていけないはずはありません。チャーチルだってそうだったらしいし。
 しかし、内容によっては適性というものがあります。

 私が大学時代最も影響を受けた一人の経済人類学者、栗本慎一郎先生の「パンツを脱いだサル」には小泉の「おバカぶり」が暴かれています。
 「パンツを脱いだサル」

 国会議員で慶應同窓生のよしみで栗本先生は、最初は小泉の「友達」を買って出て、「家庭教師」を紹介しました。リーダーになるんだからこのくらいは知ってもらわなきゃと、経済などの専門家に頼んで小泉に「ご進講」をしてもらったそうです。

 しかし、その先生たちはみな政策や経済を全く理解できない小泉のおバカぶりにあきれ、「問題が何かわかっていない」と断じられたのです。

 そういう人が総理大臣になった。

 おバカキャラでタレントやコメンテーターになるならともかく、一国のリーダーが政策と経済がわからないとは、数学のできない数学者、武術のできない武術師範に等しい。
 心理学を学ぶ力のない人がカウンセリングをしたら、クライエントにはえらい迷惑のはず。
 それが起こっていたのではないかな、あの5年間は。

 よく非難された「丸投げ」は「無責任」「いい加減」な性格故ではなく、「能力の欠如、偏り」によるものだったのかもしれない。
 内閣全体が特別支援教室みたいになっちゃってたのか。そして担任の先生は、小泉以上に口がうまい竹中平蔵(と送り込んだ勢力)。
 彼らにうまくおだてられ、良い点を取るべく一生懸命励んだのか、小泉君は。郵政選挙は100点満点でした。

 しかし彼は、政策には関心がなくても政局は大好きだったらしい。
 つまり、スリリングでワクワクするようなことに惹かれるタイプなのかもしれない。ADHDも入っていそうね。嘘か誠か、リタリン中毒説もあったし。
 アドラー心理学的にはこういう人を、エキサイトメント・シーカーといいます。
 私も多少このキャラ入っています。

 ちょっと視点を変えて、高岡英夫氏の独自の身体意識学の立場から見ると、小泉は中丹田人間なんだそうです。
 中丹田は、胸の中心からやや下の部分にできる身体意識で、ヨガのハート・チャクラ、東洋医学でいう壇中の辺りです。他に、腹にできるのは割と知られた下丹田、頭は上丹田といいます。

 この中丹田が活性化されると、「やる気」がわいて、とても情熱的になり、何か困難にぶつかるとさらにやる気がかき立てられるといいます。その情熱的なエネルギーが他人にも伝わっていき、人を動かすことにつながっていく力を持つようです。

 そのような中丹田人間の代表としては、幕末の英雄・高杉晋作、カンフー映画のブルース・リー、星野仙一監督を高岡氏は挙げています。みんな情熱の人ですね。
 貴乃花優勝でトロフィーを渡すときの「感動した!」や、郵政解散の時の記者会見での、あの使命感にかられて高揚した表情は多分本気だったのでしょう。
 それに少なからずの人がエネルギーを感じて「動かされた」。

 しかし、小泉の頭は空っぽだった・・・。

 頭脳を活性化する上丹田はなく(「自衛隊のいくところが非戦争地帯だ」など論理も何もあったもんじゃなかった)、逃げ足の早さから下丹田もなかったでしょう。腹が据わっているという感じではなかったですよね。ちなみに下丹田の人物は武田信玄や徳川家康だそうです。

 結局小泉は、今の「おバカキャラ」の先駆けだったのか。
 首相としては困ったちゃんだったけど、個人的に付き合えば面白い人物だったのかもしれません。

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Comments

今回の引退jについてどのようにお感じかを聞いてみたかった事もあり、興味深く読ませて頂きました。
支持と拒否との格差も大きいですね。

August 19, 2007 にも書かれていた「エキサイトメント・シーカー」という分析は面白いと思いました。

Posted by: 渡辺 | September 28, 2008 at 08:39 AM

 渡辺さん

 今日はお疲れさまでした。

 小泉純一郎という特異なキャラに振り回された我々でした。
 しかし、権力者だから、どんどん好きなことを言っていいのだと思います。

 ロック好きで、ボンボンで、ヤクザ者(父親の家系らしいですね)なところが、官僚上がりの政治家にない「ゆるみ」と中丹田のエネルギーの力と相まって、人気を作り上げているのだと思いました。

 私だって、最初は惹かれましたもの。

 エキサイトメント・シーカーは私もそうだけど、探求心旺盛な貴方にもありそうですね。

 

Posted by: アド仙人 | September 28, 2008 at 11:31 PM

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