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April 30, 2009

合気道の強さ

 前記の「誰も知らない武道のヒケツ」には、太極拳、形意拳、八卦掌などの中国武術の戦闘技術のエッセンスである「交叉法」について解説してあり、興味のある方は是非当たってみるといいと思います。
 戦い方の目が変わるかもしれません。

 本書には、いたずらにパワー志向に陥ることなく「相手の攻撃力に逆らわず受け流して自滅させる」武術の究極の形態、「理想形」として、太極拳の他に合気道を挙げ、詳細にその理合について解説しています。

 よく「合気道は実際の戦闘では使えない」という批判をする人がいますが、著者はそれは全くの間違い、ただ「鍛えた筋肉を打ち合うこと」を実戦と思いこむパワー志向の浅はかさと考えています。
 実際に著者のところに学びに来る武道・格闘技専門家たちに合気道や太極拳の技を示して見せて、大いに納得させているようです。

 合気の基礎原理(脱力)を体現していれば、それを実際の武術の戦闘に活かすことは十二分に可能なのです。
 いやもっと希望のある話をすれば、「体格・体力に関係なく年とっても上達していける夢のような超武術を体現することができる」とまで言い切ってしまいましょうか。
 武道好きな人たちが「あんなの実際には使えないよ」と小馬鹿にしがちな合気道が、実は素晴らしく遣える武道だというのは景気のいい話でしょう。p84

 しかし実際の合気道学習者から、例えばローキックのような効果的な格闘技の技にどう対処してよいかわからない、やられてしまうという悩みを聞くことがあるのも事実です。
 そんなとき、著者はいたずらに空手やキックボクシングのように脚を上げるローキック対処法を学ぶのではなく、、己の学ぶ武術の基礎をもっと見直せと迫ります。

 それもこれも、相手の攻撃に付き合わずに、間合いと角度とタイミングを計って隙間に付け入るから圧倒的戦闘力を発揮できるのであって、合気道の戦闘理論を無視して実践的な技を加えれば勝てるのではないかと考えたりしていたら、墓穴を掘ってしまうのです。・・・(中略)・・・

 けれどもこういった悩みを持つ人に共通しているのは、最初から「フルコンタクト空手が実戦的で合気道は時代遅れなんじゃないか」という先入観があるのです。p85

 では具体的にどうするか。
 それは合気道の基礎の基礎である「入り身投げ」の原理の応用で十分だとして、その解説をしています。

 武術には筋力より理合い、間合いがとても重要であるということがわかって、面白いところですよ。

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Comments

こんにちは。
いつも楽しみに読ませていただいています。
乱取りのある流派の合気道をやっている者です。

今回も読んでいてそうだそうだ、と思っていました。
合気道の立場からローキックへの対処について書かせていただいてもよろしいでしょうか?
実際は相手と自分ののレベルにもよりけりですが、基本的にはローキックに対してはスカすような前後の足運びが出来るかどうかが大事な気がします。
というか、それが出来ない相手には勝てないかなと。

合気道的な発想で考えると、相手がどこを蹴ってくるか?ということよりも。
相手がいつ片足になっているのか。
蹴りの余力は相手の体の軸をどの方向に動かそうとしているのか?
空中にある足が殺傷力を持つのはどこからどこまでの空間か?
ということなのかなと思います。

僕の印象ですが、最初はフルコンの人はローキックと突きのコンビネーションで牽制をしてくることが多く、ここで真っすぐ下がりすぎると、そのまま怒濤のコンビネーションで押し込まれてても足も出なくなってしまいますし、無理に横に回ろうとすると、ローやミドルで足を止められてそこにラッシュを貰ってしまいます。
またうかつに前に出ようとすると、前蹴りや素人には見えにくいうしろ回し蹴りをみぞおちにもらってラッシュ。
止まっていてもラッシュを貰うことになります。

なのでやはり合気道の理論通りに、ローキックの出端で膝先が加速する前に体当たり気味に入り身するのか。
当たるはずの軌道を体勢を変えずに後ろにズレて、そのまま相手のふくらはぎに自分の膝がくっつくようなタイミングで柔らかく飛び込めれば、もう目の前に背中があるはずです。

ローキックも単発での対処というよりは、流れの中で癖のように出て来ることが多いし、実際には避けづらいタイミングでしか出て来ないのでなかなか上手くいきませんが、古コンの組み手に取り組んで、少し慣れた上で、たまに合気道の動きでスカして、空ぶった相手の足にローを打つ練習や、ローをだそうとした瞬間に胸元に飛び込む練習をすれば、流れの中でスカしたり、出端に入り身を出せるようになれると思います。

フルコンの足さばきと合気道の足さばきは、そもそも思想も用法も違うので、高いレベルでその場にあった基本通りの動きをすれば、相手はかなり驚くと思います。

Posted by: かけら | January 19, 2013 at 08:31 PM

 かけらさん
 
 大変具体的なコメントありがとうございます。

 合気道は高校時代やっていました。
 太極拳と同じく、一見してその凄さがわかりにくいところが、とても面白いと思います。

 やはり歴史の中で鍛え上げられた技術ですから、おろそかにしてはいけないですね。

Posted by: アド仙人 | January 21, 2013 at 09:39 AM

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