国家資格はいずこ?
臨床心理士の職能団体、日本臨床心理士会はこの春に社団法人となったとかで、関係者は念願の国家資格化へ一歩前進と喜んでいるようです。
そうかもしれないけど、でも、よくわからないけどそうなのかなあ。
故・河合隼雄氏らの尽力もあって、一般の人は臨床心理士が国家資格だと思っている人も多く、昨今は臨床心理士が増え続け、職域を増やしている中で、法人化でさらにそんなイメージが強化され、既得権益が確立したともいえるわけで、巨大な民間資格団体が公的顔(公的資格という人もいますが)を持っただけに終わる可能性もあります。
いや、むしろ「偉い人」にとっては、下手に国家資格になったら「損」になってしまうかもしれない。
加えて、数年前に日本臨床心理士資格認定協会に抜擢されたのが、あのヤクザのような森喜朗元首相(結局森さんはこの問題について何か仕事をしたのか?)。
小泉内閣の時に文化庁長官になって(させられて)激務に憤死したかのようなのが河合隼雄氏で、けっこう自民党政権と臨床心理士は関係は深かったようです。
ついでに思い出した。
2年前の東京での心理臨床学会であの茂木健一郎氏が講演に来て、早速生で見れると聞きに行ったのですが、河合氏と親しかった茂木氏が、冒頭、
「河合さんは心理の国家資格を作ってやると言われて騙されたんでしょ?」
と無邪気に言って、会場の空気を一瞬凍らせたのでした。
さてさて民主党政権になって、さらに国家資格が遠のいたのでしょうか。
この問題に関する民主党の姿勢がまだよくわかりません。
厚生労働省大臣は長妻昭氏だそうで、年金だけでなく、これにも関心を寄せてくれるのか。
精神病院に勤務するようになって、ほんと、この医療の世界では心理職だけが資格のない状態というのは不健全だと実感しております。
児童相談所にいたときは別にいらなかったし、以前国家資格論議に参加したときと同じく、今でも「心の専門家」に必ずしも国の免許はいらないと思っているけど、「病院での心の治療家」だけは早く資格化してほしいと願っています。
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