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September 28, 2009

教育心理学会アドラー自主シンポ・3

 その内実はともかく長いことアドラー派を気取ってきた私ですが、ただ一つよくわからないこと、実感できないことがありました。

 それは、クラス会議です。

 アドラー心理学に基づいたクラス会議の有効性は、多くの仲間や本から知っていましたが、個人や家族のある意味チマチマしたカウンセリングばかりしてきて、よくても数人のグループを扱ったくらいしかない自分には、3,40人も子どもたちがいる学級を仕切ることがどういうことなのか、まるで想像できませんでした。

 いや、私だけでなく実際多くの親御さんや学校外部の人たちは、あれだけたくさんの子どもたちを扱うことがどれだけ大変なことか想像できていないで、勝手なことばかり言っていると思います。
 内田樹さんじゃないけど、「先生はえらい」のです。

 そんな無知な私に強烈な一発を放ってくれたのが、今回の自主シンポ、3人目に登場の赤坂真二先生(上越教育大学)でした。
 テーマは「勇気づけの学級づくり」。

 元々小学校の教員だったそうですが、アドラー心理学のクラス会議に関心を持って、(会沢先生が訳された本「クラス会議で子どもが変わる」がきっかけだったらしい)独自に研究し、実践を繰り返し、大成功、新潟の崩壊学級をいくつも再生させて、アドラーのクラス会議の実践者として名を馳せたようです。

 山梨のアドラー仲間の小学校教諭でやはりクラス会議を実践しているS先生から、
「あの先生はすごい、感動ものだよ」と聞いていたのでお会いできる日を心待ちにしていました。

 ほんとにすごかった。
 始まるなり、満員の聴衆の気持ちを引きつけ、爆笑の連続。
 大体学会の参加者は、半分は好奇心だけ、いや欠点探しのような意識で来る人が多いのに、そのような人たちをを引きつける力量はすごいと思います。
 こんな先生なら、子どもたちは心の底から勇気づけられるでしょう。

 今の子どもたちは、「集団成立の危機」の時代にいる、と先生は言います。個別の支援の必要な子供が増加し、未熟な社会性と精神的な弱さ、自己判断が苦手、圧倒的な自信のなさ、といった特徴があり、クラスは容易に崩壊してしまう。

 そんな子どもたちに、いきなりみんなで話し合い、問題解決を目指すクラス会議は無理と赤坂先生は考え、さまざまなその下ごしらえ、基礎づくりを施していきます。その過程、「会話量を増やす」「尊敬の授業」、ふわふわ言葉やチクチク言葉といった「ことばの力」の授業など、魅力的で楽しい授業風景が浮かび上がるような説明と描写でした。

 私も「なるほど、共同体感覚を育てるクラス会議とはこういうものか」とそれまで曖昧だったものがくっきりとイメージされるようになりました。
 私がクラス会議について無知だったのは、子ども時代にそのようなクラス会議を体験してこなかったので、想像できなかったためなのだと思い至りました。
 人は体験できないものは想像しにくい、その未だ現れていないクラス共同体をこの世に現出させた赤坂先生の努力に敬服しました。

 赤坂先生は年は私と同じくらいですが、おっさん化した私と違って実に若々しく、エネルギッシュです。

 新しい世代のアドレリアンの誕生を眼にしました。

 ブログもしていますよ。元気と勇気は誰でも出せる-shinjの日記

 その後シンポジウムは栗原慎二先生(広島大学)の指定討論の下、質疑に入りました。興味深いやり取りがそこでもあったのですが、この学会シリーズの最後にでもまとめて取り上げたいと思っています。

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Comments

 (さきほど書き込んだのですが、うまくいかなかったのでもう、1回!ということで)先生、ほめすぎです。私は、先生方のご提案に鼓舞されて、楽しくやらせていただいただけです。先生のご提案は、あの時間内に理論から実践までを凝縮した贅沢な時間でした。まさに、圧巻とはあのこと。世の中にはすごい方がいるもんだと見とれていました。ぜひ、これをご縁に学ばせていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

Posted by: 赤坂真二 | September 30, 2009 at 08:38 AM

 赤坂先生

 コメントありがとうございました。

 ADHD傾向の私は喋り出すと頭が暴走してまとまりがつかなくなる癖があるので、あの時は一生懸命抑えていたのですよ。

 お互いによい刺激になったようでなによりでした。

 先生の方法や姿をモデルに、これからクライエントや子どもたちに接してみますね。

 またいつか語り合いましょう。

Posted by: 深沢孝之 | September 30, 2009 at 11:01 PM

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