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October 14, 2009

アドラー心理学Q&A・2

 引き続き、Q&Aです。思ってることを書き散らしていきますよ。

Q.アドラー心理学が共同体感覚を大事にしているのはわかるが、現代社会は共同体が壊れていくプロセスにあるともいえる。そういう中にいることを好む人も世には少なからずいるはずで、そういう人たちにどのように応えていくのか?
 また資本主義社会は数値や売り上げが第一で、そのような世界でアドラー心理学は本当に通用するのだろうか?

A.確かに資本主義経済の社会は共同体を破壊する方向で進んできた。一家に一台車があるより、家族4人全員が持てば、4倍の売り上げになるのは当然の論理である。そのために共同体より個を重視するのは必然の流れであった。

 私自身も田舎育ちだが、必ずしも農村共同体の規範や人付き合いが好きというわけではない。都会的な個の感覚を居心地良く感じる一人でもある。
 しかし、このままで良いのかという危機感は持っている。

 共同体より孤立した個を好む人がいても、「心の治療」とはつまるところ何らかの「つながりの回復」のことに他ならないので、その人がアドラー心理学がお好みでなくてもかまわない。
 アドラーのアの字も使わなくても、効果的な心理治療はすべて、共同体感覚的なものを回復させているはずだからである。
 その人のお好みのアプローチを採用すればよいだけであろう。

 実際今の社会状況はアメリカ型資本主義が崩壊の道を辿っているといえるかもしれず、既に共同体の問い直し、回帰が起こる兆しが方々に出ている。
 今後、アドラー心理学の共同体感覚という発想がさらに重要になってくる可能性は高いと思われる。

 その際は、既存の共同体に適応することが共同体感覚の獲得とは限らないことに留意する必要がある。
 未だ現れていない共同体を模索すること、なければ創造し、自分に合ったところを主体的に選択することが大切な発想となろう。

 また、そのような未来のことではなく、現行の社会の中でも、実践者の数こそまだ少ないがアドラー心理学の「威力」は既に発揮されている。

 私の師匠の岩井俊憲氏は企業研修・経営コンサルタントのプロであり、アドラー心理学を使って激しい競争の研修業界で何十年も生き抜いているし、実際多くの企業や団体が助けを求め、エネルギーをそこから得ている。

 逆にいえば経営者や管理的立場にいる人は、売り上げや数値だけでは人も企業も育たないことを直感的に理解しているのかもしれず、アドラー心理学的なものを求めているのかもしれない。

 実際大前研一氏のような「アドラー贔屓」をはっきり言明している人もいる。

 企業だけでなく、さらに結果重視のはっきりしたトップスポーツの世界でも、アメリカのアドラー心理学大学院で学んだ平本相武氏が選手たちにコーチングをしてめざましい成果を上げている(柔道金メダルの石井慧選手や早大ラグビー部中竹監督など多数)。

 適切な例えかわからないが、社会を戦場に見立てれば(やはりそういう面は否定できない)、教育は優秀は兵士を育てる場、臨床は負傷兵や帰還兵をケアする場であり、企業研修やコーチングは戦場に出向いて現役兵士に戦い方を教える場ともいえる。

 それら人間社会の全ての領域にアドラー心理学をバックした実践が役に立つ可能性が高いことは、もっと注目されてもよいと考えている。

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Comments

「心の治療」のためには、「つながりの回復(=共同体感覚の回復)」が必要不可欠であることを、僕も強く感じています。

しかし、古くからあった地縁血縁による村落共同体とか、プライバシーという概念さえなかった「向こう三軒両隣り」式の長屋共同体とか下町共同体は、現代人たちのスタンダードなライフスタイルには合わなくなっています。

僕は、現代は、都市型の(また都会型の)「自由参加式の共同体」が機能している時代であると理解しています。
個人や家族のプライバシーを守りながらも、個人が自分の所属する共同体の場所に通って一定の時間だけ参加する。
また交通手段だけでなく、パソコンなどの通信手段を使って参加する。
全生活的に運命をも共にしながら、生涯にわたって帰属する「単一の共同体」ではなく、個人が自分の自主性と選択によって、部分生活的に所属したり退体したりできる「複数の共同体」です。

企業・会社といった「利益共同体」や家庭・家族という「私生活グループ」も含めて、ほとんどの個人は場所と時間帯を替えながら「複数の共同体」に所属しています。

生き辛さを抱いているアダルトチルドレンや神経症者・鬱病者などは、より良く生きていくために所属・参加しなくてはいけない複数の各種共同体に上手く適応できていないのです。

僕自身もAC的機能不全の家庭で育ったようです。離婚を経験し、現在はアパートで一人暮らしです。
競争と利害関係の少ない教会と英語サークルとスポーツクラブとヒューマンギルドでは、仲間と仲良くやれています。それらは、快適で平安なオアシスに近いです。

しかし、職場では人間関係と競争のストレスにさらされています。利益目的の大企業ですから仕方ありません。

また、二つの自助グループにも参加していますが、自助ブループは職場以上にトラブルが多くて厄介です。
人間関係とコミュニケーションが大の苦手である人たちばかりが、一極集合しているからです。
現在は少し離れていますが、心を病んだ人同士が「プラスの人間関係を育みながら信頼関係を築いて行く」ことはとても困難なことなんだなぁ、と痛感しております。振り返ってみると、悪い影響のほうが多かったと思います。みんな年齢的には大人ですが、人格は幼児的です。

心の健康な人たちの中で生活と仕事をすることによって、僕はかなり健康になりました。あくまでも、僕の場合(ケース)です。

書き出したら、つい長々と失礼いたしました。
記事に感謝しています。

Posted by: しんぷる(mixi) | October 14, 2009 at 05:34 AM

Q、A(1&2)ともに深いですね・・・。

私も色々考えてしまいました・・・。

3も楽しみにしています。
(あくまでも、あればですが(^_^;))

Posted by: ぐうたら三昧 | October 14, 2009 at 07:03 PM

 しんぷるさん

 考えてみれば、私もいくつもの共同体に自主的に入っているのだと思います。
 ヒューマン・ギルドや武術などがそうですね。
 中国の武術は元々秘密結社だったしね。

 自助グループの難しさは、改めて知りました。なるほどと思いました。ありがとうございました。

 ぐうたら三昧さん

 貴方も答える側に早晩なりますからね。
「予習」していてね。

 来年はよろしく。

Posted by: アド仙人 | October 15, 2009 at 12:26 AM

Many people know that atherosclerosis brings a great threat to the health of the heart, but few know that it can cause sexual dysfunction. Have in mind that by doing what the Doctor suggests what we are taking good care of is actually of great importance: our heart and the whole circulatory system. ' Exercising, meditating or waiting for your learning curve on stress relaxation techniques to kick in is not going to produce results in the now.

Posted by: cellulite | July 04, 2013 at 05:56 AM

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