ペルグリーノ博士WS!
11月28,29日とヒューマン・ギルド主催、ジョゼフ・ペルグリーノ博士の「セルフモチベーションのワークショップ」に参加してきました。
ペルグリーノ博士については、これまでほぼ毎年、13回も来日し、その都度ファンを増やしてきました。私も参加する度にここでも紹介してきました。
http://taichi-psycho.cocolog-nifty.com/adler/2006/07/post_6a27.html
http://taichi-psycho.cocolog-nifty.com/adler/2007/08/post_13db.html
http://taichi-psycho.cocolog-nifty.com/adler/2008/10/post-08f1.html
ペルグリーノ博士は北米におけるアドラー心理学の主要学派、それらの本質を学び尽くした、まさにアドラー心理学臨床の達人であります。
アドラー心理学はもちろん、臨床・教育心理学に対する造詣の深さ、カウンセリングでの短時間でクライエントの課題と解決の方向性を見抜く洞察力、そして何ともいえぬ温かさと柔らかさで相手を包み込む存在感があります。
会う人誰もが感心し、虜になる知情意の三拍子そろった素晴らしい方です。
しかし、ペルグリーノ博士は最近は高齢とご病気で長旅は危険が大きいために医師やご家族の反対もあり、今年は一旦来日が取りやめになりました。
しかし関係者の強い思いが通じて、日本に来ることを決断してくださり、実現となったのです。
だから、私たちの多くは、もしかして博士にお会いするのはこれが最後になるかもしれないという「悲痛な」思いで、ワークショップに臨んだと思います。
お会いしてみると、博士はご病気とは思えないほど元気でかくしゃくとしていました。
日本に来て、博士を敬愛する「生徒」たちに会い、各地で多くの仕事をこなしているうちに元気を取り戻してきたかのようでした。
先ずは一安心。
そしてワークショップは大成功。
セルフ・モチベーション、心理学的には「内発的動機づけ」といいますが、自分で自分をいかに励まし、動機づけ、課題に向かっていく力をつけていくかは生きていく上で本当に大切な課題です。
ワークショップでは、博士のガイドの下、各人が長期、短期の人生の目標をイメージし、それをさらに細分化し、課題化していく作業を丁寧にしていきました。
アドラー心理学らしいところは、その夢がただ「一億円を儲ける」というような単純な利己的なものではなく、それが社会共同体にどういう意味、貢献を果たすことができるかをしっかり検討するところです。
それにしても、今だメジャーとはいいきれないアドラー心理学ですが、それでも何人かのスター的、指導者的アドレリアンが現れてきました。
アドラー的ペアレント・トレーニングの先駆者・柳平彬氏、本邦に初めて本格的に紹介した切れ者の大秀才・野田俊作氏、アドラーの思想を厳密に哲学し続ける岸見一郎氏、アドラー心理学的育児の発想を世に広めた星一郎氏、アドラー心理学から飛躍して大活躍の精神科医・名越康文氏やコーチングの平本相武氏、そして我が師で様々な困難にも関わらず着実にアドラー心理学の土台を作り続けてきた大人(たいじん)・岩井俊憲氏。
その中でも、ここ十年来日し続けてくれたペルグリーノ博士の影響力は、今後の我が国のアドラー心理学界の発展において計り知れないものがあると思います。
やはり「本物」を直接見ること、教わることにすぐるものはないからです。
その成果はきっとこれから長い時間をかけて現れてくることでしょう。
私もこれからできる限り、博士からアドラー心理学のエッセンスを学ばせていただきたいと思っています。
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