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December 23, 2009

世界はアスペを求めている

 発達障害の代表選手、アスペルガー障害を知っていますか?

 あまり単純化するといけないけれど、厳密な定義は関連書を見ていただくとして、「場の空気を読めない」「人の気持ちがわからない」「こだわりが異常に強い」「集団行動が取れない」「得意なことには異常な集中力を示すけど、嫌いなことには全く関心を払わない」みたいな人を、私たち心理業界人は「あの人アスペっぽいよね」といいます(よね?)。

 それは診断へつながることもあるし、単なる「困った人」のうわさ話のこともあります。

 最近そんなアスペな人が増えているといいます。

 職場やグループにアスペな人がいると、確かにいろいろと迷惑なことはあります。
 気が利かないし、突然場に合わないことをいうし、時には思うようにいかないと唐突な行動をしたり・・・。一人一人は面白いんだけどね。
 心理学でも学者・研究者系の人に明らかにそうだなと思える人が多くいますが、臨床のような対人援助職にも少なからず見つけられます。
 真面目に仕事してくれるんだけど、ちょっと不安な場面も見ていてやはりありますね。

 あなたの側にも思い当たる人はいませんか?

 しかし、そんなアスペな人が人口の中のある割合で存在し続けてきたのは、人類の生存上意味があったのかもしれません。

 前出の「テレビは見てはいけない」の苫米地英人氏は、自身のアスペな人とのつき合いを振り返っています(苫米地氏も多分にアスペ的ですが、普通のアスペと違って、カルトの脱洗脳をする辺りは高度なコミュニケーション能力があるようです)。

 私は長年にわたってプログラム開発の会社を経営してきましたが、そこでこれまで雇ってきたプログラマーたちのなかには、精神科医から見れば「アスペルガー症候群」(高機能自閉症)と診断されるような人たちがいました。
 そのような人たちは、隣りに座っている人とも生身で会話せずに、メールでやりとりしてコミュニケーションをすませる。そんな人たちばかりなので、私の会社では忘年会も新年会も行いませんでした。「みんなで酒を飲むより、プログラムを書いていたほうが楽しい」と考える人たちなので、親睦を深めようとするモチベーションがまるでなかったかのです。

 まさにそうです。しかし、苫米地氏の会社ならいざしらず、普通の社会ではアスペな人は大変生きにくいはずです。新年会もあるし、営業など自分の苦手な仕事もしなくてはなりません。
 近年の自殺者数の増加には、適応に失敗したアスペな人がかなり入っていると推察されます。

 実際苫米地氏の知人のアメリカのITの会社などでも、心を病んで自殺してしまうケースが少なくないそうです。しかし、

 IT業界の最先端では、たとえそうしたリスクがあったも、あえてアスペルガー的な人材を採用することがあるのです。

 なぜかといえば、プログラミングという作業は、自分の脳内に巨大な情報空間を構築し、それを整合的に維持していないと不可能な仕事だからです。何十万行という膨大なプログラムを書き、一つの目的に添って動くシステムをつくりあげる。それができる人は、自分の内側の世界が外側の物理空間よりはるかに巨大で、はるかに豊かであり、その臨場感を楽しめる人たちなのです。

 アスペな人抜きでは、この情報社会は成り立たないのも事実です。

 積極的に自分の内部世界を楽しむことが仕事においても私生活においても私生活においても求められています。内面にある巨大な情報空間に対しての臨場感が高いアスペルガー傾向の人たちは、外部世界に対しての重要度が下がっているわけです。

 だからこそある意味で自分勝手でトラブルメーカーのアスペな人たちは、人類の歴史を、特に科学技術の分野で作ることができたのでしょう。

 本書でも挙げていますが、アスペな人にはアインシュタインやエジソン、哲学者クリプキ、ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズなど天才に数多くいます。

 どうやって彼らの資質を活かして社会に貢献してもらうかは、社会の大きな課題です。

 私ももう少しアスペ的な要素が強ければ、立派な学者になれたかも。

 私はもちろん、アスペの天敵、ADHD系ですよ。アスペな人をからかうのが得意なんだ。

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Comments

プログラマーにアスペルガー傾向の人が多いというのは実に納得します。優秀なプログラマーほどそうであるような気がします。

そして、ADHD系はアスペルガーの天敵というのも凄く納得しました。
なるほど、なるほど。

Posted by: 渡辺 | December 23, 2009 at 01:20 PM

 渡辺さん

 同書にはあなたもおっしゃるように優秀なプログラマーほどアスペルガー的だと書いてあるし、経験上その通りだと思います。

 あなたもどちらかというと多分ADHD系だから、アスペの人とどんな関係が多かったのでしょうね。
 また、武術の世界にも両方のタイプがいますね(笑)。

 一見天敵でも、案外組み合わせるとチームとしてうまく機能することもありますから、うまくお付き合いしていきましょう。

Posted by: アド仙人 | December 23, 2009 at 11:28 PM

はじめまして,アド仙人さん

私自身,アスペとADHD両方の傾向を
持っている気がするのですが
そんなことありますか?

何度やっても,コメントが送れず…
今度こそ届きますように…

Posted by: yuna | December 26, 2009 at 05:00 AM

 yunaさん

 はじめまして、こめんとありがとうございます。

>私自身,アスペとADHD両方の傾向を
持っている気がするのですが
そんなことありますか?

 アスペもADHDも気質というか特性ですから、両方もっていることは充分考えられると思います。専門家の診断はどうしてもどちらかに決めなくてはならないこともあるのですが、人は多面体ですからね。
 診断や判定がされるときは、その人の具体的な困難や問題が何かを特定し、それが診断基準にどう当てはまるかを考えるので、どうしてもその時点では一面的になるかもしれません。

 かくいう私もパターンや一人を好むアスペ傾向と落ち尽きなく動き回るところと不注意が多いADHD傾向がありますが、どちらかというとADHDの方がかなり強いと思っています。特に多動性より不注意がひどいです(苦笑)。

 yunaさんはどうでしょうか?誰かに指摘されたり、ご自身で気づかれたのでしょうか。

 相矛盾する傾向があってもそれをうまく自分の個性や生き方に取り込んでいられれば、問題は少ないと思います。
 中にはその矛盾に苦しむ方もいるようです。

 うまく自分の個性にしていければいいですね。

 今後ともよろしくお願いします。

Posted by: アド仙人 | December 26, 2009 at 12:37 PM

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