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May 25, 2010

アドラー心理学と中国武術を北陸に伝える

 山梨から石川まで何をしに行ったかというと、自分にとっての二大軸、アドラー心理学と武術の話をさせてくれるというので、ホイホイ出かけていったのです。

 そこは、北陸先端科学技術大学院大学
 なんと先端科学の研究者・技術者を作り上げる高度な研究機関です。そんなところで、極めてクラシックでアナログなことしかやっていない私の話が何の役に立つのかと自分自身も大変疑問なのですが、これも呼んでくれた方がいたからです。その人は、

 藤波努准教授

 知識科学研究科のスキルサイエンス・ラボラトリという場で「熟練の技,認知症高齢者介護方法論,および組織的知識創造の方法論」を研究している方です。
 認知科学などを通して、優れた動きやコミュニケーションを実証的に研究しているようです。
 私はまだ「熟練の技」とはいえないのですが、ムリムリ考えればそこの研究テーマと結びつきそうともいえます。

 という固いことより、実は藤波さん、いや先生は私にとって大学時代のサークルの先輩なのであります。
 そこはW大学神秘学研究会といって、古今東西の神秘主義や神秘思想、宗教学、人類学、サブカルチャーなどを研究・実践するW大学随一の極めて妖しいサークルでした。
 藤波さんは私が入学した頃の幹事長、私はその二年後の幹事長となりました。
 そして、藤波さんは当時哲学科にいてグレゴリー・ベイトソンの研究をしていて、心理学科の私がきっと関心を持つと思ったのでしょう、ベイトソンやトランスパーソナル心理学のケン・ウィルバーを紹介してくださいました。実際その後私は両者に大いに影響を受けたので、見事術中にはまったといえます。

 卒業後藤波さんは、人工知能、認知科学、スキルサイエンスの研究者になられたのでした。

 今回は、私が武術と臨床心理学をどのように結びつけて論じていったらいいかを藤波さんに電話で相談したのがきっかけで、
「じゃあ、こっちに話をしに来てよ。一緒に検討しよう」
 と言われて、じゃあ行こう!と決心して実現したのです。

 北陸先端科学技術大学院大学は、鶴来駅からバスで10分ほどの小高い山の上にありました。アメリカのMIT(マサチューセッツ工科大学)みたいなものかな。中を見せていただきましたが、たくさんの研究がなされ、立派な実験環境が整備されているようでした。
 もし私が理系人間だったら是非住みたい環境だ。きっと研究の虫になって世捨て人になっていたことでしょう。

 そして21日の午後3時から3時間に渡って、大学院の学生さんや学校関係者ら20人あまりの前で講義をさせていただきました。テーマは、

「心と体をアセスメントする-アドラー心理学と中国武術入門」

 前半はアドラー心理学の基礎理論の一部(目的論、全体論)の紹介とちょっとしたワーク(特殊診断質問による自己理想の見つけ方、早期回想解釈の実演)を行い、後半は私のやっている中国武術、特に柔拳の紹介(王樹金老師と太極拳、太極拳の稽古システムとその心身への効果など)を話し、簡単な実習(体ほぐしと気功、推手の体験)を行いました。

 学生さんたちにはまったくの畑違いの話ばかりで戸惑ったことでしょうけど、それなりに楽しんでいただけた様子で良かった。
 特に「三つの願い」「転生願望」という質問に対する答えが、やはり個性的でバラエティーに富んでいて面白かった。
 勘の良い学生さんは、「自己理想」とはどんなもので、自分が何を追っかけて生きてきたのか感じ取ってくれたと思います。

 とにかく短時間に大きなテーマ2つでとても満足に話しきれなかったけど、私にとっては自分の問題意識を整理するきっかけになりました。
 これから何かと武術と心理学について語る機会が増えそうだからです。

 藤波さんとはこの時間以外にも前日や翌日にも時間をとっていただき、古い仲間の消息や研究について、武術や認知科学について語り合うことができました。

 また前日は藤波さんのおはからいで金沢に住むもう一人のサークルOBのSさんとも20年近くぶりに再会を果たすことができました。

 特に観光はしなかったけれど、実に有意義な北陸の旅となりました。

 藤波さんのブログ つとむ日誌 5月21日の記事にも少し私が出ています。

 私の拙い話を聞きたい方、全国いや全世界どこへでも行きますよ。

 

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Comments

田島先生に、原稿をいつも書いていただいている柴田と申します。
先生のこと、お聞きし、取材にうかがいたいのですが。
すみません。連絡先を教えてくださるとありがたいです。ここでしかわからなかったものですから。

PSブログ、内田樹先生の読みたくなりました。

Posted by: 柴田  | June 10, 2010 at 04:38 AM

 柴田様

 はじめまして。

 ありがとうございます。
 取材とはいったい何事かと思いますが(笑)ご連絡は taichi-adler@nifty.comにいただきたいと思います。

 よろしくお願いします。

Posted by: 深沢 | June 10, 2010 at 09:13 AM

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