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June 09, 2010

街の子どももゆるめない

 続いて高岡英夫著「ゆるめる身体学」より。

 前記事のように、ひきこもりやニートのような社会不安、対人不安が強いタイプは心身が緊張しやすく、締まったままでゆるめないというのは理解できる人が多いように思います。

 では、よく街のゲーセンやコンビニでたむろってしゃがんだりしている、実に気力のなさそうな感じで遊んでいる若者たちはどうなのでしょうか?あいつら、いかにもたるんでいないか?

 高岡氏は、そのような彼らもたるんでいるのではなく、やはり心身が「固い」と見てます。
 私も同感です。

 さらには街のゲームセンターや自動販売機の前でたむろしている少年たちと、少し仲良くなって、その動きを観察しても同じだ。
 彼らはよく尻ペタで地面に座っているが、その座り方も、やはりたるみきれていないのである。その姿勢から何か行動しようと動きだしても、その動きが締まらない。カバンから何かを取り出す動きも締まらない。

 その様子をよく見ると、体幹部が固いのだ。さすがに10代だから、70代の老人のように肩関節が固まって動かないという者はいないが、肩甲骨、肋骨などは、同じ年代の、締まることもたるむこともできている子どもに比べると、とても硬い。呼吸も浅い。肋間筋や横隔膜筋の可動域がせまいのである。

 このように一見たるんで自由に好き勝手なことをしているように見える彼らは、実はとても「不自由な体」なのだ。

 それなのに「最近の若い者はたるんでる!もっと鍛えねばダメだ。徴兵制復活だ!」とかなんとかわめき出すのは、ただでさえ固いのをもっと固めることになるのでナンセンスということになります。

 だから、私たち大人が彼らにアプローチする方向性を探るには、まずはこのことを認識することからはじめなくてはいけないのである。その方向性とは、固まっている状態をゆるんでいる状態に変えることなのだが、それが見えてくると、やれることが圧倒的に増えてくるのだ。

 それをしないで、これまでどおり彼らをたるんでいると見てしまうと、それに対する方法は締めることしか見えてこない。・・・(中略)・・・

 しかし、彼らは締まることができない状態にあるわけだから、締めることだけをいくら繰り返しても、締まれるようにはならない。それどころか彼らの身体はもっと固まってきて、たるむことも締まることも、もっとできなくなってしまうのだ。

 どうしたらよいのでしょう。

 答は簡単、先ずは心身をゆるめるアプローチをすることです
 これも全く同感。
 そう思うと高岡氏が言うとおり、やれることがどんどん浮かんでくるはずです。

 アドラー心理学やブリーフセラピー、認知療法など効果的な心理療法は、基本的にその人のものの見方を柔軟にし、選択の可能性を増やし、ユーモアや逆説を大事にするところが共通しています。
 つまり認知、行動面をゆるめているのです。

 高岡氏はこれらに加えて身体をゆるめるアプローチを提唱しています。

 心と体は一体であるというホリスティックな立場(全体論)をとるアドラー心理学から見ても、身体へのアプローチは当然考えに入れるべきです。

 真面目に眉間に皺を寄せて、「無意識の暗闇」「心の病理」を考えることだけが治療ではないのだ。

 というわけで、私は幼少期よく「たるんでるぞ!もっと男らしくしっかりせえ!」と叱られてたけど、ほんとはゆるんでいたんだよ、おっかさん。

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Comments

これは、実に深い視点のように感じました・・・。

ゆる系の価値は2004年頃、桜井章一さんの本を
読んでハッとしてから、その視点を考え続けています。

高岡さんの本は読む機会を逸してきてしまいましたが、
これを機に読んでみたいと思います。

 ぐうたら三昧さん

 貴方も「たるんでいると見られがち」派でしょうね。

 是非、自信を持ってゆるんでいって下さい。

 桜井さんの本は少し接したことがあります。
 元々負けず嫌いだし、勝負事に関心があるので、もっと吸収したいですね。

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