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August 18, 2010

ターミナルケアとセラピスト

 前記加藤清・上野圭一著「この世とあの世の風通し」(春秋社)は、古今東西の精神の科学について柔軟に、かつ真剣に探求しつづけた精神科医・加藤先生の半生がわかる本なのですが、その中にはセラピストが心に留めなくてはならない発想、考え方が満ちています。

 加藤先生の看護士さんたちへの講義で、生と死、人生の終末に向き合うセラピストの姿勢についてとても含蓄のある話をしています。
 引いてみます。

「医者といえども、本当に癒しということを言うには、魂と心と体を深く考えていなければいけない。それを本当に深く考えていると、だんだん気分が落ち着いてくる。この落ち着いてくるとうことが大事です。ターミナルケアに一番必要なのは、治療者が本当に落ち着くことだ。

 魂や死後の世界ということは、あまり強調しなくてもいい。自分が深く深く落ち着いた状態で、死んでいく人に向かえばいいんです。そうすると、人間というのはどこかでお互いに落ち着いていくことを求め合っているから、相手も安心する。あえて口に出さなくてもいい。そばにじっといて、本当に自分が落ち着けば、死んでいく人に伝わる。それがターミナルケアなのであって、何も不安を共に味わうとか、そんなことは全然必要がない。ただそばにいて、自分が本当に落ち着けばいい。それが本当のターミナルケアだ」 p209

 落ち着くこと、これですね。

 簡単な言葉だけど、別にターミナルケアだけでなく、どんな問題にも通じることだと思います。

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Comments

いつもブログ拝見しています。大変参考になるところ多く、感謝しています。

私も、合気道・気功などやったいた時期もあります。また、仕事がらカウンセリングなども少し勉強しました。

「人生で経験するすべてのことは、それぞれ相通ずることがあって無駄はない」と、常日頃思っておりますが、「武道と心理学」は特に大きな関連があると思います。

>そばにじっといて、本当に自分が落ち着けば、死んでいく人に伝わる。

その通りの言葉ですね。この短い簡単な言葉の中に加藤清先生の実践と思索の積み重ねが現れていると思います。ご紹介の本、早速読んでみようと思います。ご紹介ありがとうございました。

Posted by: 知足不足 | August 20, 2010 at 12:37 PM

 知足不足さん

 コメントいただき、またいつもいらして下さってありがとうございます。
 ここでは、なかなか理解されにくい内容を扱っていますが、共感して下さってうれしいです。

 加藤先生の言葉、すごくいいですね。
 
 心の糧にしていただけたら、幸いです。

Posted by: アド仙人 | August 21, 2010 at 02:04 AM

いつもブログを楽しみに読ませていただいています。同業者です。子ども相談センターに勤務後、スクールカウンセラーをしています。仕事で、色々とゆき詰った時、ブログを読ませていただくと、それこそ落ち着きます。感謝です☆

Posted by: lotus-love | August 23, 2010 at 09:13 PM

lotus-loveさん

 はじめまして、拙ブログにいつもお越しくださっているとのこと、大変ありがとうございます。

 かなり近い領域で活動なさっているのですね。

 こんな偏向した内容が少しでもお役に立てていることを知って、ほんとにうれしいです。
 臨床家に一風変わった情報や感覚を提供していきたいと思っています。

 今後ともよろしくお願いいたします。

Posted by: アド仙人 | August 23, 2010 at 10:52 PM

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