おひとりさまを学ぶ・2
上野千鶴子先生が前記事の講演会「家族持ちから人持ちへ~おひとりさまのネットワークづくり~」でお話された中で印象的だったところを記します。
これからの時代、地縁、血縁に代わる人々を支えるネットワークを「選択縁」と呼ぶことは紹介しましたが、特に今、女性同士のネットワーク化が進んでいるそうで、これを先生は女縁と呼びます。
女縁の研究
・選択縁の社会は女性の間で先行している
・女縁のキーパーソンはデラシネ型(多くは転勤族の無業の妻)である(必要は発明の母!)
・女縁のキーパーソンは時間資源、経済資源のほかに、人間関係資源を持っている
・女縁は親族ネットワークに代わる互助機能を持っている
ということで、1人の女性がいくつかのグループに所属していることが多いそうです。そこで時間を潰したり、教養を深めたり、体力作りをしたり、愚痴を言い合ったり場所に応じて使い分けているのです。
その女縁グループがうまくいくコツを上野先生がこんな風に挙げていました。
女縁7戒
・その1 夫の職業は言わない、聞かない
・その2 子どものことは言わない
・その3 自分の学歴は言わない
・その4 お互いに「奥さん」と呼び合わない
・その5 お金の貸し借りはしない
・その6 女縁を金儲けの場にしない
・その7 相手の内情に深入りしない
では男はどうかというと、男はグループを作っても往々にしてつい、「社縁社会を再生産する傾向がある」そうで、つい現役時代の立場や役職にこだわったり、グループの中でも平等な人間関係が作れず、誰がボスになるか「権力闘争」に入ってしまい、結局グループが立ちいかなくなるケースが多いようです。
これは哀しいことに、何かよくわかる。
男同士だとつい「どっちが強いか」「偉いか」「金があるか」のゲームに入ってしまう習性があるということですね。
上野先生は「男同士の関係は死ぬまでパワーゲーム」といっていましたが、そうでしょうね。アホだなあ、男は。
むしろ「男は同性より異性(女性)に弱音を吐きやすい」ので、女縁社会に男性がちらほらと入れてもらう方が良いのではないかということです。
そこで、こんなのを定めたそうです。
男性の参入7戒
・その1 自分と相手の前歴は言わない、聞かない
・その2 家族のことは言わない、聞かない
・その3 自分と相手の学歴を言わない、聞かない
・その4 お金の貸し借りはしない
・その5 お互いに「先生」や「役職名」で呼び合わない
・その6 上から目線でものを言わない、その場を仕切ろうとしない
・その7 特技やノウハウは相手から要求があったときだけ発揮する
どうですか。
私は昔から福祉や医療の女性が7割はいる「女性職場」で生きてきたので、何となく身についているような気がするのですが・・・。
そこで大切なのが、自分の弱さ(老い、病気、障害、性格的問題、貧乏などなど)を積極的に認めて公にしてしまう「弱さの情報公開」だといいます。
お互いの弱さを認めて、共有し、足りないところは補い合うのです。
上野先生は、精神障害者支援で有名な「べてるの家」を引き合いに出しながら、弱さをさらすことで、強固な共同体を作ることが可能であることを説いていました。
「助けて」というための作法と技法
1 自分の弱さを認める
2 何に困っているか(ニーズ)を言語化する
3 安心して話せる相手を見つける
4 泣いたり、怒鳴ったり、キレたりしない、自己主張の訓練をする
5 卑屈にならず相手を要求する
6 感謝とユーモアを忘れない
ここにこれからの高齢化社会でのアドラー心理学をはじめとする効果的な心理学的援助の方向性が見えてきます。
上野先生も「SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)、ピアカウンセリング、自立訓練、居場所作り」が必要と指摘されていました。
「高齢者用スマイル」が開発されるかも。
これからの厳しい時代を「おひとりさま」でみんな仲良く生きるコツを学んだ気がしました。
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