老子を体感する
廖赤陽著「気功で読み解く老子」(春秋社)で、最初に老子の著書(?)「老子」第21章の印象的な一節を引きます。
道の物たる、
ただ怳(こう)ただ忽(こつ)、
忽たり怳たり、
そのなかに象あり、
怳たり忽たり、
そのなかに物あり、
窈(よう)たり冥(めい)たり、
そのなかに精あり、
その精甚だ真にして、
そのなか信あり、
なにやら意味深のような、わかったようなわからないような感じがしますが、やはり言葉が古くてわかりにくい!著者はこんな風に現代語訳します
道そのものは、
ただ恍惚のなかにしか見えない、
ただ恍惚のなかにしか感じない。
ぼんやりうっとりして、
そうしたうちに何か見えるようである。
うっとりしてぼんやりして、
そのうちに何か感じるようである。
このような奥深い幽玄のなかから、
精気が湧き出てくるのがわかる。
この精気の流れは甚だしく真実であり、
そのなかから、生命の情報が伝わってくる。
うん、これは何かわかってくるものがあります。
タオ(道)を見、感じて理解するには「恍惚」の中に入るしかない。
そして恍惚の中に浸っていると、次第にエネルギーがわき出してくるような感覚がしてくる。
そのエネルギーとは生命そのものである。
まさにこれは気功体験そのものです。
著者はご自身の実践する気功の体験を描写します。
知らず知らず、恍惚の奥深い暗闇のどこからか、生命のエネルギーが湧きだして、両手の間に何か風が吹くような感じがする。温かくなったり、しびれたり、何か電流のようなものが走るように感じる。吸い寄せられたり、押し広げたり、何か磁石のような引力や圧力を感じる・・・・恍惚あるのみ。時は恍惚の中に静かに流れてゆく。五分、十分、十五分・・・・あなたは目覚めてもいなければ、眠ってもいない・・・・
気功だけでなく、坐禅や瞑想、ヨーガなど、類似する心身の実践法の経験者なら、誰でもこれに似たような体験、すなわち、恍惚の中から浮かび上がった生命エネルギーの胎動と魂の喜びを経験したことがあるだろう。
本書を読み、気功をし、また本書を読むと老子と共にいるような思いになります。
心身の実践なしに東洋思想を理解することは不可能なのでしょう。
最近「老子とビジネス」など様々な分野で応用されているのを見かけますが、先ずは気功をして心身を「老子モード」にすることが肝要と思われます。
良書です。
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