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May 05, 2011

「アドラー心理学による教育」

 震災やら原発やらでなかなか本ブログの本務を果たしてきませんでしたが、久しぶりにアドラー心理学関連です。

 別にこどもの日を意識したわけではないのですが、今年初頭に、アドラー心理学に関するとても良い学術書、入門書が出ているので紹介します。

 古庄高著「アドラー心理学による教育-子どもを勇気づけるポジティブ・ディシプリン」(ナカニシヤ出版)

 著者は神戸女学院大学教授で、ご専門は教育学らしく、私はお会いしたことはありませんが、岩井俊憲先生のところで学ばれたり、長い間真摯にアドラー心理学を研究されてきた方のようです。
 その成果が本書ということなのでしょう。

 本書を読んで感心したのは実にうまく、丁寧に、かつ簡潔にアドラー心理学がまとめられていることです。
 文献的にもきちんと押さえられ、整理されていて、学者・研究者の仕事らしく、多少ものを書く立場として、見習いたいと思いました。

 内容的には、アドラー心理学内部の話だけではなく、それが現代社会の教育において持つ意義を社会的文脈の中できちんと論じられているところ、さらに、人の発達過程とアドラー心理学の考え方を対応させているところで、児童思春期青年期の心理臨床に関わることの多い立場としては、実に参考になるところでした。

 私は、発達心理学の臨床的応用を試行錯誤しながら実践している中で、「こういうところはアドラー心理学から見たらどうなるのだろう」「アドラー心理学と発達心理学をつなげるには」といった問題意識を常に持っていましたので、視点が同じなので、とても共感しながら読めました。

 アイデンティティーのエリクソンや発達心理学の巨匠ピアジェ、精神分析学の発達論と絡ませながら、アドラー心理学の教育、しつけの意義をしっかり論じる本書は、今後、アドラー心理学を使って教育や臨床、発達支援をする人の基本テキストのひとつとしても良いと思います。

 

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Comments

「がんばろう日本」もアドラー心理学でしょうか?
政府(国会議員)が頑張っていないので頑張りようがない日本のような気がするのですが?

お話は変わりますが、本日「山口勝弘先生」の講義を伺う機会がありました。
心理学は面白いです。
m(_ _)m

Posted by: 吉川 茂 | May 06, 2011 at 10:16 PM

 吉川さま

 やみくもに何でも「がんばろう」は日本人の悪い癖ですよね。

 勇気づけになるかは、相手との関係性次第、ACや広告業界の出してくるスローガンは白々しいですね。

 山口先生は元山梨大で、今英和大の先生でしたっけ?
 山梨の心理業界では重鎮です。
 心理学に関心を持っていただけてよかったです。

Posted by: 深沢 | May 07, 2011 at 05:04 PM

日本最大の図書館検索サイト
カリール
http://calil.jp/

山梨学院図書館に「アドラー心理学による教育」ありました
いま借りて読んでいます
また他の図書館にもリクエストを入れておきました

Posted by: 八雲 | May 12, 2011 at 03:53 PM

 八雲さん

 見つかって良かったですね。

 読んだら感想を教えて下さい。

Posted by: アド仙人 | May 12, 2011 at 09:12 PM

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