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June 20, 2011

真のアドラー仙人

 前記事の通り、6月19日(日)の山梨アドラー心理学学習会は、元山梨大学、創価大学教授・西平直喜先生をお呼びしてのミニ講演会でした。

 これまでは主にヒューマン・ギルドで学んだ仲間同士で話をしてきたのですが、今回は、一味違った切り口で、アドラー心理学を基盤にしながら教育心理学にまい進してきた一研究者にご登場いただきました。

 西平先生はなんと御年85歳!

 長年山梨大学で教鞭をとられ、今回も蕪先生をはじめ、3人の「教え子」が参加していました。

 青年心理学を主に研究してこられた先生は、卒論もアドラー心理学をベースにした「青年期自我感情(優越-劣等感)の心理力動的研究」という題で、1960年代よりずっとアドラー心理学が「私の心理学の基盤となり、常にその傾向を持ち続けた」そうです。

 実際先生のご著書にはアドラー心理学がよく引用、論じられていたそうです。

 使われている言葉は、先生が原書から直接先生なりに訳されたもので、私たちが使っている用語とやや違うこともありましたが、意味は全く同じで、理論の一部だけを都合よく使うのではなく、アドラー心理学全体を高度に咀嚼されていることに、私は深い感動を得ました。

 さらに心理学者らしく、ヒューマニスティック心理学(ホーナイ、フランクル、マスロー)、ファイフィンガーの「かのようにの哲学」との関連についても言及され、広い視野からもアドラー心理学を位置づけられているので、初学者の方にも良かったと思います。

 さらに私にとっても面白かったのは「アドラー心理学につけ加えたいもの」として、67歳で急逝してしまったアドラーはちょっと不摂生だったので「心身統合の実践、呼吸法、気功法」を彼に「お勧めして」いたことです。

 確かに全体論を標榜するアドラー心理学ですが、それでも心重視で、身体に対する配慮が足りなかった、というより西洋の心理学、学問全体がそうだったのですが、先生はそこを補って「気の研究」をこれから進めたいという学問的情熱をお持ちでした。

 なんと先生は齢68歳から西野流呼吸法で「気の修練、実践」を始めて、生来の胃弱にもかかわらず健康を維持し続け、性格もより前向きに変わったそうです。
 まさに飽くなき好奇心。

 実際85歳とは思えぬ、背筋の伸びと柔らかい発想と物腰、見るからに好々爺ですがけして枯れてはいない、現役です。

 私も心理学だけでなく、心身統合の実践を目指して武術や気功を学んできたつもりですが、はるかな先達に全く同じ問題意識を持っていらっしゃる方がいると知って、私は大変驚き、勇気づけられました。

 蔵書は3000冊以上、独学独行の、まさに私の上を行く「アドラー仙人」の存在を知ったのでした。

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