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July 28, 2011

教育心理学会アドラー自主シンポ

 札幌の初日7月23日は、以前私の武術の生徒さんで同業者でもあり、今北海道の大学に移られたM先生と久しぶりにお会いし、おいしい海産物をいただきながら飲んでました。
 変わらず熱心に研究と武術に取り組んでいて、北海道という最高の地を満喫されているようで良かったです。

 そして翌日24日、自主企画シンポジウム「アドラー心理学による子ども家庭支援・3」に参加しました。

 もう3年目になるこの企画、やることでいつも確実に何かが変わり、広がっていくのを感じます。これまでの私たちのプレゼンや話に触発されてポジティブな気持ちになっていただき、これをきっかけにアドラー心理学を学び始めた先生が何人もいることが最近分かったからです。
 こんなにうれしいことはない。

 やっぱりやっていてよかったこの企画、今年のテーマは共同体感覚、アドラー心理学の中心概念で、かつ最も難しい概念です。

 これを心理臨床代表(?)として私、親支援の立場から原田綾子先生(Hearty Smile)、学級経営、学校教育の立場から赤坂真二先生(上越教育大学)がシンポジストとして、いつもと同じ「熱い」講義を繰り広げました。やはり、現場を生き抜く人の体温は高い。もはや同志としての感覚が私にはあります。

 原田先生のブログ

 赤坂先生のブログ

 私は「臨床思想としての共同体感覚」というタイトルで、心理臨床活動の全体を技法・理論・思想の3つの層からとらえ、臨床家の価値観、考え方という思想的側面が理論や技法に影響を与えること、アドラー心理学ではそこを意識的に共同体感覚としてとらえ直そうとしていることなどを「あっさりと」時間がないので話をさせていただきました。
 いつも以上に早口で聞き取れたでしょうか?

 これは昨年ブリーフサイコセラピー学会で一緒にアドラー心理学の発表をさせていただいた八巻秀先生(駒澤大学)アイデアに寄るところ大、というか全てです。八巻先生、ありがとうございました。

 そして、今年はさらに強力な「心理学者」が参加してくれました。つい最近、「共同体感覚尺度」を開発した高坂康雅先生(和光大学)です。
 アメリカにはアドラー心理学に関連したいくつかの尺度が開発されていましたが、日本ではアドラー心理学がどマイナーなためかそういうことを研究する学者がいませんでした。そこへ高坂先生が風穴を開けてくれたのです。
 この共同体感覚尺度、早速私の現場で使わせていただいております。自己受容や所属感、貢献感の程度がわかり、アセスメントや効果測定に役立ちそうです。いつも「借り物」を使っていたから、本当にありがたい。
 この尺度の開発経過がまた面白いのですが、なんでも2年前に静岡大学で私たちがやった話が「わからなかった」から自分でやろうと決意したとのこと。
 現場の実践家同士だと「わかる、わかる」とすんでしまうところを、逆に科学者魂というか、芽生えた疑問に妥協せずに邁進するところなど、「なるほど研究者とはこういうところから発想するんだ」と感動しました。
 また私も「わからなくても貢献できるんだね」と妙な貢献感を感じてしまいましたよ。

 それから指定討論者はQ-U尺度で有名、あの河村茂雄先生(早稲田大学)、教育心理学、学校教育畑の先生に知らぬ人がいないくらいの超有名人です。
 以前はアドラー心理学にネガティブなイメージさえあったという河村先生は私たちの発言を聞き、大分印象が違ったようで、「理想の学級集団は、共同体感覚にたどり着く」「方向は我々と同じ、道は違っても頂上で出会うだろう」と最大限の共感の言葉をいただきました。
 さらに「よい結果を出しているのに、なぜ広がらないんだろう」と疑問と問題提起もいただきました。
 そう、まさに問題はそこなのです。

 ちなみに河村先生と私は今回が初対面なのですが、先生が都留文科大学にいらっしゃったときは、その目の前にある都留児童相談所に私が勤務していた時期で、河村ゼミの学生さんたちが何人も不登校のメンタルフレンドや発達障害のグループのセラピストになってもらって協力していただいていました。だから実は縁があったんだなあと勝手に思っております。

 そして何より感謝は、このシンポジウムを企画し、様々な立場の先生方との出会い、共感を演出してくださった会沢信彦先生(文教大学)です。
 先生の熱意と寛容さ、人と人を出会わせる力なくして、このシンポジウムはあり得なかった。共同体感覚を最も先生から学ばせていただきました。

 思えば最初我々は共同体感覚という美味しい料理を囲んで、あれやこれや言っていただけかもしれません。
 しかし、一番の理解の方法はそのまま食べて味わうことです。
 そしてその瞬間はあの時間、あの場にも確実にあった、みんながそれを味わうことができたと思います。

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