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July 03, 2011

苫米地本3冊

 前記事で苫米地英人氏の動画を紹介しましたが、その内容をコンパクトに、わかりやすく説明している本が昨年から立て続けに出ているので、さらに紹介します。

 苫米地氏は自己啓発系もアドラー心理学やブリーフセラピー系に基本哲学が同じで面白いのですが、その分わかった気になっちゃいます。それより社会・政治・経済ものが私には新鮮で面白く感じます。

「日本人よ、目を覚ませ!」(マガジン・マガジン)は、日本国憲法を丁寧に読み解く中で、これまでの憲法論議とは一線を画した問題を提起しています。
 憲法は国家が国民を管理する一般の法律とは違い「国民が国家を取り締まるための法律」という視点の徹底が何よりも大事ということです。問題の本質は9条をどうするということではないのだ。
 ほかにも中国脅威論に乗ることの浅はかさ、アメリカドルの終焉、マスコミのひどさなど簡潔に論じられています。

「日本の盲点」(ヒカルランド)は苫米地氏お得意のスコトーマ(心理的盲点)の発想から、文芸春秋社が毎年出している「日本の論点」を俎上にして、いかに多くの日本を代表するとされる知識人、論者たちが大事な問題を見落としてきたかを明らかにします。
 文芸春秋社は実はCIAのパシリだというのは、最近は多くの方には知られてきたことだと思いますが、戦後そこが日本の論壇の中心になったことの影響は小さくありませんでした。

 本書で、彼らは何を論じたいのか、逆に私たちに何を論じさせたくないのかがわかってきます。

 私は、「独禁法違反の電通を解体せよ」「アナログ放送はきわめて優れた技術、地デジ移行の必要はなかった」「特別会計は財政の無法地帯である。特別会計を5%切り崩せば、消費税5%に匹敵する財源が得られる」「北方領土も拉致も『外交』ではない」「中国はアメリカより付き合いやすい」といったところが特に興味深かったです。

「利権の亡者を黙らせよ!」(講談社)では、今回の震災、原発事故によって炙り出されてきたものの、いまだ支配層に君臨する政界、財界、官僚の姿を告発し、すみやかにこの人たちに退場してもらい、この国難をいかに乗り切って真の国民主権を取り戻していくか、具体的な方策が苫米地氏らしい発想で提案されています。
 東北を経済特区にするというのは良いアイデアだと思います。

 暴かれるエピソードも面白い。

 先日、私はこんな話を聞きました。某テレビ局でプロデューサーが全員集められ、「今後原発の悪口をいうコメンテーターは使うな!」と役員から厳命が下ったというのです。この局だけが特別なことをしたわけではないでしょう。

 苫米地氏が論じる個々の問題は、特別会計やアメリカ支配、マスコミのひどさなど、これまでも何人かの識者が告発、指摘してきたことですが、氏はそれらをより大きな枠組みから整理して、わかりやすく私たちに提示することに長けています。

 日本の主な学者、研究者とは違ったルートを経てきていること、つまり日本の「学者村」の風土に染まっていないこと、そして、氏お得意の「抽象度の高い視点から見る」という芸当の結果なのかもしれません。

 しかし、ここまで言ってしまってこの人、無事にすむのかなあ、ちょっと心配。

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