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September 29, 2011

勇気とは?

 岩井俊憲著「勇気づけの心理学 増補・改訂版」(金子書房)は前記事のとおり、アドラー心理学で最も重視する勇気づけを詳細に紹介し、身につけることができるように工夫された名著ですが、一般の人が使う勇気や勇気づけという言葉と、アドラー心理学の文脈で使う場合とどう違うのか、または同じかを知っておくことがよいと思います。

 基本的には同じ意味といっていいですが、心理学として、その概念の射程、深さが違ってきます。

 同書にはアメリカの代表的アドレリアンの言葉がいくつか引用されています。私には特に勇気とは何か、どのような心の状態かを表したルドルフ・ドライカース(アドラーの高弟でアメリカにアドラー心理学を定着させた中興の祖といえる人物)の言葉が印象的でした。

 岩井先生もこれを読むと、「これ以上勇気について論評する必要はないように思われます」と述べているほどです。

 勇気は、自己勇気づけ(self-encouragement)の産物で、それは生きることに最も活力を与える。勇気がありさえすれば、ある状況下で、ある課題に対して我々の内的な資源(持ち味)をフルに活用できる。自分自身の価値を証明することだけにエネルギーを浪費するようなことがなければ、我々は、有益な目標に自ら没頭できる。失敗を期待するようなことがなければ、必要性に即して状況を適切に判断できる。

 勇気は、自己信頼(self-confidence)の具体的な表れであり、自分自身の能力を堅く信じることから生まれる。勇気は、恐れによって麻痺されてしまわない限り、ありとあらゆる存在に自然に備わった気質である。

 しかし、よく混同されるのだが、勇気は蛮勇や無鉄砲とは異なる。勇気は、本質的に責任感や所属感と相互に関係している。なぜなら、勇気は、人生が我々のために準備しているかもしれないあらゆることに対処する能力があるのだという確信を反映しているからである。勇気の反対が諸悪の根源である恐れである。勇気があれば、適切な判断が下せるし、それによって効果的な結果を招くことができる。勇気があれば、身体的な強み、知的な活力、感情的な持久力(スタミナ)、創造的なイメージの力をフルに使える。勇気があれば、我々自身と他者が平和に暮らせるようになる。なぜなら、他者はもとより自分自身のことをもはや恐れることがないからである。 p8

 勇気があるとはどういうことか、その諸側面をあますところなく描いているような気がします。

 勇気とは生きるエネルギーであり、自分自身を信頼しながら、責任感や所属感を持ち、それを果たすことに関係し、そのために自分の持てる資質を全力で投入することによって感得されるもの。
 そんなイメージをしっかり持ちたいものです。

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