非常時の心理を講演
日が前後しますが、先週末の連続講座の前、10月20日(木)は、高校の養護教諭の方々の研修会でお話ししました。
以前の同僚で養護教諭に転身した人に声をかけていただいて呼ばれたのです。
会場には児童相談所時代にケースを通して関わった先生もおられ、その子たちの消息もわかり、個人的にはなつかしく、有意義でした。
テーマは「災害時の心のケア」で、この春に被災地に行った経験を話せとのことですが、それだけでは通り一遍のことになってしまうし、心のケア関連の情報は今は探せばいくらでもゲットできるので、少し趣向を変えて「非常時の心理とケア」と題して、災害も含めて人が追い詰められたときに思わず現れる反応とその行動目標についても話しました。
アドラー心理学でいう「最優先目標」を取り上げたのです。
最優先目標については以前、フジテレビのバラエティーで取り上げられたことを記事にしましたが(http://taichi-psycho.cocolog-nifty.com/adler/2010/06/post-5a8d.html)、人が最も大事にしている目標をアセスメントして、人間関係に役立てようというものです。人は危機時にはその人の「本性」が出る、それを探ろうというわけです。
発想は割とシンプルですが、面白いワークができます。
そして興味深かったのは、参加した50人ぐらいの養護教諭のみなさん、「安楽、支配、依存」を目標に持っている人それぞれにいたけど、「優越」に一人も手を挙げなかったことです。
遠慮してたのかもしれないけど、普通は必ず少なからずいるものだけどね。特に企業とかの組織では、「一番を目指す!」という人はいないということはないでしょう(いなければ効率が悪くなる)。
養護教諭さんは、学校組織の中で一人しか配置されないことがほとんどなので、競争意識が働かないというか、頑張らなくても所属感が得られやすいということでしょうか。
仕事も勉強や生活態度を煽ったり指導をしたりというより、生徒さんの心身のケアですから、ガツガツしたモードにならなくてもよいのかもしれません。
いずれにしても面白い結果で、楽しめました。
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