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November 21, 2011

「事例でわかる心理検査の伝え方・活かし方」

 久しぶりの更新です。
 県の自殺対策、うつ病対策事業の一環である認知行動療法の研修会を担当していたりして、最近は結構忙しかったです。

 私は仕事柄実にたくさんの方に心理検査を実施し、そのレポートを書いてきました。
 知能検査、発達検査、作業検査、性格検査等、軽いものも含めていくつになるかもうよくわかりませんが、ざっと2、000人は下らないと思います。

 それだけやっていると自分なりのスタイル、文体というのはできてくるわけで、私の場合アドラー心理学のライフスタイル分析を基本的枠組みにして、各種心理検査を使い分ける、ということになっています。

 もちろんそれが絶対に正しいやり方というわけでなく、仲間や上司のやり方やレポートを参考にしたりするわけで、それぞれが「これはあの人らしい所見だな」と個性がにじみ出てくるものです。

 時々ほかの機関の心理士さんが書いたレポートが紹介状などと一緒に添付されてきて、「ああ、ここでは、この人は、こういう見方、書き方をするのか」と、とても興味深いものです。
 しかし、そういう機会はあまりないもので、他の心理士さんたちはどのように心理テストを実施し、日々のレポートを書いているのかはなかなかわからず、体裁よくまとまった論文なんかでは、見えにくいところが多いと思うのです。

 竹内健児編「事例でわかる心理検査の伝え方・活かし方」(金剛出版)は、様々な心理の現場の様子と心理検査の実施状況、最終的にまとめたレポートの内容をうかがい知ることができて、とても参考になりました。

 本書に出てくる現場は、私の経験のある児童相談所、精神病院だけでなく、大学病院、養護施設、少年鑑別所や刑務所、産業臨床などさまざまで、それぞれの現場で奮闘する心理士さんたちの様子や心理検査に臨む心構えや悩みが描写され、その最終的な「作品」ともいえる心理レポートの例が載っています。

 心理検査はたとえ標準化された妥当性の高いものを使ったとしても、その解釈や方向性の呈示内容は必ずしも一様ではなく、心理士の経験や採用する理論や思想性によって変わってくるものです。
 その辺が心理学的アセスメントの面白さでもあり、書く側としてはちょっと不安なところでもあります。自信がないレポートは突っ込まれやすいですからね。

 心理職に就いた初学者向けが目的の本でしょうけど、一応「中堅」の私にとっても、視野を広げたり、自分の実践を振り返る契機になると思いました。

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