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December 18, 2011

「ふしぎなキリスト教」

 クリスマスが近づいているので、うってつけの本のご紹介。
 といっても私が気に入るのだから、サンタさんとかのロマンのかけらもございません。

 橋爪大三郎、大澤真幸著「ふしぎなキリスト教」講談社現代新書

 クリスマスの前提であるキリスト教について、懇切丁寧に解き明かした本です。

 大体キリスト教って実に不可思議で、不合理に満ちててわかりにくい宗教だと思いませんか。
 処女懐胎とか復活とか、ちょっと大げさすぎないかという奇蹟の数々…。

 実際本書でも論理的整合性やわかりやすさはイスラム教や仏教の方がずっとあるといっています。

 しかしキリスト教がなければ、西洋社会はできず、いいにつけ悪いにつけ、科学や近代社会のことごとくが成り立たなかったのだから、その影響力は甚大です。

 本書は二人の社会学の碩学が、キリスト教の基礎から素朴な疑問に次々と答えてくれていて、目からうろこ、知的楽しさの連続です。

 わかっていたつもりが、実は謎だらけだった!

・どうして神は一つなのか?
・ユダヤ教とキリスト教はほとんど同じ?
・預言者とは何者か?
・イエスは結局、神か?人か?
・なぜイエスは処刑されたのか?
・福音書が複数ある理由
・奇蹟は本当にあったのか?
・カトリックとプロテスタントの違いは?
・科学はなぜ「西洋」から生まれたのか?
          (帯より)

 大澤先生が私たちの代わりになって、実に素朴な疑問から高度な質問まで率直に橋爪先生にぶつけていて、橋爪先生が冷静に答えるという構成が成功しています。

 ユダヤ教とは何か、実際のイエスはどういう人だったのか、キリスト教を実質作ったのはパウロといわれるけどどういうことか、大体聖霊ってなんだ?、なんで教義が会議で決まるのか、カトリックと東方正教会、プロテスタントの違い等々、キリスト教の「歴史的事実」とその奥に内在する論理を、宗教社会学の立場から解き明かしています。

 おそらくそれらは、基本的に多神教の日本人にとっては驚きの発想であり、キリスト教徒や西洋人にとっては自明のことであまり意識に上らなかったことかもしれません。

 私は初めてキリスト教がトータルにわかった気がしました。

 とにかく答えの情報量が多くて、とても要約できないので、是非お読みください。

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