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April 20, 2012

気功と催眠の違い

 気や気功について語るとき、必ず出るのは「暗示、催眠じゃないの?」という疑問です。確かにもっともなところで、両方を体験している私としても、実際に似ているところはあるように感じます。

 ただ、催眠についても実際どういう現象なのかは、研究者間で今でも結論がついていない問題であり、一般の人の「催眠じゃないの?」という疑問も、ではその人が催眠についてわかっているのかというとほとんどの人がわかっていないのではないかと思います。大体そういう時は「だから偽物じゃないの?ウソでしょ?」と言いたいニュアンスが感じられます。催眠はウソではないのにね。

 よくわからないもの同士を比較するのも難しいのですが、これからは個々の具体的な実践や体験をまとめて整理していくことが必要かもしれません。

 私自身は、気功中は確かに意識状態は変容しているけれど、催眠でいう「解離」というより、「マインドフルネス」という注意がくまなく行き渡っている状態と表現した方がよいように感じています。
 それは私の属する流派が、じっと立ってただ呼吸を深く整えていく禅的な方法を採っているためだと思います。あまり派手でないのです。

 ただ、「運気」とかいって、気を体全体にめぐらす方法やイメージを多用する流派ではもっと「解離」を起こしているかもしれません。

 この辺の体験的内容の比較をした研究があるのか知りませんが、できれば両方の研究者にしていただきたいところです。

「よくわかる気の科学」では著者の仲里誠毅氏は、この問題について興味深い実験を報告しています。気功師と受け手、催眠術師と受け手の4人の脳波を比較しています。

 外気功による治療の効果が、催眠によるものではないかという説がある。気功も催眠も、効果そのものの客観的な測定は難しいが、脳波なら客観的に測定できる。そこで気功と催眠の脳波を測定し、比較した。催眠は通常言葉で誘導するが、言葉を発すると脳波に影響を与えるため、言葉の用いない方法で行われた。

 気功時の脳波の最も大きな特徴は、同調現象だ。気功師に現れる脳波と同様の脳波が、初対面の受け手にもみられるものだ(p78)。気功師からの何らかの情報が、受け手に直接送られていると推測される。一方催眠では、左脳にβ波が活発に現れたものの、気功のような同調現象はみられなかった。脳波で見る限り、やはり気功と催眠とではメカニズムが異なるようだ。p94

 同書には催眠術師と受け手の脳波の写真が載っていますが、確かに催眠術師は脳全体から右脳の方が赤く活発に動いていますが、受け手はずっと左の後頭部が活発なままで、違いはわかります。

 催眠と気功といってもいろいろあるわけで、ここでやっているのがどういうものかはわかりませんが、実感としては納得できる結果です。

 面白い本で、気功実践者にも門外漢にも参考になると思いました。

 さらには、この辺の諸研究の蓄積をまとめた学術書が出て、気功の研究や議論がもっと活発になるといいですね。

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