「よくわかる気の科学」
「気」とは何か、どういうものか、あるのか、ないのか、といった問題は私にとって大きな関心のあるテーマです。
一般的には「実在しない」「心の働きに過ぎない」「イメージ、概念」と解釈することが無難というか「科学的」というとらえ方ではないかと思うのですが、実際に気功状態の人を生理学的に測定すると、いろいろ興味深いデータが得られるのも事実のようです。
少なくとも気功とかヨガなどの「気」「生体エネルギー」の実践中には、生理的に特異的な何かが起こるというのは事実らしい。このように「気はある」という立場から、気を科学的視点によってまとめたのが、
仲里誠毅「よくわかる気の科学」ナツメ社
「図解雑学 よくわかるシリーズ」の本で、雑学程度かと思ってみたら、なかなかしっかりしている内容でした。気の生理学だけでなく、日常生活における気の働きから、東洋医学の基礎、気功法の基本までうまく網羅されています。
著者や中国の科学者らが長年これまで行ってきた実験によると、電磁波、とりわけ赤外線の検出、ツボなど特定の体表面の上昇(自律神経のコントロール)、超低周波の検出、静電気の発生のコントロール、微弱な磁気やフォトン(生物光)の検出が確かめられているといいます。
もちろんそれらは気そのものというわけではなく、
いずれも気の性質の一部であり、気の本質であるとはいえない。気功師の心理との関連も含めて、今後のさらなる研究が期待される。p50
といっています。気そのものがあるかはわかりませんが、おそらく主観(意識だけでなく無意識を含む)から客観(身体)までに渡る総合的なできごとを、主観的・現象額的視点から描写したものなのでしょう。
心身相関を考えるときには絶対に避けては通れないところだと思います。
本書はその点で興味深い内容があるので、少し取り上げていきます。雑学として楽しんでください。
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