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July 03, 2012

「解決指向催眠実践ガイド」

 ビル・オハンロン著「解決指向催眠実践ガイド」上地明彦訳、金剛出版はエリクソニアン・アプローチによる催眠療法の実践マニュアルです。

 とても平易な言葉で、やさしく催眠の導入や使い方が説かれています。各ページには素敵なイラストがあって、親しみが持てるようになっています。

 私は何度かエリクソン催眠の講習を受けていて、著者のオハンロン先生のワークショップも参加したことがあるので、ごく自然におさらいができた感じでした。
 ただ、全く催眠を習ったことがないとか、知識しかない人にはちょっとイメージしにくいかもしれません。多少は手ほどきを受けた方がよいでしょう。催眠もお稽古事ですから。

 本書でいう催眠は、過去に退行してトラウマを探るとか原因を追究するというもの(一般的な催眠のイメージか)ではなく、どのようにして未来に向かってリソースを開発するかという解決指向ブリーフセラピー的な文脈で催眠を使うものです。
 当然私もその方向性で催眠を使います。

 技術的には許容語、前提法、スプリッティング(切り離し)とリンキング(結びつけ)、散りばめなどが出ていますが、いつ、どのような時に催眠を使うかというと、

 私の場合、意志の力で制御できない症状や問題に対して、催眠を使います。つまり、自ら望んでも作り出すことができないような問題に対して催眠を使うのです。したがって、意図的な努力や行動によって変えられる問題や、クライエントの意識的なコントロールによって変化を起こすことが可能な場合には、催眠を使いません。p89

 だからいつも催眠オンリーというわけではなく、むしろほとんどの問題は認知行動療法とかの意識的なアプローチで対処できるので、そのやり方でいくのでしょう。それが功を奏しないときとか、クライエントが催眠を望むときにはやってみる価値があるでしょう。

 翻訳がこなれているので、本書の中にあるセリフをそのまま音読すれば、どういう感じで催眠をかければいいか想像がつくでしょう。直感的にエリクソン催眠がわかると思います。

 催眠へのとっつきにくさがあるとしたら、本書から入るのがよいと思います。

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