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July 27, 2012

「対人関係療法でなおすうつ病」

 最近、対人関係療法の本を読み続けているのですが、とてもよいですね。第一人者の水島広子先生のシリーズは、一応患者さん向けとなっていますが、治療者や関係者にとっても必読本と思います。

 水島広子著「対人関係療法でなおすうつ病」(創元社)はシリーズ第1巻目のようです。

 そして、私にとっては予想通りですが、アドラー心理学のアプローチ、発想と大変よく似ている、共通点が多いのは間違いありません。
 だからこれなら矛盾や抵抗感なく両者を実践、折衷していけると思いました。

「全ての心の問題は対人関係の問題である」というのはすでにアドラーが喝破していた発想で、アドラー心理学では以前から「対人関係論」と呼び、「認知論」とともに基本理論といってもよいものです。

 ここで共に対人関係というのは、「現在の対人関係」を重視するということです。現在患者さんを取り巻く人間関係をどう調整し、回復プロセスに合ったものにしていくか工夫していくのですが、そのプロセスは本書を読むと勇気づけそのものなのは明らかです。

 また人間関係の境界を意識して枠づけさせる「自分の『敷地』を意識する」は「課題の分離」そのものです。

 また症状の発生、再発になりやすい「役割をめぐる不一致」「役割の変化」という視点は重要で、ライタスク論と絡ませていけると思いました。

 違いとしては、医学的治療法としての対人関係療法では、役割理論の視点から患者さんに「病者の役割」を意識してもらう「医学モデル」を徹底させることです。
 これは確かにうつ病を巡る悪循環的コミュニケーションを断つには重要なところでしょう。

 アドラー心理学の対象者、実践者は病者ばかりではないので、「健康モデル」が多いのですが、これは実践場面、コンテキストの違いで、基本的視点は同じだといってよいでしょう。

 認知論も、対人関係論もアドラー心理学の重要な構成要素ですが、それぞれが別個に厳密に研究されてエビデンスを重ね、認知行動療法や対人関係療法という新たな治療法になったという歴史的事実は興味深いと思います。

 臨床心理学の中で、これまではあたかも別のアプローチ、人間観のように見えたものが統合されていくとしたら、以前から誰かが指摘していた通り、アドラー心理学的なものになっていくことは間違いがないのでしょう。

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